こんばんは、沙久良です桜咲く

結局今朝の8時まで眠れず、寝たら今度は豪雨と雷で目が覚め、寝不足な私です寝不足 絵を描き始めると、覚醒状態が続くから仕方ないのよねぇ
外は、朝の豪雨が嘘の様に穏やかですけどね。梅雨の終わりって天気の変化が目まぐるしいですね。


14です滴


ザーザーと止まぬ雨を窓越しに眺めていたO氏だったが、さすがに私に痛いところを突かれ居づらくなったのか、もう寝ろと言ってきた蝶々white

「はいはい、分りました。寝ますよ~だ。」

それぞれに席を立ち、寝る準備を始める。
歯磨きを終えて部屋へと戻ると、タンタンは一番窓際に、その横にヒロヒロ姉ちゃん、間を開けてぽにょちゃんが陣取っていた布団

「祐帆りんは私の横で寝るの~。タンちゃんの横で寝て、もし襲われたらいけないから~。」

「何言ってんですか、ぽにょちゃん!私は襲いませんよ!」

「何言ってんの、タンちゃんじゃないよ~。襲う危険があるのは寝てる間にタンタンにinしたO氏だよ?」

「ああ、確かに…。年々、寝込みを襲いたくなる衝動が高まってるみたいですよ~。」

「そうですよね。それで去年は私も一緒に宿泊したけど、私は眠剤を飲んで朝まで絶対起きないから、私だけじゃ理性が保てなくなるかもってぽにょちゃんも誘うように言ったんですものね、O氏。」

「本当、あのオッサンをどうにかしてほしい…。私の身体で祐帆りん襲ったら、二度と使わせてやらない!」

などと、とんでもない会話をしながら、私を守る配置で寝る布団が決まったらしい布団

「あはは… お気づかいありがとうね…。」

今夜も私の貞操は守られそうだカギ

「じゃあ、電気消すよ。おやすみなさい。」

スイッチに一番近いぽにょちゃんが電気を切って、眠りにつく
目を閉じて、寝ようと努めるのだが、目が冴えてなかなか眠れない。寝返りをうったり、枕の高さを変えてみたり、ヒーリングをしてみたが、頭はどんどん冴えていくばかりだった。

手を伸ばして携帯を開くと、時計は電気を消してから一時間ほど経っていた 3人からは静かで気持ち良さげな寝息が聞こえる
起き上がり、タンタンをじっと眼をこらして視たが、O氏がinしている気配はない。もしO氏が居れば、部屋の熱量が格段に上がるので、そもそも厚手の羽毛布団を被って寝ていることなど出来ないだろう。

「O氏…。」

ぽつり、と、小さく呼んでみたが、来る気配もない。ふうとため息をついて、また布団へと潜ったが、今度は泣きそうになってきたkanasii* 滲んだ涙を拭いながら起き上がり、洗面所へと行って戸を閉め、そこで静かに声を殺して泣いたなみだ

何がそんなに悲しいのか、自分でもよく分らない。
静かに泣く自分の意識が、夕と入れ替わる桜 私の身体で声を押し殺して泣くのは夕だなみだ

(ああ、私じゃなくて、夕が悲しくて寝れなかったのか…。)

タオルをギュッと握り、そこに顔をうずめて泣く夕を、しばらくは心の中から眺めていたが、

(ねえ、夕、いくら泣いても、待っても、O氏は来ないよ。)

と、呟いた蝶々淡purple

「…でも、でも、私、命様にまだ言っていない事があるの…。戻ってきてくださったら、今度はちゃんとそれを言うの…。」

しゃくり上げながら話す夕桜
そんな夕を視上げ、いつかの自分もそう思って待っていたなと思い、諦めに似た深いため息をついたハァ

(来ないよ。だって、いつもそうだもの。私が辛くて悲しくても、O氏は私を放っておいたもの。私が一番傍にいて欲しい時に、O氏はいつも傍には居てくれなかった…。今もずっとそれを繰り返してる。期待するだけ傷つくから無駄よ。諦めて。)

「で…でも…っ。」

(あのね、貴女も十分解っているでしょ?王族ってそんなもんよ。姿かたちは人でも、心が人じゃない。だからこそ王で在り続けられる。
…神代でも、夕を妻にし、やっと人として生きれたのが一年。その一年も貴女の傷ついた心へと届く愛情は注げなかった。
深く人を愛する事を知らずに育った、万人を愛せても、唯一人を愛する心を持たぬ様に育てられた、王という生き物なのよ。それが、国を乱さず、妻たちに争いを起こさせない為に必要な事だったから仕方ないじゃない。)


「……っ。」

私の言葉に傷ついたのか、また夕は肩を震わせながら声を抑えて泣き出した桜 ふうと、またため息を心の中でついて、夕が落ち着くのを私は待った桜咲く

(…あれでもね、再び出逢ってから随分と人らしくなったのよ。頭ごなしで命令することもなくなったし、感情で振り回す事も少なくなった。悪いと思ったことはちゃんと謝るようにもなった。皆への気配りも出来る様になった…。
王という呪縛から解き放ち、人として成長してきた。けど、やっぱり最後の最後、本当に大切な愛する人への思い遣りが出来ないのよね。まあ仕方ないよね。それは甘えでもあるんだし。)


私の言葉を、夕はじっと聴いている桜

「でも、夕は…。」

心の中から話しかける声は、ちゃんと口から言葉として発せられた桜咲く


「夕はO氏に愛されてるよ?
O氏は私には妻問はしない。私が大切にされているのは、私が夕の生まれ変わりだからでであって、私じゃない。私は、貴女の身代わりでしかないの。O氏が傍で見る事の出来なかった、18歳以降の夕の成長を、私に視ているだけ。
指輪もそう。私はおまけなの。私は、O氏に身代わりでしか愛されないのよ…。」



静かに、口元に笑みすら浮かべながら涙を流すなみだ




本気で泣いてしまったら、私はもう二度と立ち上がれなくなる。身代わりだと、そしてその身代わりの愛に一喜一憂する愚かな道化だと思わねば心が死んでしまう。


いつの間にか、O氏すら欺くほど私の演技は上手くなった。
私は私の感情をコントロールすることも上手くなった。
その事に、O氏も、他の誰も気付かない。
今もまた、こんな状況で静かに微笑むことができる。


生きる屍になるのは本当に容易い。私はずっとそのギリギリを生きていたのだから。

だからこそ、私は様々な神々を降ろせる器であり、様々な闇にも呑みこまれる事もないのだから。

音も、光も届かない、深淵の闇を抱えて生きているのだから……。







…そっと、柔らかな絹地に包まれるような感じがした。


『…祐、それは違う。命様は貴女の事も愛して下さっている。
だから私は貴女にずっと嫉妬していた。他の誰にも抱いたことのない感情を、私は貴女にだけは抱いた。

大人の貴女は、私では気付かない命様の心の奥底を気付ける。そして、上手に叱って差し上げる事も出来る。時に、笑い話で昇華して差し上げる事も出来る。
私にはそれが出来なかった。もし、私が生きている内に貴女の様に出来たら、命様はもっと早くに人としての心を取り戻された。でも、幼い私にはそれが出来なかった。

だから、供に命様の妻でいて欲しいの……。』



ぎゅっと私を抱きしめる夕桜

(いい香りだな…。)

香もだが、ふわふわとした癖のある柔らかな髪の毛が頬に当たるのも心地が好い。

(似てるのに、全然違う。私はこんなには可愛らしくはないや…。)

まるで自分は夕のコピーのコピーみたいだとふっと自嘲気味に微笑み、抱きしめる夕を抱き返す事もなく天井を仰いだ桜咲く



「…夕、あのね、私、もう自由に成りたい。私、もうO氏の顔色を窺って生きるの、嫌になったの。私と貴女の気持ち、切り離してもいい?私は私で生きたい。」




ぎゅっとまた夕は私を抱きしめ、そして抱きしめた腕を緩め、私の目を真っ直ぐに視た桜
私も、真っ直ぐに見返し、そして微笑んだ桜咲く

微笑んだ私を、夕が泣きそうな顔で視る桜





「そんな顔しないで…。ね?」

そう言って夕を抱きしめると、夕は私を抱き返しながら、だんだんと霧が晴れる様に姿が消えていった~

「……。」

夕を抱きしめていた腕は、何もない空間を抱きしめている。
周囲を見渡し、皆が寝ている部屋にも意識を向けたが、O氏の気配はない蝶々white やはり、こんな状況へとなっても、O氏は私の元へと来て、慰める言葉の一つもかける気はないようだ。

「よっこいしょ…っと。」

掛け声をかけて立ち上がるなんて、私、結構歳だなと、笑い、鏡に映る自分を見た鏡 そこに映っているのは、泣いて目が腫れた顔の自分桜咲く

「可愛くないなぁ…。ははは…。」

苦笑いしながら鏡に映る自分の顔を撫でた。

(明日で終わりにしよう…。)

ぎゅっと拳を握り、鏡に押し付けて、

「よし、寝るか…。」

にっこり鏡の自分へと微笑んで、布団へと戻った布団
未だ外は、嵐が続いている大雨 その音はまるで泣くことも、叫び怒る事も諦めた自分の心を代弁しているかのようだと思いながら、眠りについた。


15へ続く滴


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