俺たち5人は幽霊。


死んだから幽霊になったのではなく、幽霊と幽霊の間に生まれた子供のエリート純血種幽霊だ。いや、純霊種だ。

そもそも幽霊と幽霊が夫婦になること自体がものすごく稀すぎて

俺たちはこの世にたった5人だけの貴重な純霊種幽霊だった。




潤「ねぇ?どうする?閻魔様からの命令で、 俺たち5人で地上に降りて人間を一人脅してこいってさー」

ニ「無理だわ〜俺めんどくせー」

翔「地上かぁー久しぶりだなぁ♪どこ行こうか?」

雅「俺はしょうちゃんと一緒に行けるんならどこでも楽しいけどな〜」

翔「俺も♡んふふ」

智「なんで俺たちがわざわざ人間を脅かしに行かないといけないわけ?未練が残った幽霊君たちいっぱいいるじゃん?その人たちの仕事でしょ?」

潤「なんかさ、幽霊界も働き方改革を打ち出すらしいよ?」

翔「休むってこと?」

ニ「おかしいじゃん!
未練のある連中はその思いが強いからとどまって、霊感があるやつに見つかって、そんで怖がらせる結果になってんでしょ?
そいつらが休憩することになっても
なんでわざわざ脅かしにいくわけ?」

潤「あんまりにもみんなが休んでたら人間界に幽霊の存在を忘れられちゃうから、バランス取らないといけないらしいよ?」

二「そんな必要ある?」

智「さぁ???」

雅「俺は賛成!楽しそうじゃん!!!どろろ〜とか言って脅かしてギャーとかなって、おー!とかひぃ〜とか、どりゃーとかいや〜!とか、もももーんとかわわわーんとかなってさ?楽しいじゃん!」

ニ「まーくんは感覚だけだろ?擬音しか言ってねぇし……」

智「もももーんはちょっと楽しそう。」

潤「もももーんってなに?」

翔「俺はあんまりプカプカ浮けないよ?高いところ怖いもん」

雅「しょうちゃんは俺が手を繋いであげるからね♡」

翔「うん、絶対そうしてね?♡」

二「ねぇ?幽霊なのに高いところ怖くてあまりプカプカ浮けないって何?!!」

智「www致命的じゃんwww」

翔「智くんとかさ?優雅に浮くよね?あれマジ尊敬するよ。」

智「翔くんも、もももーんってできたら高いところも怖くないかもよ?」

潤「もももーんってなに?」

ニ「で?これが資料?」

翔「さっき届いたからプリントアウトしておいた。どの人間にする?脅す人。」

雅「えー何か楽しい!俺らで選ぶんだ?」

智「もももーんってやれそうな人がいいなぁ。」

潤「もももーんってなに?」

ニ「せっかく脅すんだからちゃんと驚いてくれる人が良くない?驚きそうな人がいいよね?リアクション薄いとこっちが傷つくもん。」

翔「じゃあ、この人なんてどう?」

雅「え〜?この人なんかやだ。好きな食べ物、豚足だって」

ニ「豚足のどこがいやなんだよ!」

翔「じゃあこの人は?」

智「あ〜この人ウオノメ出来てるよ?治ってからにしてあげようよ。」

翔「じゃあこの人は?」

二「特技、足の匂いで人を見分ける足臭ソムリエってよ?……生理的に仲良くなれそうにない」

翔「じゃあこの人は?」

潤「そいつはダメ!SNS で毒な言葉を吐き出してるやつじゃん!そんなやつ俺、嫌だよ」

ニ「ねぇねぇ?嫌なやつを脅すんじゃねぇの?」

翔「それもそうだよな?」

雅「でも一人選ぶんだもん。選びたくない人は嫌だよね?松潤?」

潤「それな!」

ニ「………あってるの?その判断…」

潤「あってるよ。」

翔「ニノはどんな人がいいの?」

ニ「翔やんはちゃんとみんなの意見聞いてくれるよな?」

雅「しょうちゃんはまとめるのがうまいからね♡」

翔「そんなことねぇよ♡」

ニ「俺は、やっぱ顔!」

潤「顔???」

ニ「せっかくなら俺の顔に似てる顔のやつがいい。」

翔「ニノに似てる顔かぁー」

雅「面白そうだね?」

智「もももーんってできそうだし!」

潤「もももーんってなに?」

ニ「じゃあそうする?」

翔「いるかなぁ?」

雅「でもさ?ニノの顔に似ているやつ脅しに行ったら間違ってフレンドリーに話しかけそうだ」

智「俺も。なんかついくっついてしまいそう」

潤「俺もハグしそう」

翔「俺も頭ポンポンしそう」

ニ「でも俺じゃないんだぜ?」

翔「そうだけど、あんま脅す気分になれそうにないよね?」

雅「フリダシじゃん!」

智「フリダシだね」

潤「まいったな…」

ニ「じゃあもうこんなのはどう?
目隠しして書類を1枚引くってのは?」

翔「う〜ん……
脅すんだからさ?真剣に選んであげたい。誠意を持ってちゃんと選ばないと失礼な気がする。」

雅「しょうちゃん真面目♡それにかっこいい♡」

翔「そんなことねぇよ♡」

智「じゃあさっきの人でいいよ?」

潤「ウオノメの人?」

智「うん。」

ニ「あ、でも皮膚科通ってるよ?」

翔「皮膚科まで通ってんのか!」

雅「それはかわいそうすぎるよ。やめよう。」

智「そうだね…」

潤「え……どうする?決まんないよ?」

ニ「…………」

翔「…………」

雅「…………」

智「…………」

潤「…………」






智「むむむーんにする?」

潤「むむむーんってなに?」






ニ「…………」

翔「…………」

雅「…………」

智「…………」

潤「…………」






シーン………








ニ「決まらないけど……」

翔「うん」

雅「でも……」

智「そうだね」

潤「ゆっくりでいいんじゃない?」

ニ「うん」

翔「俺らのペースでね」

雅「そう。焦らずにね」

智「ゆっくりとね」

潤「この先もね」

ニ「うんそうしよう」

翔「うん」







俺らの

ペースで

行こう。








ーーENDーー