注意: 
櫻葉小説です。苦手な人は回避してください。


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「じゃあしょーちゃん。。。
しょーちゃんのこの先の人生が、ずっとそうなるんだからさ?名前は特に慎重に決めた方がいいと思うんだ。いろいろ聞かせてもらうけどいい?」

「うん。宜しく。」




「まず……最近、テレビとかで好きだなぁと思う物ってあった?」

「あった!お陽さま!」

「お陽さま?」

「うん。お陽さま見てるとさ?
なんだか雅紀みたいだなって思って!
だからすごく好き!」

「……/////」




しょ、しょーちゃん/////



「どした?雅紀?」

「いや…その…/////なんでもない……」




平常心、平常心!
しょーちゃんは人形だから
よくわかってないだけなんだ……

発言にいちいち一喜一憂しちゃだめなんだから。





「ほ…ほかには…?」

「あと!緑色!」

「緑色?」

「なんだか雅紀に似合う色だなって感じるんだよ。絶対似合うと思う。」

「……/////…」




しょ、しょーちゃんっっっ!!!/////





シーン……





「どした?」

「いいいいいえ……なんでもないですっ////他には?」






「あと……う〜ん。フィナンシェ。雅紀、昔から好きだったよなぁって。」

「しょーちゃんっ!!!」

「なんだよ?」

「俺のことはいいから!!!////」

「…え?」

「俺に関連することはいいから!!!」

「雅紀に関連?…してること言ってる?」

「言ってる。そればっか言ってる。。。」

「そうかな…?」

「そうだよっ!///」





無意識なの?!/////

余計テレるっ…/////





「俺とは関係なくて!ただ単にっ、単純に、しょーちゃんが好きだな、惹かれるなって思ったものはないの???それを教えて?」


「単純に…?」

「うん。なんとなく惹かれるな…でもいいから…」

「あ…この前TV見ててあったな…」

「あった?!」

「うんあった。これ、食べたら絶対に好きかも?って思ったやつ。
……といっても実際食べてないから単なる直感だけど…。」

「なになに?!教えて!」

「貝。」

「貝?」

「うん。貝。好きな気がする。」

「へぇ〜!そうなんだ?!」

「うん。なんとなくだけど…」

「貝!そっか。美味しいよ!今度食べさせてあげるね?」

「うふふ。いいよ。後が大変じゃん!とにかく予想だけど好きな味のような気がする。
……あ!後は…
テレビで桜の映像が流れて……
それはちょっといいなぁと思った。」

「桜?」

「うん。」

「俺も好き!!!」

「雅紀と見に行ったよな?何度も。毎年桜の季節になると一緒に見たよな?ちゃんと覚えてるよ?」

「ホント?!しょーちゃん!覚えてるんだ?」

「もちろん!」

「くふふ♪」

「ふふふ♪」





笑い合う時間が嬉しくて。

これまでずっとずっと……しょーちゃんと過ごしてきた年月も嬉しくて。



俺に起きてる奇跡に対する喜びを実感する。





しょーちゃんが人間に近いカタチになってこうして目の前にいる……


そばにいてくれる……




その奇跡が

幸せすぎて、たまらなく感動してた。






「しょーちゃん……名前、決めたよ!」

「えっ…?マジ?」

「うん。」

「教えて!!!」





子供みたいに嬉しそうに目を輝かせてこっちを見るしょーちゃん。

人形であるしょーちゃんが、過去イチ、表情がこの時しっかり表れてた。

その様子にかわいくて心を持っていかれる……




「櫻井翔!」

「?…さくらいしょう?」





「うん。」

「なんか良さそう……」





「ふふふ。
しょーちゃんが好きな『貝』の字も、好きな『さくら』って言葉も入るんだよ?」


「そうなんだ?雅紀すげー!
書いてみて?!俺、覚えるから!」


「ふふふ。りょーかい!」








字を紙に書くと

嬉しそうにその紙を上に掲げて眺めるしょーちゃん。






その様子があまりにもかわいくて愛おしくて……





しょーちゃんから目が離せないと同時に

胸の高鳴りがおさまらなかった。