注意:櫻葉小説です。



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その時カフェにいた全員が静まり返ってた。

俺も、斗真も、風間も、流星も……




みんなみんな……

翔の弟の春くんの亡くなったまでの生涯を聞いて………

何も言葉が出なかった。






「相葉くん……」






潤さんは

優しい笑顔を俺に向けた。

優しさの奥にすごくすごく寂しい思いを重ねている笑顔だった。






「初めて翔くんが、君に会った時ね……
俺にこう言ったんだ。

『潤……、今日俺……、
春みたいな子と会った』……って。」




「でね……?
『あの子をほっとけない』って言ってた。『春と同じように、笑ってない顔で笑ってたあの子を……助けたい』って。
『笑顔にさせたい。』って、『そばにいてあげたい』って。」





………翔





「確かに俺も思う。
相葉くんは春に似てる。
それは外見じゃなくて、中身がね。」





「だからね?
………青がさっき、『あんたは弟の身代わりなだけ』……って、言っただろ?
それは間違いかどうかは俺には、ごめんだけど、わからない。あのネックレスも、本当は春のものなんだ。
『あの子に春のネックレスをあげた』って翔くんは言ってた。
翔くんは春の代わりとして相葉くんに接してたのか、真意はわからない。
でもね?
翔くんは相葉くんに会ってから、苦しみから少し解放されたんだと思う。
春が死んだ直後は、翔くんはカメラマンやめて、ひどく落ちてたから……
だから………相葉くんには、俺はすごく感謝してるんだ…。」






「青は……
青も春が死んでからあんなふうになっちゃってね。
本当は翔くんの事を好きだとかじゃなく……春の、代わりに………翔にべったりしてるんじゃないのかな?って……
俺は思ってる。
春ができなかったぶん、代わりにしてあげてるみたいに……。
翔くんはその青の気持ちがわかってるから、拒絶しないんだ。」







「なにもかも……ごめん。
翔くんのことも……
青のことも……
相葉くんを巻き込むかたちになっていて……ホント……、ごめんな」






潤さんは

頭を下げながら俺に謝ってくれた。






斗「………相葉」






斗真が俺の名を呼んではじめて気付いた。






俺は

ボロボロと泣いていたんだ。






ハッとして
涙に気付いてから

それで

泣いている自分がたまらなくなって………







俺はカフェを走って飛び出した。







「相葉っ!!!!!」






仲間の3人が俺を追いかけてきたけど

俺は猛スピードで出て……

カフェ出てすぐの海岸に走っていった。







斗「相葉っ!!!」

流「相葉ーっ!」

風「相葉っっっ!!!」








砂浜に体を投げ出し………




「ぅぅう"ぅーーー」





子供みたいにみんなの前で泣きじゃくった。





風間が俺を抱きかかえるようにして

斗真と流星は
立ち尽くして俺を見てる。






みんなが追いかけてきてくれたから甘えが出たのか……

単にもう心が悲鳴をあげただけなのか……





わからなかったけど

情けないほど

本音がボロボロと零れ落ちるように言葉として溢れ出た。







雅「ぅ…っ…っ…、俺は……春くんの代わりなだけだった……っ…、
……そういうことだよな??」



風「わかんねぇーよっ…、そんなのまだ、っ…」



雅「俺……っ……苦しいよ
翔のことが……、俺……、好きなんだ……
好きに……っ、……なってしまった…
すげー苦しくなるほどに
それほどに……翔のことが……
好きなんだ。
どうしようもなく好きなんだ。
それなのに……俺は…ぅ…っ…
単に弟の身代わりだった………
ネックレスも……弟のものだったなんて……
それを渡して弟の代わりとして接してたってことだろ?
そのうちそれも返してほしいと言われるくらい……もう俺は……代わりとしても役に立たなかったんだよなぁ?」


風「んなことあるかよ!役に立たないなんてあるわけない!!!」


「風間ぁ…っ……、俺バカだよなぁっ
翔をこんなに好きになったりして……っ…
バカだよなっ
すげぇバカだよなあっ」


風「バカじゃねぇよ!バカなんかじゃねぇ!!!!!相葉はバカなんかじゃねぇ!!」

斗「バカじゃねぇ!!」
流「バカじゃねえーよ!相葉ぁぁ」





風間はじめ……

斗真も流星も……




一緒に涙を流してくれながら

『バカじゃない』って……

連呼してくれた。