「本を歩く」
梯 久美子
「戦場で死んだ戦友」
「漫画で伝える玉砕」
NHKの朝の連続
テレビ小説「ゲゲゲの
女房」を楽しみに見て
いる。このドラマの
原案は、漫画家の水木
しげる夫人、武良布枝
さんによる回想記
『ゲゲゲの女房』(実業之
日本社)である。
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・・・以下、かなり
長いですよ~。
硫黄島の指揮官、
栗林中将に関する
ノンフィクションを書か
れた梯久美子さんが
水木しげるさんに
インタビューした時の
ことが書いてあった
ので覚え書きとして
書き写してます。
お時間と興味のある方
だけどうぞ~。
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ドラマでは、8月に
入ってから、水木氏の
戦争体験が描かれた。
漫画家として売れっ子
となった水木氏が、
戦後20年以上たってから、
かつての上官とともに、
陸軍の二等兵として
戦ったニューギニアを
訪れる。それを機に、
本格的な戦記漫画を
描きはじめるのである。
漫画のタイトルは
『総員玉砕せよ!』。
この作品は実際に存在
する。昭和48年に描き
下ろしで刊行された長編
戦記漫画である(講談社
文庫ほか)。
5年ほど前にこの作品
を読んだ私は、大きな
衝撃を受けた。昭和の
戦争を題材にした戦記
文学は、小説やノンフィ
クション、詩など数多く、
大岡昇平、大西巨人を
はじめ、自分自身の従軍
体験をもとにすぐれた
作品を書いた作家も
多くいる。しかし漫画の
世界にこれほどの名作が
あったとは、それまで
知らなかった。
(中略)
物語は主人公の兵士の
死で終わるが、その後の
4ページが圧巻だ。玉砕
した兵士たちのおびただ
しい死体と、時間が
経ってそれらが骨と
なった姿が描かれる
のである。
この作品を読んで、
私は水木氏に会って話を
聞いてみたいと思う
ようになった。インタ
ビューが実現したのは
一昨年のことである。
そのときうかがった
圧倒的な戦場体験は、
昨年上梓した
『昭和二十年夏、僕は
兵士だった』(角川書
店)に収録したが、
取材の際に印象的だっ
たことがある。
水木氏は『総員玉砕
せよ!』以前にも、
短篇の戦記ものを
いくつか書いているが、
この作品以降は戦記
漫画を描いていない。
それはなぜかと尋ねると
「時間が経って記憶が
薄れてくると、正確に
描けませんから」と
言った。
そうだったのかと思っ
た。水木氏は漫画の題材
として戦争を選んだの
ではなく、戦場を舞台に
したドラマを描こうと
したのでもない。戦場が
どんな場所だったのか、
そして戦友たちがどの
ように死んでいったの
かを「正確に」記して
おこうとしたのだ。
「だから、『総員玉砕
せよ!』を描いておいて
よかったと思うんです」
と水木氏は言った。
(中略)
テレビドラマ「ゲゲゲ
の女房」の中の水木
しげるは、「死んだ戦友
たちが夢に出てくるん
です。そして、自分たち
のことを描いてくれと
言うんです」と言って、
『総員玉砕せよ!』を
描くことを決心する。
そして、紙に覆いかぶ
さるようにして、必死の
形相で描き始める。
その場面を見たとき、
あのときの水木氏の
言葉がよみがえって
きた。
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『昭和二十年・・・』は
文庫になったら買おう。
『総員玉砕せよ!』は
今度本屋で探す。
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ここまで読んでる人は
そうそういないと思う
ので(もしいらしたら
本当にありがとうござ
いますですm(_ _)m)
記事とは全然関係ない
ひとりごとをちょっと。
あくまでもひとりごと
です。
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Yahooの映画のとこの
レビュー、ネタバレと
いうか、賛否両論の
「ある事実」について
かなりの数のレビューが
出てますね。
実はちょっと予感が
してた。
所さんの番組で監督が
作った習作がヒント。
良い方も悪い方も、
考えられる限りの可能
性を考えて考えて・・・
の、ことであろうと、
理屈で考えたら、
「現状」がおそらく
「最善」なのだと理解
できるけど
か~な~りガッカリ
したなぁ。
それだとまるで物凄い
ド下手だからそうなった
みたいにもとれるじゃ
ない。ホントにそうなら
仕方ないけどそうじゃ
ないもんね。
本人はいつの時点で
その表現になると
知らされたのかな。
最初からだといいな。