映画「サマーフィルムにのって」
6月頃にCATVの日本映画専門チャンネルで河合優実特集みたいなのをやっていて、その中で自分の中で評価爆上がりだった伊藤万理華主演のこちらの作品が気になったので録画しておいたのです。それをようやくこの前の休日に観ました。
2021年、松本壮史監督作品。
出演は、伊藤万理華、金子大地、河合優実、祷キララ、小日向星一、池田永吉、篠田諒、甲田まひる、ゆうたろう、板橋駿谷、他。
勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。 キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。 そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。 すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、 「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。
(公式サイトより抜粋)
時代劇大好きの女子高生・ハダシ(伊藤万理華)は映画部だが、王道キラキラ青春ラブコメの撮影には気乗りしない。そんな中で普段からつるんでいる天文部のビート板(河合優実)、剣道部のブルーハワイ(祷キララ)を中心に仲間を集めて撮りたかった時代劇の撮影を始める…という展開の青春映画です。
ハダシ監督のもと時代劇の撮影を軸に物語は進むのですが、途中で思いがけずSF展開になって驚きました。しかし最初は蛇足にも思えたこのSF設定が実は重要だったんですね〜
最後まで映画の結末をどうするか悩んでいたハダシ監督。ラストの文化祭での上映シーンは思いがけない展開になって、さすがにそれはないだろうと一瞬思いましたが全然そんなことはなくて、いや〜、最後は軽くウルウルしながら観ましたわ。ラストシーンがマジ素晴らしかったです!
未来は自分達で変えていく、最後まで諦めない気持ち、ライバルとの対決、友情、恋愛、海、と青春映画のエッセンス満載。そして最初から最後まで映画愛に溢れていて、映画好きには堪らない青春映画でした。
一方で、その映画愛の裏には時代劇映画の衰退やショート動画に押されて映画そのものの衰退に対する作り手の憂慮のようなものがあった気がします。(キラキラ恋愛映画ばかり量産されるいささかの皮肉もこめられてる気も…苦笑)
自分は時代劇ファンではないですが、それでも世代的に勝新の座頭市や眠狂四郎の円月殺法とか知ってるんですわ。今の若い人はそれこそ時代劇ファンででもなければ知らないでしょうけれど、高校生たちの青春映画ながら若い人向けにおもねらずに劇中で時代劇について熱く語る姿勢は作り手の矜持を感じて好感が持てました!
NHKドラマ「パーセント」「燕は戻ってこない」の演技がメチャクチャ良かった伊藤万理華ちゃんは、3年前のこの映画でもメチャクチャ良くて、改めて俳優・伊藤万理華を再評価しました。
河合優実ちゃんも言わずもがな、脇役ながらしっかり存在感があって、かといって主役の邪魔をせず、この絶妙な立ち位置はさすが河合優実ちゃんですわ!
この映画の存在は全く知らなかったし録画を観るまではあまり詳しい内容も知らなかったのですが、思いがけず良作で観て大正解でした!
幾つかの配信サイトで観れます。オススメですよ!