おはようございます、沙久良です
8日は山口市へと出張し、昨日と今日は休みを取っています。メール等の返信は11日より行います お待ちくださいませ。
原稿修羅場がひと段落しましたので、お待たせしました昨年8月の神社ネタです 今回はぽにょちゃんの家系の呪詛解きネタです。あくまでネタとしてまとめておりますので、全ては書きませんのでその辺りは想像で補ってくださいませ
(ぽにょちゃんは分るから大丈夫!)
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ぽにょちゃんのお母さんは不思議な人だった。
あの世代の女性にしては珍しく単身赴任で働き、その功績で国から表彰や勲章を授与されている。こんな書き方は申し訳ないのだが、なんであのお父さんにこんな素敵なお母さんが一緒になったんだと、他人の私は思ってしまう。
そんなお母さんは、自分がなくなる4年前に自分の母が夢枕に立ち、
『あんた、寿命が後4年だけど、残りの人生どう生きる?』
と、言われたらしい。それをメガネ右さんにははなしており、その話を聞いてからちょうど4年後に亡くなられた。
そんなお母さんの生まれは浜田市金城だそうだが、その母、ぽにょちゃんのお母さんは下松市の花岡八幡宮近くの出身らしい。下松市と言えば山口県鹿野町の隣、もしかしたらお母さんの家系を調べると鹿野町の出の人がいるかもしれない。ぽにょちゃんの顔立ちも、どちらかといえば石見の人というより、下松市や光市の人に近い。そちらの遺伝子の方が石見の遺伝子より濃く出たのかもしれない。
対してぽにょちゃんのお兄さんは石見の遺伝子が濃い。肌は白く、目鼻立ちがぱっちりとした濃いめの顔、それに亀井茲矩にそっくりな耳。石見地方の中でも、特に浜田市周辺は色白で目の色素が薄くて鼻が高く、彫も深めで白人種の遺伝子を感じさせる人が多い。お姉さんもいるのだが、一度もお姉さんには会った事がないので、きっと四国に嫁入りしたお姉さんは血脈の呪詛からは逃れているのだろう。
お父さんが倒れた日、玄関入って右手奥に仏間があるが、春の朝靄のような色合いの着物を着た女性が歩いていた。後ろ姿しか視えず、顔は分らなかったのだけど、それをぽにょちゃんに伝えると、それはお母さんのお気に入りの着物だよと教えてくれた。お母さんは自分の死を亡くなった実母に夢で教えてもらったけれど、今度はお父さんを迎えに来ていたのだろうか?
そして、お母さんは生前にぽにょちゃんのお兄さんに伝えていた事がある。
「絶対にこの家に、メガネ右ちゃん以外の女は上がらせない」
と………。
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「…と、お母さんが話してたのを覚えてる?」
お兄さんに伝えると、ハッとした顔で目を見開き、見る見る涙目になった。
お父さんも無事に退院し、自宅療養になった事もあり、呪詛解きの途中経過報告も兼ねてメガネ右さんの家に遊びに行っていた
行く前に巫力を使い過ぎて畑ですっころんで力が入らない事件は起きたが、まあそんな事は大したことではない。さすがに私も呪詛解きの身代わり人数が多すぎて、身体の方が先に悲鳴を上げた様だが、日常生活に支障がないのでヨシとした。
「…おかんが言った事、すっかり忘れてた。おかんが俺にとっては一番の理解者だったし、話を聞いてくれた。おかんが守ってくれたのか……。」
涙ながらにお兄さんが語り出す
「そうだよ、お母さんが守ってくれてたのよ。正確には鹿野(かの)の血脈がかな。」
私はメガネ右さんからいつだったか、お兄さんの馴れ初めと共に聞いた話だ。2人は中学生の時から付き合っていた。そして何度か別れてお兄さんは別の人と付き合ったらしいが、一度もお母さんはメガネ右さん以外の彼女を家には上がらせなかったらしい。
「お母さんは、この家系に呪詛があるかどうかまで解ってはいなかったけれど、メガネ右さんの家系じゃないとお兄さんを守れない事を本能的に察知したんだと思う。いくらまだ近い土地だよねって言っても、山口県鹿野町は浜田から遠いよ。特別浜田と鹿野に所縁があるのでもない。私は他に鹿野町から浜田に、いえ、石見地方に嫁に行きましたって人に出会った事も話を聞いた事もない。そんな土地の人がたまたまお兄さんの家系と繋がるって、血が血を呼び寄せたとしか思えないかな。」
調べて行き着いた先祖は鳥取県鹿野の鹿野藩初代藩主で、その子孫と思われる一族男子は山口県鹿野町の家系の人と婚姻をしている。まるで何かから逃れ、鹿野にまつわる事で血を薄めて、鹿野にまつわる血で護られているかのようだ。
一族女子はというと、お姉さんは四国のなかなか良い家にお嫁入したそうなので、四国の婚家の血に護られているだろう。それに、生まれ育った土地を離れて遠くに嫁入りする事で、実家の血との断絶として呪詛は捉えたのかもしれない。家系に関する呪詛の中で時に長子、または男性のみに出る場合が強いタイプだったのだろうか。もちろん反対に、長子以外に出て他はすべて滅ぼすというのもあったし、女子のみに出る場合もあれば、満遍なく出る場合もあった。あくまでタイプとしてはそれが近いなと思った。
ではなぜ女子で末っ子のぽにょちゃんやその子供にも出たかだが、これは呪詛の掛かった家系の中で、呪詛を解く者というのが生まれる事がある。
その呪詛を解く者がぽにょちゃんだったので、そこに性別は関係なく出てしまったのだろう。
それと、婚姻相手の血筋に護られなかったというのもあるかもしれない。ぽにょちゃんとその旦那・通称山男(やまおとこ)さんは顔立ちが違い過ぎる。大体の夫婦は似た顔を選び、生活していく中でどんどん似ていくか、または似てはなくてもやはり生活していく中でどんどん似ていくものだが、逆にどんどん似なくなっているように思える。むしろぽにょちゃんのお兄さんの方がまだ山男さんに似ている。実際2人は若い頃はとても仲が良かった。
さらに追加しておくなら、今回の呪詛解きには山男さんは含まれていない。なぜなら観相での顔が違い過ぎる。そんな山男さんは山男さんの家族にも顔が似ていないらしい。祖母が宮崎の人だったと記憶しているが、一人だけ違う。石見地方の顔でもない。彼の顔を例えるなら、一番近のはタタール人だ。黙っていたら日本人にすら見えない。どんだけ古い先祖返りをしてるのだろうと、いつもしみじみ見てしまう。
これはこれでまた別の話に繋がるので、ここに記録しておく
それを書けるのはおそらく来年だけど。
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「後は、山男さんがぽにょちゃんに言っていた話で、お兄さん、消防団に入っていた頃、以上に火について語る事があったって。火事に対して憎悪するら感じる勢いだったらしいけど、それ覚えている?」
「…どうだったかなぁ?なんかそんな事を山男に話したような気もしないでもない。」
「そう、まあそこは置いといて、後10歳くらいから大暴れしてたんだってね。感情暴走してた?」
「ああ、家にはおかん以外は味方はいないって思ってたし、おやじの言なんて本当に嫌いだった。」
「沖縄は今でも移住したい?」
「もちろん!いつかメガネ右連れて沖縄移住して、やってみたい事業がある。」
「そっか、そうなるといいねぇ。で、なんでそれを聞いたかというとね、この亀井茲矩って人がね、まあそういう人生だったから血に残った記憶で暴走してたのかと思って。」
そう言って亀井茲矩の画像を出して見せると、皆一瞬目を見開いて固まり、そして大爆笑となった
「こっ、これ、おとんそっくり!」
「おじいちゃんじゃん!」
「でも耳は父さん!」
「そうそう、うちの家この耳したやつが多い!」
「歳重ねたらお兄さんも似そうよ?なので今日から貴方は茲矩さんね。」
「茲矩~!?え、俺の前世とか?」
「いや、そこまでは分らんというか、興味はないけど、まあ魂の一部くらいは亀井茲矩入ってるのかも?」
そう言って笑った後、とある神社の画像を見せた