注意:櫻葉小説です。



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翔………?

デートの場所を悩むってことは……

相手のことを思ってるからだよね?

相手を楽しませたいから……だよね?





心臓が痛くて痛くて……
苦しくて苦しくて……



なんとか言葉を絞り出さなきゃって思ってた時に……翔からまた話された。





「あんまり『デート』って感じじゃなく終われるところってある?」


「……は?」


「誤魔化せるというかさ……
それっぽい雰囲気にならない場所……。」


「え……なんで?」


「だって俺は本意ではないわけだし…。
とにかく時間潰せたらそれがいいというか……。」


「……は?嫌なら断ればいいじゃん」


「嫌なんだけどさー。無下に断れない微妙な事情があって……(^_^;)」




『嫌なんだけど』って……ハッキリ言った!!!!今、言ったよね?!
マジでっ?!?!

マジですかーーー?!?!




途端に心が元気になる。




「え?なに?翔って青ちゃんから弱みでも握られてるの?」

「うん。まぁ……。
弱み握られてる…ってわけじゃねぇけど、近い感じ?……ではある。」

「マジ?!何したんだよっ」

「まぁ……色々とぉ……」

「言えない感じ?」

「いや…言ってもいいんだけど長くなるから。学校遅れるwww」




学校なんてどーでもいいから聞きたい!
本音ではそう思ってた。
でも
がっついてると思われるのが嫌で
スルーしてしまった。

後から思えば……
この時どう思われようと……翔から聞いておけば良かったのかもしれない。





「この辺何にもねぇよ?田舎だし。」

「デートする場所くらいあるだろ?」

「まぁ……夜景とかはきれいなところあるけど」

「無理無理無理無理!
夜景とか嫌だよ💦デートっぽいじゃん!」

「じゃあドライブとか?」

「長時間二人っきりとかぜってぇー!いやだぁ〜〜〜」

「ぶっ……」




翔が嫌がれば嫌がるほどに俺は嬉しくて……
嫌がる言葉を聞きたくなる俺は、性格の悪いやつなのかもしれない。



「ラブボならいっぱいあるけど」

「ギエェェェーーー!ぜっっってぇーーー無理だわ〜😱」

「あははははは」

「もっとなんかさ?恋愛っぽくならない場所とかないの?洗濯干しミュージアムとか!」

「ぶははははは🤣🤣🤣洗濯干しミュージアムウケる〜〜〜〜www」

「ウケるなっつーの!俺は真剣なんだから!!!」

「いや!だって!ウケるに決まってるだろ!!!洗濯干しミュージアムだぜ?」

「それくらいの場所はねぇのか?って事だよ!!!」

「あるか!んなもん!!!」

「え〜〜〜〜???マジでちゃんと考えてくれよぉ〜〜〜〜!あと数時間後にはデートなんだぞ?!」

「あ!サイクリングとかどう?」

「お!!!いいね!あるじゃん!そーいうのだよ!そこ教えて!!!!!」

「サイクリングした後に、乗馬できるところもあってさ?めっちゃ美味いソフトクリームが売ってるし、健康的デートできるぜ?」

「マジで最高!!!それだとふたりきりというよりは一人ひとりの行動だもんな!ソフトクリームだけ頑張ればいいってことだろ!雅紀ありがとぉーーーーーーっ助かるわ〜〜〜〜!」

「くふふ」





翔の役に立てた事が嬉しかった。

翔の喜ぶ顔が見れたことも。

そして何より翔がデートを嫌がってることも。。。

本音はデート自体はイヤだけど……
でもそれでも
翔が俺に相談してくれた事も含めて嬉しかった。



「学校着いたら、ラインで場所送っとく。」

「助かる!マジでサンキュー」

「楽しめるといいな。」

「少なくとも俺は楽しめるわけねぇだろ……まぁ…頑張るけど……」






歩きながら進む学校への道………

翔がボソっと小さな声でつぶやいた言葉を俺は聞き逃さなかった。







「雅紀となら……どこへ行っても楽しいだろうけどな……。」







頬に当たる風が………

心地よくてフワフワした。