注意: 
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


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side S



「キスの先もしてみる?」



これを言う前にすげぇドキドキした。





でも言ったあと………
雅紀は途端に表情を変えた。

思いっきり目は泳いで
不安そうに顔が曇った。

そうか……
ここまでだったんだな……

そんなふうに知らしめられる。





智さんと潤さんにアドバイスもらって、
俺自身もタクシーで無性に雅紀に会いたくなって……

今日シようって
自分で思って……




でも………
トラウマのある雅紀だから、雅紀の気持ちを優先してあげたい。

勝手に俺だけが考えて俺のタイミングで進めるのではなく
『先に進んでみない?』って言葉にして伝えてから
雅紀がうんって言えばシようと思ったんだ。いやなら絶対やめようと思ってた。




そうして出た言葉、
「キスの先もしてみる?」に対しての雅紀の反応が………

抱きしめてあげたくなるほど不安そうで……




そんな雅紀を見たら………




見たら………




『雅紀の気持ちを優先したい』なんて
悠長なこと言ってられないんだと感じた。






長引けば長引くほどに
どんどん怖さが増しそう。

悩む時間が長くなればなるほどに
不安さは大きく膨れそう。

………雅紀の表情を見て
俺はそう感じた。




よし。今日シよう。
少しだけでも進めよう。





俺自身が心にこの瞬間、そう決めた。
そして
『俺に任せとけば大丈夫』

少しでも不安さを拭ってやりたくて

そんな
なんの根拠のない言葉も言った。





雅紀が出してくれた美味しいお茶漬けを食べながら

俺は
雅紀に対する
『何とかしてあげたい』という気持ちを増幅させていった。