☆櫻葉小説です。


Side M





本気だよ。




………ごっこじゃなく、本気で




本気で



…………相葉くんが、好きだ











俺の気持ちを……言葉を……

言う前にキスで塞がれて……






感動が

心にいっぱいなのと

唇にいっぱいなのと……





もうすべて溢れてくる。





「……………は………」





クリーム味の翔ちゃんの唇。

柔らかくてぬるぬるで






溶け合うみたいに熱いよ……









あっ、………………っ…」








ちゅ………ちゅ………






舌を入れなくて

俺の唇に吸い付くみたいにするキスで





翔ちゃんの愛が伝わってくる。








頬に流れてる俺の涙を

優しく親指で拭って






一瞬、離れると……

また重ねる。。。












翔ちゃん……



翔ちゃん……



翔ちゃん……








もう世界が二人だけになればいいって

この時初めて思った。






そんなこと
これまでの恋人に一度も思ったことなかったのに




そのくらい
このひとときが

永遠に続いてほしいって…思ったんだ。










ゆっくりと唇を離すと……

すぐに下を向く翔ちゃん……






やっと俺も伝えられると思って

言葉を翔ちゃんに向ける。




「翔ちゃん……好き……。

俺も翔ちゃんのことが好き、大好き……。

ごっこじゃなくて…本気で………

本気で大好き。。。」














シーン………














あれ?










さっき下を向いたまま

動かない翔ちゃん。






「翔ちゃんのことが俺も大好きだよ…」





シーン……






「ねぇ、聞いてる?」






下を向いてる翔ちゃんの顔を覗き込んだ。

そしたら翔ちゃんは

真っかっかで………

見たことないくらいの余裕のない顔してた。









「え?」







それ…なに?








予想しない翔ちゃんの姿がそこにはあって…

ポカンとする。。。





無言の翔ちゃんは、

自分の口をおさえて呼吸を必死で整えようとしてる。





「ねぇ…翔ちゃん……

え?なに?…………どうしたの?」





全く分からなくて

しばらく翔ちゃん……を見つめてると






翔ちゃんは真っ赤な顔のまま

大きなため息を「はぁーーー………」って吐いて








意を決したように白状し出した。。。






「ごめん……俺……」

「うん」






「その…」

「うん」





「なんていうか…」

「うん」







「……………」

「?」








じれったいな……

せっかく両想いになれたのに

どうしたの???










「えっと………ね?」

「うん。」









「…………」

「?」









横にあったクッションを急に抱きかかえて自分の顔を隠した翔ちゃん……

わけがわかんなくて翔ちゃんに詰め寄った。




「なに?なんだよ?なんか言って?よくわかんないから……」









そうしたら翔ちゃんは

観念したのか

クッションで顔を隠したまま

ポツリポツリと話し出す。










「ごめん………その……」

「うん(なにが?ごめん?)」









「俺………俺ね…?」

「うん。」







「ホントは相葉くんのことが前から好きで……」

「えっ?」







「ずっとずっと好きで……」

「………!」









「その…だから………でも………」

「………」








「相葉くんに関してだけは…何でもうまく出来なくて……その……好きすぎて……」

「………」







「だから……ずっと諦めなきゃって思ってて……どうしていいかわかんないし………

………で………いくじなしだし……

よくわけがわからないキャラになったりして………」


「………」








「ごっこじゃなきゃ……ホントはこんな風にキスとかするのもすごく……
だ……っ……だめで……」


「………」







「だ……い、好きな相葉くんに……
こんな………夢みたいだし……で……出来ないんだよ……ホントは……

いっぱいいっぱいになっちゃう……」













翔ちゃん……






うそ………







ま、まじ?????











ホントの翔ちゃん……ってそんななの?


ごっこじゃなきゃ


ドキドキしてキスも照れちゃうような?


……そんななの?


そんなに俺のことが好きってこと?









「ごめん、かっこ悪い俺で………
相葉くん………を好きなことだけは……
どうしても………俺………
かっこよくできないん………
な、…情けないやつ………なの………」









………じーんとした。

だからずっとごっこだったんだ?





だからキャラもブレブレだったんだ?




『ごっこ』っていう言葉を乗っけてさえいると大丈夫だっただけで……







ホントの翔ちゃんは……






ホントの翔ちゃんは……







呆れるくらい俺のことが大大大好きな翔ちゃんだったんだ!!!!!












翔ちゃん……









なんて愛おしい人なの?!!!!!