注意: 
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


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side S




通話を切り
お風呂……少し長めだな……

なんて感じてたら
雅紀が上がってきたから
次に俺が入った。

俺も
お風呂を済ませ、上がってから冷蔵庫に一直線。



「ふぅ〜〜〜さっぱりした〜〜〜」



冷たいミネラルウォーターを出し、ぐびぐびと喉に流し込む。

それをまた冷蔵庫に戻し、タオルドライしながらソファーまで歩く。



「あれ?雅紀?」



雅紀の姿がなかったけど
まあトイレかな〜?ぐらい思いながら自分の携帯をいじっていた。

でも10分程度経っても雅紀はリビングに戻ってこない。



「ん?電話してるとか?」



ちょっぴり気になって
髪を完全に乾かした後、リビングを出て他の部屋に探しに行った。

そうすると寝室に灯りがついてた。





「雅紀……?」





見ると
ベッドに座って、ただ大人しくしている雅紀の姿が………。


なぜかその姿は
光をまとっているように美しく見えた。







「どうかした?具合でも悪い?」

「ううん。」

「じゃあどした?何か心配事?」

「ううん。」

「なんで寝室に…?」

「櫻井さんを待ってた。」

「え…?」

「俺がリビングにずっといないと、さすがに探しに来てくれるでしょ?だから櫻井さんがこっちに来るまで待ってた。」

「なんで…?」

「あれ。」




雅紀が指を差した先にあるのは
高めに設定した棚に置かれている『太陽の似合うあなたへ』のメッセージカード。



「出しっぱなしにするには条件があるって言ったよね?」

「あぁ。うん。」

「抱いてほしい。」






雅紀………






「条件はそれ。
ふふふ。櫻井さんの肩にかかってるよ?あのメッセージカードの運命がwww」


「雅紀……それは……」


「『櫻井さ〜んっっ仕舞われるのはいやだよぅ〜』ってカードが言ってるよ?www」


「あのな?」


「ねぇ?海で櫻井さんがあのメッセージカードを見つけてくれなかったら……櫻井さんは俺の捜索を最後まで諦めずに出来たと思う?」


「え…
それは……難しかったと思う。あそこであのカードを手にすることができたからこそ……どんな困難な事があろうと、諦めずに探せた。」


「だったら俺と櫻井さんを引き合わせてくれたのはあのメッセージカードだよね?」




間違いなくそうだ。
だからお守りにしてるんだから。

雅紀の15年近くの俺への想いをひとことで書き記してあるメッセージカード。

届くはずのなかった恋心を
届けてくれたのはあのメッセージカードなんだから。




「そうだよ。間違なくそうだ。」


「だから……櫻井さんと俺の体が結ばれるのも………カードの導き、じゃない?」


「雅紀……」


「ふふふ。ほら?言ってるよ?カードが。『仕舞われたくないよぉ〜』って。www」





雅紀は
立ち上がり………



着ていた服を脱いだ。



そして



自ら俺のベッドに横になった。






「しょう……」

「え……?」




今の……?聞き間違い?

雅紀が「しょう」って……




「しょう……」

「雅紀っ…!」




目の前に横たわる裸の愛おしい人。
そして
ずっと名前で呼んでほしいと願ってた事が叶って……

そんな状態で我慢できるはずもなかった。




やっと俺は………

頭で考えるのではなく

心で………

体が動いたんだ。