注意: 
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


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side S


「相葉くんが……ヤクザ幹部の甥?」


あまりに想像していなかったことを告げられ動揺する。
親戚である松岡先輩からそんな話は一度も聞かなかった。
要するに松岡先輩も知らなかった事実ということ。。。



頭が混乱してくる。




松「江口洋介は鬼面組でもかなりの新参者。入団してたった7年足らずで幹部にまで登り詰めている男。
通常ならそんな年数で幹部にまで登り詰めることはまずないのだけれど、彼は元ビジネスマンだったらしく、ビジネス能力に長けすぎていて、鬼面組から必要とされたのだろう。今は鬼面組を金銭面で一番支えているのはこの四男の団体であることは間違いない。」



「え……じゃあ相葉くんは、叔父のところに居る可能性が高いってことですよね?」




松「………」

大「………」




二人とも沈黙した。




「え……?なんですか?違うんですか?」




松「………わからない。」

大「相葉家の借金を調べるとよくわからないことが多かった。借金自体が、何かの力によって相葉家になすりつけられたものの可能性が高い。……もしかしたらなすりつけたのは江口かもしれない。」

「………え……弟が兄に借金させたと……?」

大「そういうことになるな。」






松「あともう一つ………
もしかしたら翔くんにとって良くない情報かもしれない。」


「なんですか?聞きます!」


松「大丈夫か?」


「はい。大丈夫です。教えてください。」








松「鬼面組に潜入してるニノからの情報なんだ。」


「はい。」


松「ニノが入手したこの情報はトップシークレット扱いになってて、ごく一部の連中しか知らない事らしいんだけどさ、
3ヶ月前くらいから津和矢は『おかかえ娼夫』専用の別荘というのを用意してて、そこで『葉月』という名の最上級娼夫を囲ってるらしい。かなりVIP扱いでな。」


「葉月………」



ドキン………



3ヶ月前………から………





胸がうるさくざわつく。

潤さんの声が耳に険悪な音を立てて入ってくる。




松「まぁ『葉月』なんて源氏名だろうけど『相葉雅紀』の『葉』の字も名に入ってるし……」



ズボンをぐっと握りしめた。
それ以上聞きたくないのが本音だった。
でも聞かなきゃいけないことも承知してた。




「………ほかに葉月の情報は……?」






質問した声は震えてたかもしれない。
情けない表情で聞いたかもしれない。

でも潤さんの前で取り繕う余裕はなかった。






松「『葉月』は、男。
そして自分から津和矢のところへすすんで来た、という情報がある。
あとは葉月は………
片方の肩に広範囲のあざがあるらしい。」








足に力が入らなくて崩れ落ちそうになった。





それは紛れもなく

相葉くんで間違いないのだと



確信に値するに十分な情報だった。