浅葱は正確には、浅葱屋という名の菓子屋だった。
下の名前は一向にあかそうとせず、
浅葱か浅葱屋と呼べという
浅葱は全員が中に入ったのを確認すると
のれんを中にいれ店を閉めた
そして晴人たちに向き直ると
「その服と、名前をどうにかしなきゃならないな」
と言い、たんすの中から
一式ずつきれいにそろえられた
袴と女物の着物を二組ずつ取り出した。
「奥の部屋を使っていいからそこで着替えな」
といって自分は店の片付けに戻った
幸い、晴人は弓道部で着物を着ていて
優月はなぜだか着た事があったので着物を着ることができた。
真由香は着物をきるのは七五三以来だといってはしゃいでいた
そこにいつの間にか店の後片付けを
おえた浅葱が戻ってきていた、そして急に口を開くと
「ところで、皆変わった名前をしていたな?」
意味を察した優月が
「遠いところからきたので・・・ところで着物、有難うございました!」
と答えると
「いや、それは構わないがあんまり変わった名前を使うより
江戸に似合った名をここでは名乗ったらどうだ?」
と、どこか有無を言わせぬ口調で言ってくる。
そして晴人を見て、
「晴人さんといったかな?」
「はい、そうですけど・・・」
「でわ、ここでは晴人のはるから、
春之信と名乗ってみたらどうだろう?」
晴人は気に入った様子で
「ありがとうございます」
とだけ、答えた。
「ほかの三人も、樹さん、優月さん、真由香さんだったよな?」
と言い三人が何も言わないのを見ると
「こちらは、いつきさんはいつきのつきから月兵衛、
真由香さんは真由香の由香を取っておゆか
優月さんは漢字は優しい月かな?
では優しいからおゆうというのは?」
三人は浅葱の頭の回転の速さに驚きながらも
「そうします!」
と答えたのだった