ドラマ「燕は戻ってこない」(最終感想) | 肉球でポン!

ドラマ「燕は戻ってこない」(最終感想)

先日最終回を迎えたドラマ「 燕は戻ってこない」の最終感想です。


※多少のネタバレを含みます。すでに放送終了していますが、配信などでこれから観る予定の方はスルーしてください。



NHK・火曜・ドラマ10枠で放送。全10話。原作は桐野夏生の小説。

出演は、石橋静河、稲垣吾郎、森崎ウィン、伊藤万理華、朴璐美、富田靖子、戸次重幸、中村優子、内田有紀、黒木瞳、他。


代理出産を巡る女たち男たちの欲望のドラマです。


代理母を扱った社会派ドラマかと思いきやどちらかというと下世話なエンターテインメント寄りのドラマでした。


お金目当てで代理母を受けたリキ(石橋静河)は他の2人の男性と関係を持って子供の父親を分からなくしてしまうし、依頼者夫婦の妻・悠子(内田有紀)は父親不明の秘密に耐え切れなくなって離婚を決意したかと思ったら生まれた子供を見て復縁するしで、まるでワイドショーで事の成り行きを興味本位で覗き見しているような感覚でした。


最初は自分のDNAを残すことが全てにおいて最優先で代理出産はビジネスと割り切っていた依頼者夫婦の夫・草桶基(稲垣吾郎)が次第に考えを変えて、父親が誰であれ子供を受け入れることにしたのを見て、意外に常識的な人間だったと思いましたわ。


ドラマを観ている限りはあまり共感できないメインの3人でしたが一歩引いて見れば決して悪人とかダメ人間とも言い切れず、この程度の人はおそらく普通に大勢いるでしょうね〜。一見奇抜な人生を送っている春画作家のりりこさん(中村優子)が一番真っ当な人間に思えましたね。


結末がどうなるかずっと気になっていましたが、まさかの結末でした。これ誘拐罪ならないですかね?

法的に問題がなくても草桶夫妻とトラブルになることは間違いなしで、その後の顛末が気になりますわ。


基本的に最後まで面白く観れましたが、途中からプランテの青沼(朴璐美)がほとんど出てこなくなっちゃったのと、代理母を受ける理由となった貧困や格差の問題がうやむやになってしまったのは少々残念に感じました。


実際には現在の日本では行われていない代理出産、代理母と依頼者の性格や関係性によって様々なドラマが生まれるのではないでしょうか。


往年のコントではないですが、「もしも〇〇な代理母がいたら」「もしも〇〇な依頼者がいたら」で色々なパターンがありえそう。今回のドラマはさしずめ「もしもふしだらな代理母がいたら」「もしも生まれた子供を引き取りたくない依頼者(妻)がいたら」ってところでしょうか。


代理母というセンシティブな問題を扱った攻めた内容ながらも堅苦しくならずエンターテインメントとして楽しめる作品になっていて、最近のNHKドラマにハズレなしという感じです。




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