注意: 
こちらは櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


‧⁺ ⊹˚.⋆ ˖ ࣪⊹‧⁺ ⊹˚.⋆ ˖ ࣪⊹‧⁺ ⊹˚.⋆ ˖ ࣪⊹‧⁺ ⊹˚.⋆ ˖ ࣪⊹‧⁺ ⊹˚.⋆


Side S



愛おしくなって舐めた瞬間

相葉くんは
体は反応したのに心は思いっきり拒絶した。

「やめてっ!!!」

ベットの壁に素早く避難し
体を抱え込むように小さくした。



「相葉く…」


「そんなことすんな!俺のここに口をつけるなよ!!!!!」


「相葉くん……なぜ…」


「櫻井さんは俺の尻にぶち込んで気持ちよくなりさえすればいいんだから!愛撫も前戯もキスも言葉も抱きしめも!!!ホントはなんにもいらない!!!!!なんにもしなくていい!!!櫻井さんは単に欲を吐き出す処理便器として俺を使えばいいんだから!!!俺のを口にするなんて絶対にすんな!!!」




「相葉く…」


「すんなっ!来るな!!!何も言うな!!!!!何も聞かない!!!聞きたくない!!!」


震える体を必死に隠すように抱え込む。


俺が近付こうとすると怯えるような目を向ける。


「ごめん…フェラにトラウマが……?」


せっかく愛を伝えながらシタのに
俺がそれを壊してしまった?



「違うっ!!!違う違う!!!
そんなんじゃない!!!俺を気持ちよくするのを優先になんかするなって言ってるんだよ!!!!!」



近づくのをやめて
一定距離を保ったまま


俺は言葉で伝えることを選んだ。





「相葉くんがしてほしくないことはしないよ。ごめん。」

「謝るな。謝るな!謝るな!!!櫻井さんは何も悪くない。死にそうな人を助けるために好意でやってるだけ。櫻井さんが謝るとかあり得ないから。」

「相葉くんは……俺のやり方は気に入らない?」

「櫻井さんは相手を考えすぎなんだよ。自分の欲のためだけにシて?俺はそうしてほしい。優しくなんかするな。櫻井さんは何も心を動かさないでほしい。
櫻井さんはただ目の前のヤツに欲を吐き出すためだけでいい。
櫻井さんにとってこのひと晩は、単に遭遇した欲出しだけの時間!
それ以上でもそれ以下でもない!!!
櫻井さんは心は何も動かさないで!!!
櫻井さんはっ……なにも……っ」


相葉くんは泣き出した。

今まで必死に泣いてるのを隠してたのに。



「ぅう……っ……、っ……っ…、……っ」


「相葉くん……」




やっぱり近づいて抱きしめる。

優しく。
柔らかく。





「っ…、っっ……櫻井さんはっ……、っ……もっと俺を雑に扱えばいい…櫻井さんはっ……、櫻井さんはさっさと欲を出してスッキリして……
なにもかも……忘れ…」


「相葉くん……」


「なんで雑に扱ってくれないんだよ!……っぅ……、っ…なんで…っ、!
…こんなにヒドイ事ばかり言ってるのに!!!俺がどんだけ悪い態度取っても……ぅ、…っ雑に扱ってこないじゃん!……なんでっ…やさ…しくなんか……ぅ…、っ…する……んだよっ、……櫻井さんは…っ…、単に過ぎ去る一日として、…すごして…、お願…っ」


「相葉くん……相葉くんは『櫻井さんは』って俺のことばかり言うよね?」


「そんなこと…っ、…」


「相葉くんだって、相手のことばかり考えてるってことに気づかない?」


「うるさいっ!」


「俺は……
相葉くんとこうしてる時間がとても幸せだよ?」


「うるさいっ!うるさい!!!」


「一方通行だろうけど
会ったばかりだけど……それでも
無性に相葉くんを大事に思う。」


「うるさい!うるさ、い…っ!」



「だから……欲を吐き出す行為なんかじゃない。触れたいし重なりたいし繋がりたい。」


「ぅうっ……っ聞きたくないっ、…聞きたくないっっ…」



「………好きだよ」









きっとオカシイと思う。

誰もがそんなのオカシイって言うと思う。

現に自分でもオカシイとは思う。



「ぅ……っ……、ぅ……っ……」




出会って数時間。





それなのに『好き』だと思う感情は

間違ってるのかもしれない。





一時の気の迷いなのかもしれない。





だけど『今』





たしかにこの気持ちはここにある。






だから伝えた。

聞きたくないと言われたのに伝えた。





泣いている彼の頬や髪にキスを。

そして親指で涙を拭っても流れてくる涙。





「櫻井さ……ん」





「相葉くん?キスしていい?」






流れる涙はそのままに

相葉くんは濡れた瞳を閉じて

唇を俺に向けてくれた。





ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……





「櫻井さ……」




流れる涙はものすごくキレイで……


この時の表情は忘れないと思った。





だって

相葉くんは………

俺の目をまっすぐに見て

震える目でまっすぐに見て




まるで瞬間を刻むように

美しかったから。






「好きだよ。」




もう一度伝えて

微笑むと

相葉くんはもう一度目を閉じて

キスをせがんでくれた。




優しいキスを落とすと

流れる涙は止まらないままで……



まるで泣きじゃくる子供みたいにぐちゃぐちゃにさせながら……



相葉くんは必死に言葉を発した。




「だっ……っっ、……たら……」


「ぅ……っ……」



黙ったまま言い終わるまで聞いてあげる。




「だっ……たら……お願い……」


緩やかに髪を撫でる。




「忘れ……っ…、させて……っ…、…」




絞り出すように放った言葉は切ないものだった。





「櫻井さんと繋がったことだけでいい……もう……っ…、…それだけ…がいい………
それ以外は何もいらない……何もかも……忘れさせて…っ…
今夜……偶然出逢った櫻井さんと……っ…、……こんなに溶け合えるのが…、俺…幸せで……、ぅ…っ、…もうそれだけでいい…っ…」



「相葉くん……」




「繋がったことだけ………ぅ……っ……それだけ覚えてれば俺はいい……っ……
でも櫻井さんは……忘れて……っ…、俺と繋がったことなんて……忘れてっ…、っぅう…、っ…お願…ぃ…、っ…
キレイな櫻井さんの胸の中に、……っ、
…俺なんかを、…記憶として残させたくない……っ、…っ、お願っ…」




ぎゅっと抱きしめた。



「櫻井さん…っ…、お願…っ、…まだ俺を抱いて……っめちゃくちゃに抱いて…っ」




彼の願いはとても切なかった。




俺もどうしていいのかわからなくなった。





わからなくなったからこそ

そこからは

また激しくからだを



ーーーー重ねていった。