✻∵〜✻∵〜✻∵〜✻∵〜✻ 注:櫻葉小説です。





その日、



どうしてもバイト帰りに3人で歩くのが嫌で



俺はこれから友だちと会うから、と



嘘をついた。





雅紀は

「翔ちゃん、、、今日、

一緒に帰れないんだ、、、」と


寂しそうに呟いたけど





俺はどうしても一人になりたかった。








二人が帰った後








近くの公園のベンチに座って夜空を見上げながら、一人で気持ちの整理をつけようとする。





雅紀の話を聞いて





どうしようもない感情が湧いていた。







、、、なんなんだよ!




なんだよ!クソっ。






そんな、、、そんな大事なこと






俺に一言の相談もねぇーのかよ。









、、、、、、






そのことがすごく悔しくて、

ショックで、、、








怒りなのか


悲しみなのか


情けなさなのか






とにかく


ズキズキ音を立てて


かき乱されて





やり場のない思いを




暗闇に吐き出すしかなかった。







「はぁ〜、なんだよあいつ!

やっぱりあいつのことなんか、、、

嫌いだ!」







言葉に出して






上を向いて星を眺める。








こんなにショックを受けていることに






自分で戸惑うけど

それでも気持ちの整理をつけないとどうしようもなかった。









将来を左右する
人生の大切な時期だった3週間。






あいつはその話を一言も俺に言ってくれなかった。





LINEして

バイトなんで休むのか聞いても

はぐらかされただけだった。



言おうと思えば

バイトの帰りにいくらでも機会があったはず。




雅紀は、


俺になんて


相談どころか


言うつもりさえなかったんだ。


現に未だに、教えてもくれないじゃないか。







当たり前といえば当たり前なんだろう。


ほぼ毎日一緒に歩いて帰ってるといっても


ただのバイト仲間なだけだし、


『親友』と言ってもらえたわけじゃないんだから。







でも、、、






しちょうと店長に、



自分の言葉をちゃんと正しく言えるようになった時、



俺はまるで父親のように雅紀の成長を喜んだ。



勝手に俺自身が一人であいつのことを

見守っている気になっていて、、、




何かあったら相談してくれたり

頼りにしてくれたりするもんだと

決めつけてたのかもしれない。









全く頼りになんて、されてなかったんだ。











あいつにとって俺なんか

そんな、なんでもない立ち位置だった。









そのことに、ずっとショックさが拭えなくて







素直に今回の話を喜んであげたいのに

あげるべきなのに






そうできない自分自身を

最低だと思う気持ちが溢れてくる。








俺と雅紀って、


そんな程度の間柄だったんだ、、、











雅紀…他の人の前でも
 
私の前でも、あんな感じじゃないよ?

翔ちゃんと話す時だけ、

すごく楽しそうだよ









そしたら雅紀が、

翔ちゃんに会えなくなるからって

言うのよ。

勉強の合間に翔ちゃんに会うことが

楽しみだからって。









雅紀、、、

なんだか翔ちゃんと出会って、

変わった気がする、、、










じゃあ、俺と行く?

行きたいとこ、あるんでしょ?

俺、付き合うから!








勝手に

好意的に思われてると、勘違いしてたんだ。








俺って



サイテーだな。









ぐるぐる続く、



醜い自分の感情に



しっかり向き合ってから



ちゃんと



吐き出して








そして、、、





整理をした上で





頑張った雅紀の事をちゃんと喜んであげなきゃ、、、と






一人、夜風に当たりながら




時間をかけて



気持ちの落としどころを決めていった。