注意:櫻葉小説です。
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side 雅紀
「トイレ……かなぁ」
そんなふうに呑気に考えてたら
その間に竜也くんが翔ちゃんに電話し始めた。
何度鳴らしても繋がらなくて
そうしたら怒涛のライン連打をしている。
兄貴?
いまどこ?
なにがあった?
なんで既読ならない?
なんで電話でない?
何かあった?
何か起こった?
どこにいるんだよ?
カフェに居るって言ってたじゃんか?
何してる?
まさか…
もしや…
兄貴の身に何かあった?
返事しろよ兄貴!
兄貴ってば!!!
何度送っても既読にはならず
折り返し電話もない。
すると竜也くんが猛烈に心配し始めた!
「兄貴に何かあったのかも!!!」
「でもまだちょっと連絡取れないだけ…」
「俺としたことがなんで兄貴を一人にしたんだろう!!!」
「竜也くん落ち着いて?」
「兄貴の身に何かあったんだ!絶対!」
「そうと決まったわけじゃ……」
「兄貴が連絡してこないなんて!こんな事!ない!あの律儀な兄貴が!!!」
「確かにそうだけど…」
「ましてや、バラバラに行動してる時なんて、兄貴は絶対に!!!携帯気にしてくれる人」
「それはそうだけど…」
「俺たちがいつ終わっても早くなっても遅くなっても『ちょうど良かった』って絶対言うような兄貴なんだぜ?!」
「まぁ…そうだよね…」
「連絡つかないなんておかしい!!!」
「だけど落ち着いて?」
「落ち着いてられるか!!!兄貴に絶対何かあったんだ!!!!!
兄貴ーーーっ!兄貴ーーーっ!」
竜也くんがあまりにも取り乱し
俺が落ち着くように伝えても一向に落ち着く様子はなくどんどん心配が加速していく竜也くんを見て……
俺もなんだか
どんどん不安な気持ちになっていった。
確かに翔ちゃんが携帯見ないなんておかしい。
こうして別行動してる時に
携帯を気にしないなんてことあり得ないんだから。
夜じゃないのに
まさか沼虫にされたとかないよね?
翔ちゃん……
なんで連絡つかないのっ……???
「しょぉ…ちゃん……」
「兄貴!!!兄貴!!!」
俺と竜也くんは
必死に近くを探し始めた。