side J




「え?    翔くんって、行き付けのbarがあるの?」


「あ?うん。」





福岡が終わって次の公演まで間が開くために、一端、東京に戻っていた時だった。


お酒の話になり、翔くんの、行き付けのbarがあるっていう話になった。


確かに、酒好きの翔くんなら、納得。


「え?そこ、、、俺も行ってみたい。」


「あーー、いいけど、松潤が来るならまたまたエンケンさんにやっかいにならないと。」


「え?」


「あ、いやいや、こっちの話。」




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〈barにて。〉



妻「珍しい。翔が、男を連れてくるなんてな」

翔「あ、こちら松本潤、で、バーテンダーさんは妻夫木聡。」

潤「よろしく」

妻「よろしく!いつも翔から話聞いてるよ?」

潤「え?そうなんですか?」

妻「松潤とニノとあいばくんと大野くん。みんなイイやつだって。」

潤「えー、そうなんだ。翔くん話してくれてんの?」

翔「、、、、、」

潤「なんで黙秘???」

妻「はははっ。」

途中で翔くんの携帯が鳴る

翔「ちょっとごめん」

翔くんは、席を立つ。


しばらくして戻ってきたら、

翔「ごめん、ちょっと劇団に戻らなくちゃいけなくなった。松潤、ゆっくり飲んで帰って。ごめんな。」

潤「全然オッケー!気を付けて。」

翔くんが、出たあと。

妻夫木さんに色々、聞いてみたくなった。




潤「翔くん、行き付けのbarって言ってましたけど、もう長いんですか?」

妻「敬語いいよ」

潤「あぁ、ありがとうございます」

妻「うん、翔は、お酒好きだからね。」

潤「翔くん、俺たちの話、してくれてたって、意外だったなぁー。あんまり踏み込ませてくれなかったから。」

妻「ちょっと変わってきたよね?その辺が。ソフトになってるよ。」

潤「あ、ここでもそうだった?」

妻「いやー、別に俺は踏み込もうとしたことがなかったから。
ここで一緒に話して終わり。
翔は特に俺に踏み込まれそうとか、感じたことはないと思うよ。
ただ、
俺は一方的に翔のこと、親友と思ってるけど。」


潤「へぇー、それもいつか伝わるといいね。」


妻「うーん、、特に翔に伝わんなくても関係ないけどね。俺、勝手に一方的でも平気だから。松潤くんは?もう翔と長いよね?」

潤「うん。」

妻「あいばくんって子が短いのかな?」

潤「そう。でもあいばちゃんの力、すごいよ。あの翔くんに、全然ひるまないからね。」

妻「『あの翔くん』って、仕事場では、翔、どんな感じなの?」

潤「めちゃめちゃすげー人。
誰からも一目置かれてる。天才だって呼ばれてる。一緒に仕事してると、スゴさをいつも感じる。」

妻「へぇー、やっぱそうなんだ。一回テレビで見たけど、テレビだから、盛ってるのかと思ってた。なんか嬉しいな」

潤「ははは。ありがとうございます。
、、、だから、『その天才翔くん』にも、一歩も下がらない。」

妻「あいば最強説ね。笑 」

潤「そう!」

二人: はははっ。

妻「ひるまない最強あいばくんと
翔の関係は良好?」

潤「うーん、、、。
どうかな?」

妻「どうかなって?」

潤「まぁ、、、親友って、
言ってくれてる聡さんだから話すけど、、、

あいばちゃん、、、、、片想いしてるかもしれない、、、。」




妻「えっ???翔にってこと???」

潤「うん。」

妻「恋愛として、、、だよな?」

潤「うん。」

妻「まじか。

潤「まじです。」

妻「ふおぉー、、、」

潤「わからないけど、、、時々そう思うことがある。」

妻「本人が、必死で隠してるって?」

潤「そう。たぶん片想いだとしたら、
絶対に言わないだろうし、隠し通すつもりなんだと思う。」

妻「翔は?気付きそう?」

潤「全く!!!一生かかっても気付かない 笑

ていうか、俺達、空気読むの結構得意なんだと思うんだけど、、、その俺達でさぇ、『たぶん』のレベルだから。
あいばちゃんの隠そうとする意志がかたいんだと  思う。翔くんは絶対に、気付かないな。」

妻「それじゃあ、一生進展なしだね。」

潤「そう。」

妻「長年みてきたけど、翔の雰囲気を唯一、変えられたのって、あいばくんだよな。」

潤「そう。あいばちゃんが、絶対に、諦めなかったから。
少しずつ少しずつ、俺たちも巻き込みながら関わっていって、そしてとうとう翔くんのテリトリーに俺達を入れて貰えるようにまでなった。
あいばちゃんが、ただ真っ直ぐに、、決して諦めずにって頑張った、その結果なんだよな。あいばちゃんにしか出来なかったことだよ。きっと誰もが途中で諦めてる 。  笑  」

妻「あいばくん、すごいね?」

潤「相葉最強説だからね、笑 」

妻「そう思うと何とかしてあげたくなるな。」

潤「うん。」

妻「翔の方は?どんな感じ?見込みある?」

潤「今のところ、あいばちゃんの全くの片想い。

妻「ありゃーー」

潤「たぶん、今は翔くんにとって、友達感が強いっていうか、はじめて深く関わってる友達として、楽しいばっかりなんだよね。」

妻「だけど、楽しいってことは、恋愛として気持ちが切り替わるって可能性だってあるじゃん。」

潤「いや、そうなんだよ!!あるある!!だよなーー!!あるよなーーー! 」

妻「すげー勢い!!   笑  」

潤「あ、すいません、つい。笑
なんかこの話、すげー周りに相談したかったんだけど、

ニノも大野くんも、何となく分かってるのかもだけど、二人とも言わないタイプだし、
なんなら、言う言わない関係なしに、
その状況でもそっと見守るタイプだから。

これについて、話せることが、めっちゃ嬉しいです!」

妻「ははは。翔って、松潤くんにめっちゃ愛されてんなー。」

潤「いや、俺のはあいばちゃんの愛とは違うから。」

妻「わかってるって。でも、大事に思ってんでしょ?翔は、幸せ者だよ」

潤「そうかなぁー、だといいけど。」

妻「そうだよ。

潤「で、でーーー、、どうしたらいいんだろ?」

妻「何とかしたいわけね?」

潤「うん。」

妻「これが異性同士ならほっといていいんだろうけど、、、同性ってなると、、やっぱり周りに何とかしたいって思ってる奴がいないと進まないかもなぁー 

潤「はい!何とかしたい人間です!」

妻「『何とか担当』ね?笑 」

潤「ええ。『何とか担当 』っす! 」

二人:ははは。

妻「まぁーでも、恋愛に、なる可能性がゼロではないのなら、あとはきっかけじゃね?」

潤「なるほど。」

妻「翔に、何かのきっかけがあれば、思いが恋愛にかわることだって、きっとあるよ。」

潤「翔くんが、万が一、恋愛としてあいばちゃんを見るようになったとしても、翔くんは、なおさら告白なんてしないよ?」

妻「道のりは遠そうだね。」

潤「確かに。」

妻「とにかく、きっかけかな?松潤ができることは、目を光らせてきっかけになりそうな事を見逃すなってこと。これだっていうときに背中を押すんだよ。」

潤「!!!!!よし!!!!なんか、希望が見えてきたぞー『何とか担当の背中押し係』ですね!」


妻「ぶっ。なんか、会社の名刺にできそうだな。でも、いい!いい!その調子!」

潤「聡さんって、すごいんですね?恋愛相談のプロですか?」

妻「職業上、そうなるよね?笑 

潤「話できて良かった。」

妻「俺も!
翔が、本当の意味で恋愛できたら、俺も嬉しいし、応援したいな。」

潤「だよね 笑 」

妻「、、、にしても、あいばちゃんの想い、
ちょっと切ないな」

潤「大丈夫!彼なら!
結構ポジティブで強いし 、翔くんへの思いは何があってもブレないから。」

妻「相葉最強説か。」

潤「相葉最強説ですよ!笑」

妻「あいばくん、かっけーな。」

潤「いや、そーなんっすよ?俺もそう思ってる。かなり『かっけー』奴!」

二人: ははは。



聡さん、とてもいい人だった。
翔くんの周りにはたくさんいい人がいて

翔くん、きっと大丈夫だって。翔くんは、大丈夫だって、思えた。






あとは、あいばちゃんとの

ことを見守りたい。



俺に出来ることがあるのかないのか、わからないけど、、、


とにかく目を光らせておこうと


 そう思った。