注意:櫻葉小説です。



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離れた事に寂しさを感じてたのが
翔にバレたのか、バレていないのか、定かじゃないけど、翔が

「雅紀…、悪いけどもう1回ハグいい?落ち着きたいから…」

って上目遣いで聞いてきた。

「もちろん。何度だっていいぜ?」





昨日は海で抱き寄せられた。それもあってか、俺は翔と抱き合うことに単に抵抗がないだけだろうか?

抵抗がないというよりも
むしろやりたいと思ってる自分はおかしいのかな?

これって翔の怖さを理由にして
俺がやりたいだけじゃ……?




翔といると
時々自分の感情がわからなくなる。






ぎゅうぅ……






翔はまたかわいく
子供みたいに俺に抱きつく。

俺は自分のよくわからない感情を
『なだめるため』と理由づけたくて
翔の背中をさする。

翔ってすげーいい匂いもする。
この匂いを嗅ぐと気持ちが落ち着いてくる。
「スゥーーーー」
翔の匂いをめいいっぱい自分の体の中に取り込むようにして吸った。



「あ……」

「ん?」



『今俺の匂い嗅いだな?』なんて言われるかと思っていたら、翔が俺のしているネックレスを指でスッと触った。



「これ…、つけてくれてる。」



今頃気づいたのか…

そう思うと同時に照れが襲ってきた。



「ま、まあな…単にデザイン気に入っただけだけど…」

「嬉しい。ありがとう」

「べつに…なんで翔がお礼言ってんだよ」

「雅紀」


至近距離で顔を近づけ

「似合ってるよ!」

って言って翔が笑った。





ドキン……





心臓が飛び跳ねたかと思った。



その後もドキドキ ドキドキ鳴り響いている……
翔の匂いと、ドアップの笑顔……

慌てて翔を離し
目線を逸らしながら


「もういいだろ!」


って言った。


「雅紀ホントありがとう。怖さがやっと落ち着いた〜♪」


嬉しそうにして安心したような顔つきになったけど、逆に俺は、てめえのせいで落ち着けてねっつーの……


「昨日の夜は家に帰ってタバコとかクスリとかやってない?」

「やってねぇよ」

「そっか♪」



このネックレスをくれた時に話したから…
気にして聞いてくれたけど……

俺がやってないと答えると
翔は嬉しそうに微笑みながら下を向いた。



まるで
喜びを噛み締めてるみたいに…

その微笑み方がめたくそかわいくて…
また俺は心臓がドクドク言ってることを自覚した。







「やっべ!!!雅紀の学校の時間!!!」

「あ〜?別にいいよ。いつも遅刻かサボりかどっちかしかやってねぇし…」

「よくないよ!せっかく早くに家を出たのにー!ごめんな雅紀ぃー!」




それからバタバタと学校へ行った。

翔は何度も俺に謝ってた。

でも俺は……
バタバタして学校行くよりも
本当はもっと翔といたいと思ってた。






単に友達として……

友達として……

翔と一緒にいるのが楽しいから。






理由はそれだけだから。