注意: 
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


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side S




相葉くんの返事を待つ間………

テントの中で落ち着かなくて……俺は時々、潤さんに話しかけてた。



翔[これで相葉くんの返事がNOだった場合、俺たちは撤退するってことですかね?]
 
潤[そうなるな。
本人がとどまる事を望んでいるのに俺たちが無理やり連れ出すのはおかしいだろ?]

翔[だけどほら…質問が質問じゃないですかぁ?意味がよくわからないって場合もありませんか?例えば『お米買わずにパン買えば?』とか答えたら本当にパンを勧めてるのかもしれませんし。。。]


潤[その答えだと確実に『翔くんのもとに行く気はありません』だろ?]


翔[……ぅ……そうですかね⤵……じゃあこんなのは?『お米を買って炊く勉強したほうがいいですよ』って言われたら、それはやっぱりNOってことですよね?]


潤[NOだな。]


翔[あ〜〜〜もうなんか……NOの答えしか返ってこないような気がするぅーーーーっ……]


潤[……w]


翔[でもですよ?俺達が危険な目に遭うことを恐れて『俺はいいからほっといて』っていう気持ちだったらどうします?
本当は助けてほしいのに断ってきたら………。]


潤[そうだとしても
他に確かめようがないから、
やっぱりその場合でも……俺たちは撤退しなきゃ……だろうな。]



翔[そんな子なんです。彼。
相手のことばかり考える優しい人。
だから自分の幸せを諦めるなって、出会ったあの時、一生懸命伝えたつもりなんですけど………]


潤[伝わってるといいな。翔くんのその思い。。。]


翔[はい………]


潤[あっ!!!待って!今!]


翔[えっ?]


潤[松岡さんから連絡が来た!!!
智が対応してる!!!
少し待って!]


翔[はい。]







ドキドキドキドキドキドキ………

テント内で体育座りで緊張を抑えるように体を小さくした。

あれから4ヶ月が経ってる。
今は3月に入ったばかり。
真冬の寒さのピークは過ぎたとはいえ、まだ寒い。

テント内に用意してくれてる暖房器具に身を寄せながら

静かに返事を待った。

待つ間………

やっぱり浮かぶのは相葉くんの顔。





もう一度見たい。話したい。触れたい。




きっとそうなることを信じよう。






智[翔くん聞こえますか?こちら智。]


翔[あっ!はい!聞こえます。]


智[松岡さんから聞いた相葉くんの返事。。。ちゃんとメモしたから今からありのまま翔くんに伝えるね?]


翔[はい。お願いします。]



ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ………




智[『お米……買ってください。……僕が美味しいご飯を炊いてあげたい。』
そう言ったって!
翔くん良かったなぁっー!
相葉くんも翔くんのそばにいたいんだよ!良かったなぁー!]





翔[ホントに?!?!
ホントに相葉くんがそう言ったって???]


智[ああ!ホントにホントだ!!!
まるで逆プロポーズみたいじゃんか!
俺たちは惚気を聞かされてるのかよ!って言いたくなるわwww]





相葉くん………






良かった………


良かった………本当に………


意志を聞けて良かった。


相葉くん返事をありがとう。







智[本人、少し迷いながらだったみたいだ。やっぱり危険な事はしてほしくないって思いも強いんだろうって松岡さんが。]


翔[はい!彼はそう考えるタイプなので………でもホント良かったっっっ……]


智[翔くん、泣いてる場合じゃないよ?]


翔[泣いてませんよっ!]


智[嘘つけ〜]


翔[うるさいですよ!!!]


智[ふふふ]


翔[ふふふ]



幸せな笑みがこぼれる。

良かった。本当に良かった。








智[それがね?そう喜んでばかりもいられないんだ。]


翔[え………]


智[今回の計画はいったん、取りやめようと思う。]


翔[は??!?!]


智[相葉くんの意志が聞けただけ前進してるからさ?]


翔[え?え?どういうことですか?!]


智[松岡さんから、もう1つマズイ情報があるって事を聞いたんだ。]


翔[マズイ情報………?]


智[俺たちの事前情報だと、地下の給水時間10:00と16:00だけ警戒すれば監視カメラもないし地下を自由に行き来できると思ってた。
でも違った。
給水時間と、ほかに排水時間もあるらしい。]


翔[排水時間?!?!]


智[使用した大量の水を川に流してるらしいんだ。なぜそれが情報として入ってこなかったのか?もしかしたら汚染水を含んでるから極秘にしてるのかもしれない。
とにかく給水時間とは違って、排水時間はシークレットで、いつやるかわからないらしい。このまま翔くんが地下に侵入するのは危険すぎる。いつ水が流れてくるかもわからない中で翔くんが入るのはダメだ。
排水時間と重なってしまうと命に関わる。
いったんここは撤退してちゃんと調べ直してから別の日に再度チャレンジするしかない。]



翔[別の日って、……次に葉月が綺鳥家に来る日まで待つってことですか?!?!
それって2週間くらい先になるんじゃないですか?!!!]


智[そうなるな……。でも仕方ない。]