☆櫻葉小説です




Side S





5人グループで飲むようになって

まだ1年足らず。。。

それなのに俺たちは昔からの知り合いみたいに意気投合した。






俺は一つだけ
ずば抜けて得意なことがあった。



それは相葉くんへの恋心を隠すこと。。。







そのことだけは得意中の得意だった。




恋心以外のことは

比較的考えていることが顔に出やすい。

わかりやすいって言われてた。

でも

相葉くんへの恋心だけは

出さないことをかなりうまくやれている。












『相葉くんへの恋心を卒業したい…』











5人で仲良くなって

かけがえのない仲間だと思える4人に巡り会えて……



自分でも驚くほど

この仲間が好きだ。




そして、大切だ。






だからこのグループに波風を立たせたくない。





相葉くんへの片想いを知られて

このグループの関係が崩れるのだけは嫌だ。








だから…







だからこの想いは…






自分の中から消し去りたいんだ。








心の中からこの気持ちを追い出してほしい。

この気持ちを卒業したい。






好きにならなければ良かったんだ。



恋する前の自分に戻れたらどんなに楽か。



グループで飲むようになっても

はじめの頃はただ

相葉くんを見ても楽しいだけだった。





なのに今は……





『もっと話したい』

とか

『なんで俺は特別になれないんだろう?』

とか

『他の人とそんなに楽しそうにしないで』

とか





一緒にいるだけで苦しくなる時が増えていった。







もういやだ………






相葉くんを見ても何も思わない自分に……
相葉くんと接しても何も感じない自分に……

どうか……

戻してほしい………




願うように

祈るように






いつもいつも





胸の中に

この気持ちを消し去りたい願望が


浮かんでいた。