☆櫻葉小説です









「あ……っ」




「あ……ぁのっ……」







「あのっ………!」








「お………おれと………ゴクッ……俺と!」









「俺と付き合って下さい!!!!!」








強めの風が吹いてるオフィス屋上……



昼休みの終わりの時間が迫り

バタバタと周りの連中がオフィスに戻って行って

誰もいなくなった瞬間に







俺は………







………先輩にその言葉をぶつけた。











「いいけど」








「えっ!」








「別にいいけど。」








「えっ?!いいの?………」








「うん。」








「えぇーーーーーーっ!!!!!/////」









「いいよ。………で?何買うの?」



「は?」



「買い物、付き合わされんだろ?」








せせせせ…先輩………💧



どう聞いたらそう思うんだよ……💧





「違うから!」


「……は?」


「買い物とかじゃ無いですから!俺の話聞いてました?」


「何かの買い物に付き合ってほしいんだろ?」


「恋人になってください!って意味!!!」








「あ〜そっち?………いいけど?」



「いいんかい!」










噂には聞いてたけど

先輩、恐ろしく心が乾いてる……






「えっ?!いや……待って下さい!あ…あの……本当にいいんですか?!恋人ですよ?」


「いいよ?」


「お……俺と、ですよ?」


「お前とだろ?……いいよ?」


「ええっーーーーーっ/////ううううっ!嬉しいですっ!!!!!」




「あそう。良かったね?」











ささささっ…………

櫻井先輩と付き合える!!!!!





櫻井先輩と!

俺が!




とうとう付き合えるっ!!!!!





大好きな櫻井先輩と

俺が!!!!!





恋人同士!!!!!







うっわ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!












って顔上げたら…………









いないんかい!











すでに先輩はスタスタとオフィスに戻って行ってた………










「はぁーーー/////」





頬に手を置くと真っ赤になってるのか、かなり熱を帯びてる。

落ち着こうと深呼吸するけど

心臓がうるさく鳴り響いたままだ。。。






屋上で一人。



今……

胸にあるのは

嬉しさと喜びとドキドキと………



そして親友の下野紘くんの言葉。。。











ーー 数日前 ーー






「雅紀!あいつだけはやめとけって!」


「紘くん…先輩のことをあいつ呼ばわりするのだけはやめてよね!」


「呼び方とかどーでもいいから!とにかくあいつだけはだめだって!諦めろよ!」


「好きなもんは好きなんだよ!」


「どこがいーの?!!!!!」


「………話すと長くなる!」


「どーせ大した話じゃないくせに……」


「なんだよそれ〜www大した話だから!」


「じゃあ聞いてやるよ。言ってみて?」


「あのね?俺ね?
シュワシュワセンサーってのが昔からあってね?」


「………は?」


「シュワシュワセンサー!」


「…………もやもや


「あ!呆れてるだろ!」


「呆れずに聞くことは修行僧の牛肉我慢くらい難しい………」


「紘くん何言ってるかわかんないよ!とにかく聞いて?」


「……………はぁ」



「俺ね?心が踊るとなんかこう、シュワシュワしてくるんだ。キレイな気泡が心地よく弾ける感じ。サイダーみたいでしょ?くふふ。
でね?櫻井先輩と関わると……なんかこう……めちゃくちゃ気泡がね?溢れかえるみたいな感覚なの!!!!」



「やはりこれっぽっちも大した話ではなかった……」



「なに?声小さくて聞こえない…」



「とにかく櫻井先輩だけはやめとけって!これ以上好きになるな!諦めろ!今すぐ引き返せ!雅紀が傷付く!絶対に後々傷付く!櫻井先輩は恋愛に心を絶対動かさない人なんだから!相手が悪すぎるよ!雅紀なら他にいくらでもいい人がいるはずだって。だから櫻井先輩だけはやめとけ!親友の俺が言ってるんだよ?言うこと聞けよ」



「大丈夫だよ!紘くん!俺のサイダーで櫻井先輩もシュワシュワにしてみせるから!そして最終的には気泡で二人でダンシングしてみせるから!」



「お前こそ何言ってるかわかんねぇー」











ーー 現在 ーー





というわけで
親友の下野紘くんにも反対されたのに、

俺はとうとう

大好きな櫻井先輩に交際を申し込んでしまったんだ。







人生は一度きり!






何もしないで後悔するよりは

やって後悔する方が絶対いいに決まってる!









櫻井先輩………


オッケーしてくれた。。。










オッケーしてくれたんだ。。。











強めに吹いてる屋上の風を
身体いっぱいに浴びながら……







俺は『なんて気持ちの良い風なんだろう』と掃除機になったみたいにその風を体いっぱいに吸い込んで吸収した。











このあと

上司に『戻りが遅い』と叱られたことは言うまでもない。