✻∵〜✻∵〜✻∵〜✻∵〜✻ 注:櫻葉小説です。






あいつがいなかったら





ゆうちゃんと二人きりで帰れるのに、、、




はじめはそんなことばかり考えてた。





でも俺があいつをあまり好きじゃない理由は






それだけじゃない。













ファミレスのメンバー。

しちょう、どいけん、田中さん、まり姫、





田中さんは、
何をさせてもとにかく普通の人。


しちょうは、市長に顔が似ているためにそう呼ばれている。


どいけんは、本名、土井健太郎。自分でどいけんと呼んでくれって言いまわるようなお調子者。しちょうとつるんでいる人。




いわばこの二人はジャイアンとスネ夫。




そして、

超美人の、まり姫がしずかちゃん的存在だ。






しちょうも、どいけんも、田中さんも、

とにかく、超美人のまり姫に夢中。



まり姫はその自覚があるんだろう。

みんなにいい顔をして回っている。





俺は、

そんな状態に目もくれず、

サバサバした美人ではないゆうちゃんに

懐いた。





それが功を奏したのか、

しちょう達から目をつけられることもなく

スムーズにバイト仲間として

やっていけるようになった。






そんな中で





雅紀は、人が良すぎるせいで、

いつも、

しちょうにいいように利用されがちだった。




客のクレームは全部、雅紀に行かせる。

オーダーミスもすべて雅紀のせいにする。

店長へ報告までして、

ミスはすべて押し付けて

自分は

楽な仕事ばかりをしている、しちょう。





俺はしばらく様子を見ていたが、

雅紀は、嫌がる素振りも見せず

『俺がじゃあ行くよ』って言ってクレーム対応にしょっちゅう行っていた。




幼馴染のゆうちゃんも

結構、雅紀に厳しい面があり、

『まーくんの成長のためだから、自分で何とかするしかないのよ…』

そう言って特に手助けはしなかった。






俺はそんなあいつの



人が良すぎる部分と

しちょう達の横柄な態度を

あいつがアリにしてしまっていることに、

見ているだけでイライラしてた。






だんだん我慢ができなくなって




こっそり、、、
雅紀に気付かれないように


しちょう達の横暴を影で阻止するようになった。


しちょうがミスしそうな時は、俺がフォローに入ってまずミスをさせないようにする。


後は


クレームが入った時には、いち早くその客のところへ行って

『それを担当した石垣をすぐに呼んで参りますのでお待ちください』と

しちょうの本名を出して、


他のやつに、なすりつけることができないようにした。



そんなふうに、少しずつ

ジャイアンとスネ夫の横柄な働き方を

自然に改善していくように仕向けて行った。







あいつを見ていると




イライラする。




優しすぎる性格なのはもちろんだけど




ある意味、

自分が困ることに対して無頓着な感じも

見受けられるからだ。




自分が損をしても、

困っても、




人が困るよりいいや、って

そんなふうに思ってるように見える。

あいつは、

きっと、あえてそうしてるんだ。



人が困るくらいなら自分でいいやって、

きっと思ってる。






なんだそれ!って俺は思うけどな、、、。





もっと自分にも意識、むけろよって

言いたくなるんだ。









まぁ、熱血教師でもねぇから

俺が口出すのもなんか違うし

実際に雅紀に言うつもりなんかねぇ。







曲がったことが嫌いな俺は

誰にも分からない程度に

しちょう達の横柄さを阻止さえ、できれば

俺の気も済む。









だから、


バイトを始めて4か月が経った今も



そんな風にフォローしながら過ごしてた。