注意:
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。
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side S
「すみません。わざわざプラベ時間にご足労いただいて。。。」
「んふふ。いや別に〜
呑みに来たって感覚だから〜」
「あ、たくさん呑みましょう。ここの焼き鳥、美味しいですよ!安いし美味いし!」
ここの居酒屋はすべて個室になっててさらにお酒が安いからガヤガヤしてる。
込み入った話をするのもちょうど良い。
「お酒、何にします?」
「生で。」
「食べ物は?」
「う〜ん…」
「適当でいいですか?」
「うん。」
タッチパネルで適当に注文してから彼を見ると
彼はニコニコしてた。
「大体のことは聞いてるよ?
でもさぁ、何の確証もないんだよね?相葉雅紀くんだったよね?捕まってるかも、逃げてるかもわからない。」
「………はい。」
「その状況じゃあ、警察は何も動けないな。 せめて何かしらの証拠があれば別だけど。」
「ですよね……」
「櫻井くんは防衛省の、しかも出世頭なんだってね?」
「いや…出世頭かどうかは………
でもはい。防衛省に勤めてます。」
「暴力団の問題なんかに首を突っ込んで、仕事の方は大丈夫なの?」
「?大丈夫というのは?」
「あ…そこまで考えてない?暴力団に関わるってことは、下手したら働けなくなる可能性があるってことだけど。
なんか松岡から聞いた話では『人生かける』みたいな事聞いたけどさ。」
「仕事は辞めないです。」
「やっぱりそうだよね。そこまでは考え……」
「そうじゃなくて。」
「ん?」
そのタイミングで注文してた飲み物や食べ物が運ばれてきた。
とりあえず乾杯をしてお疲れ様を言い合う。
そして………
「仕事……大事にしてます。」
「だよな。エリートだもんな。」
「でも仕事以上に大事に思うものが自分に生まれるなんて思ってなかった。今は、大事な仕事よりも、相葉くんを見つける事が大事だと思ってます。」
「じゃあ仕事失ってもいいと?」
「いいえ。」
「は?」
「仕事は絶対に辞めないです。」
「???仕事より相葉くんが大事なんだろ?」
「………だからです。だから辞めないです。」
「彼が………
あ、すみません。相葉くん、のことです。
彼という人は、相手の事ばかり考えて心痛める人なんです。
だから、俺がもし、彼のために仕事を辞めたなんて知ったら………
彼自身がものすごく悲しむと思うんです。
『自分のせいでそんなことになった』って泣いて怒りかねない。
彼はそういう人だから。
………だから、俺は………
彼のために自分は今の自分でいなきゃいけない。
仕事もそのまま。そして、命も。。。
俺は絶対に死ねない。
彼のために生き延びなきゃいけない。
相手がヤクザだと思った時点で、危険な事も、生活をおびやかされることも、想像できてます。その覚悟も出来てます。
でも………
それでも俺は彼のために『俺のまま』で会いに行かなくちゃいけない。
そのためにはなんだってする。
どんな事も。。。
覚悟は………できてます。」
「例えば死ぬほうが楽だと思うような拷問にあっても?」
「それでも『死』は選ばない。」
「甘いなぁ〜〜〜〜〜」
「ですよね。
………でも、譲れないんです、この考えは。」
「んふふ」
大野さんはにこやかに笑った。
なんだか嬉しそうに見える。
「そんな甘いやつ……俺、嫌いじゃないよ?」
「え……」
「むしろ好きかも。」
「え?あ…ありがとうございます。」
「『死は覚悟の上です』なんてアッサリ言っちゃう奴のほうが信用ならないもん。ホントかよってw」
「あ………」
「とりあえず呑も?」
「あっ、はい!」
「あとさぁ、もう一人呼んでいい?」
「えっ……あ、ぜんぜんいいですけど……」
「俺の相棒なんだ。4課の中でも暑苦しいくらいの熱血だよ?」
「え、あ、そうなんですか。相棒さん……。」
「松本潤っていうの。たぶん潤も櫻井くんのこと、気に入るだろうな。今呼ぶから。んふふ」
大野さんの空気は
ずっと柔らかだった。