注意:櫻葉小説です。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「もしもし?」

「ぁ、流星くん?……日曜日にどうしたの?」

「休みの日にごめんね?話いい?」

「あ、うん。いいわよ?」

「さっき相葉から連絡が来て……」

「相葉くん…?…」

「カフェのこと聞いた。しばらく休みなんだってね?」

「………あ……そのこと……うん。そうなの。」

「大丈夫?」

「……私?……ありがとう。
私はしばらく隣町のカフェでバイトすることになったから大丈夫よ。」

「そうなんだ?
あのさ……?
突然、翔さんと青ちゃんがいなくなったから、どういうことか教えてほしいって。相葉が。」

「………」

「ねぇ知ってるなら教えて?」

「………」

「青ちゃんと仲良くなってたよね?」

「………」

「え…なんで黙ってんの?」

「潤さんは……?なんて?」

「潤さんは
翔さんは海外に行って、青ちゃんは実家にすでに帰ったって…。」

「うん……そうね。」

「それ本当なの?」

「………」

「……なんで黙るんだよ」

「………」

「ねぇ!なんで黙るの?!」

「あの………」

「うん」

「そういうことにしようって潤さんから言われたのよ。」

「えっ?!どういうこと?!」

「………流星くんには話すけど……
相葉くんには黙っててほしい。」

「なんで……っ」

「翔さん…が…実は……事故で……」














3丁目のおばあちゃんのところへ行った後、 仕入先のお店にも行った。

2箇所とも
潤さんから連絡が来て、カフェを休む旨をさっき知らされた、と言っていた。

あの
おせっかいで世話好きな翔が、
周りに挨拶もなしに海外に行くだろうか……?




そうこうしてると
流星から連絡が来た。




「もしもし?流星?フラちゃんに連絡してくれた?」

「うん」

「で?フラちゃん何て?」

「潤さんが言った通りだって。」

「青ちゃんの連絡先聞いてくれた?」

「知ってるけど今は青ちゃんの両親が怒ってて携帯取り上げられてるんだって。学校ずっと休んでたからさ。
だから連絡しても繋がらないらしい。」

「………マジか…」






「ねぇ?相葉?」

「ん?」

「もう追いかけるのやめたら?」

「はっ…?」

「翔さんとは縁がなかったんだよ。」

「何言って……」

「そもそも弟の身代わりに思われてたなんて酷い話だし。
そんな人、もう追いかけるのやめたほうがいいよ。」

「そんなつもりはないから!」

「相葉のために言ってるんだよ」

「流星が告白しろって背中押してくれたんだろ?」

「あの時はそうだけど。
一言もナシに海外に行くようなヤツだよ?」

「翔はそんなヤツじゃねぇよ」

「そんなヤツだよ!!!」

「なんとでも言え!
俺の気持ちはかわらねぇから。」

「相葉!!!」

「フラちゃんに聞いてくれてありがとう。じゃあな!」





ブツッ…







電話はそこで切った。






潤さんと同じことを言う流星。





だけどこの恋は終われねぇ。




だってこんなにも好きで




こんなにも翔に会いたいんだから……。







流星や潤さんにはわからねぇよ。

翔と俺が
どんなやり取りしてたか、なんて。




2人でたくさん話した。

そして翔は
俺を救ってくれた。

消えてしまえばいいと思っていた自分を
翔は
存在ごと必要だと言ってくれた。

いつもいつも
優しい笑顔で……

いつもいつも
真っ直ぐに俺を見てくれた。

問題から逃げようとしたことなんて翔は一度もない。

近所の人が俺たちの素行の悪さに文句を言ってた時だって、軽くあしらう方がラクなのに、翔は真っ向から否定してくれた。

なにかから
逃げるような人じゃそもそもないんだ。

むしろ
問題から逃げてた俺に勇気をくれて
一緒に立ち向かってくれた。






2人に
これまでの翔の事を話すつもりなんてない。

俺にしか
俺と翔の間の事はわからないんだから。





翔がくれた温もりは
俺のI胸の中にある。




ずっとずっとある。







翔………







会いたい………







会いたいよ………