おはようございます、沙久良です
19日から3日間鳥取・岡山・香川・愛媛へと出張しておりました。メールへの返信等は、今日と明日休みを取りますので24日より行います お待ちくださいませ。
今日も鹿の王の末裔続きです あくまでネタとしてまとめておりますので、全ては書きませんのでその辺りは想像で補ってくださいませ(ぽにょちゃんは分るから大丈夫!)
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「ゆうほりん、今回一番気持ちが悪い…。死にそう…。」
下へ降りると、青白い顔から白に近い土気色になった顔色の、目が半分も開かなくなったぽにょちゃんが居た。
(ほう、随分と麒麟が表面に出て来たのね。)
顔をじっと視て確認し、双履石の方を指さす。
「あそこに行ってごらん。そして石の周りを反時計回りに回ったら楽になるよ。」
「本当?じゃ、行って来る…。」
重そうに身体を引きずりながら、階段を上がるぽにょちゃんを見送り、その後をついて行った
よろめきながら参拝をし、双履石をの周囲を反時計回りで歩くぽにょちゃん、一周回った途端、ゲホゲホと激しく喘息のように咳き込みしゃがみ込んだ。ひとしきり咳き込み、息を整えて身体を上げて階段を上がって来た私を見る。
「ゆうほりん、本当に軽くなって気持ち悪くない!なんで!?」
「麒麟が出て行ったからだよ。」
にっこりと微笑み、ぽにょちゃんを見た後に双履石をみた。
「麒麟!?麒麟がいたの、私の中に!?」
「そう、麒麟がいたの。どうやら呪詛の大元は麒麟だったみたい。なので、ここから聖獣の世界へとお還りいただいた。」
「そうなの!すごい場所なのね、ここ!」
「そうみたいね。」
竹内宿禰命がここで神去られた、それはもしかしたら竹内宿禰命という神の御霊を宿した人々が360余年ほど居て、その最後の巫覡の中から御霊が在るべき場所へと還られた事を示しているのかもしれないと思った。
「ちなみにここ、後2周すると身体が更に楽になるよ。」
「そうなの!じゃ、回るから!」
先ほどと違ってスキップするかのような勢いで柵の周りを巡るぽにょちゃん その姿を見て笑い、そして空を視上げた。
反時計回りに昇る風。
その風は火に煽られてさらに高く、高くへと渦を巻いて昇っている。
その中を駆け上がる黄色い小さな光。
その光をよくよく視れば、駆け上がる麒麟の姿をしていた。
天翔ける麒麟。
その足取りは軽く、嬉しそうに首を振り、尾を振り、喜びを全身に表しながら進む。
(もう貴方は自由だ。好きな場所へと向かうといい。そして時々人を思い出して。鹿野城下の人々を、そして亀井の血を引く者達を。今度は貴方が好きな時に人の世界へと降りて行ける。そしてまた還りたい時に還れる…。)
他の麒麟たちは祭の度に降りてきている。
そして宿る、麒麟獅子の内に。
宿ってその神氣を宿し、再び還る。
人は祈りと清めによって麒麟と成る。
麒麟の頭を被り、獅子の身体を纏って。
赤い猩々(しょうじょう)に先導され、人の前に姿を現わし、その御神徳を分け与える。
そして人々はまた麒麟を敬い、懐かしみ、心を一つにするのだ。
この仁なる聖獣に、泰平の世を願う。
願いは予祝となり、言祝ぎ、この世に安寧をもたらす。
(…祭は大事だ、うん。)
嬉し気に双履石の周りを巡るぽにょちゃんの足さばきは、石見神楽の喜びの舞の様だと思った。
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その後、双履石から階段を下りてさらに左奥、國府神社に参拝した
(麒麟が終わったから、次は鸞だね。その前に御助力お願いします。)
嘗てあった六社を合祀して、建御雷神・日本武尊・速佐須良比咩神・武内宿禰命・伊弉諾尊・菊理姫命・土御祖神・奧津彦命・奧津姫命・宇迦之御魂命の十柱と祀られているので、様々な御助力がいただけそうだ
(さて、鸞への謝罪ってことは、鷲峰山を燃やしてしまった事への謝罪をせよって事だものね。火事には水か。水の神様の御助力をいただかないとなぁ…。)
どこにしようかと考えて、亀井茲矩も祀った瀬織津姫神を思い出した。
(瀬織津姫かぁ…。鳥取の瀬織津姫となると、あの姫神にあたるかなぁ。じゃ、あそこへと参拝しよう。)
1つ終えれば次が浮かぶ 終わらなければ次へは進めない。進めないというよりも、解らないのだ。なので、イズクエと同じく、全てを知って、全てを解って行っているのではない。ただ行けばそこに答えがあるという事だけ知っている。そしてそれを疑ってもいないというだけだ。
これが呪詛にかかっていると、不思議と自分の本当に必要とする神社などは避ける傾向がある。必要な場所を必要ないと思うだけではなく、御神氣がないとか低いとか思ってしまったり、またはスルーしてしまう。参拝に向かっても、参道の途中で引き返したり、どうしてもそこへと行けない場合もある。祀られていらっしゃる神様が拒否しているのではなく、呪詛の大元が拒否しているというのが正しい。
呪詛を解いてほしい様でほしくないその様は、まるで駄々をこねている子供の様だとも思う事がある。人もひねくれると本当を拒否したり、拗ねてみたりするから、その辺の心模様は一緒なのかもしれない。
(…しかしながら申し訳ないけど、神も人もひねくれて拗ねるとめんどくさい。と、思ってしまうのは許してほしい。もっと素直になってくれ。)
はぁ~と大きくため息をつく私を、神々はクスクスと笑って視ていた。
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「…ゆうほりん、やっぱり私、お守り授かって来る!」
社務所の前を通って駐車場に向かう時、お守りを見て授からなくていいのかと尋ねたら、いいと答えたぽにょちゃんだったが、車に乗り込む前にそう言って社務所へと引き換えしていった
(何を授かるのかな?やっぱりアレか…。)
何となく見当はついていた それを本当に授かるかどうか、ちょっと楽しみに待っていると、息を軽く切らして走りながらぽにょちゃんが戻って来た
「ゆうほりん、これを授かった!見て!」
カサカサと紙袋から取り出すお守りを見て、やっぱりねと思う。
「黄色が綺麗なお守りと、麒麟獅子のお守り!もうこの麒麟獅子が可愛くて可愛くて!」
「そうでしょうとも。」
「ん?分かってた?」
「うん、分かってた。」
やっぱりかぁと笑い、麒麟獅子守を手にとって愛し気に見るぽにょちゃん
「可愛い、この顔、たまらなく可愛い!」
そんなぽにょちゃんを見ながら、いつか還った麒麟は成長して力をつけたら、再びぽにょちゃんの元に来るのだろうなと思った。
(その時には教えよう。そして麒麟に名前をつけてあげてねって言わないとね。)
ふふふとそんな未来を思い描いて笑い、車を発進させた
続く~
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