こんにちは、あきる歯科院長のハマクボです。

先日書いた日本人の歯の寿命を延ばす会のことでご質問を受けたのと、日常いらしている患者さんからも同様の質問を受けたため、予防のことについてしばらくお話ししていこうと思います。

詳しくは、先日のブログに書いたURLから「日本人の歯の寿命を延ばす会」のオフィシャルサイトを見ていただくとだいたい書いてありますので、気になる方はそちらもご覧ください。

さて、ブログタイトルの日本人の歯の寿命です。ご存知の方もいると思いますが日本では80歳までに20本歯を残そうという8020運動を歯科医師会を中心に長年行っています。
こういう運動をするということは80歳の時には20本の歯は残っていないということですが、では、何本の歯が残っているのでしょう? ちなみに、人間の歯は親知らずを含めて通常32本。親知らずを除いた場合28本の歯があります。







答えは9本です。

日本人の歯の寿命を延ばす会の公式ページには以下のように書いてあります。

「40歳位までは歯をほとんど失ってないので、多くの方が歯はそんなに無くならないという認識なのです。 失う本数は加速的に増してきます。
45歳~55歳で3本の歯を失います。
55歳~65歳で5本の歯を失います。
65歳~75歳で8本の歯を失います。
どんどん加速するのです。 そして、自分自身で『歯ってどんどん抜けてしまうんだ!』と実感する頃には かなり状況が悪くなっています。」

本当にこの通りで、60歳くらいまでの方はまだ自分の歯が残っている数が多いので危機感がない方が結構いらっしゃいます。逆にお若い方の方が健康ブームやメディアの影響か、少子化ののち親御さんが歯に気を付けるようになった世代だからか、歯周病や虫歯の予防に関しては関心が高い傾向にあります。


ほとんどの歯医者は70,80歳で入れ歯を使っている患者さんから、「本当に歯って大事よね。こんなに苦労するとしっていたらもっときちんとお手入れしたのにねえ。若いころはわからなかったわ。」というようなお話をされたことがあると思います。検診のたびにこれに類する事をお話しされる方もいます。

歯は一度失ったら戻ってきません。
40代後半から歯周病の進行はそれまでの「沈黙の病気」ではなく、ぐらぐらする、出血する、腫れるなどの症状が出てきやすくなります。それは、歯が失われかけているという体からのサインです。

多くの方はそこからしっかり治療とセルフケアを行えばご自分の歯をずっと使っていくことができます。

通うのが大変ならセルフケアでも改善は可能です。
むしろ、歯周病の治療は、セルフケアが主役といってもいいほどですから。

歯磨きをする機会が少ないなら就寝前に1回でもいいです。 一日一回しか磨かないという方なら朝晩で2回磨きましょう。ささっとみがいてしっかり磨いてないなという方ならテレビや本を見ながらでも、お風呂につかりながらでもいいです。5分かけて磨きましょう。

それくらいはやってるかな?という方は歯間ブラシを使ってみましょう。
なかなか歯科医院に来れなくてどこが悪いのかわからないという方は染め出し液(汚れのついているところを赤く染めだしてくれる液)を使ってみましょう。 

今よりもすこしだけ歯磨きに力を入れてみてください。そして歯科医院に来れるときに歯磨きの仕方はどうすればいいのか?、どこが汚れが残っているのか(歯ブラシがあたってないのか)を聞いてみてください。

それだけで、歯の寿命は延びます。

予防における歯医者の仕事はあくまで皆さんのお手伝いです。もちろん歯科医院でしか扱えない高濃度フッ素やシーラントの使用、自分では取りきれない歯石や歯垢を取るの事も歯医者の仕事ではありますが、一番は歯のお悩みを解決できるようにお手伝いすることです。

「歯磨きの仕方なんて基本的過ぎて聞きにくい」とか、「子供じゃないんだから歯磨きの仕方を教わるなんて恥ずかしい」なんて考えないでください。

僕らはそれを聞かれて、ふんふんとうなずいてくれることが、患者さんが前向きに予防しようとしていることが、すごくうれしいんです。