ドラマ「グレイトギフト」(最終感想)
先週最終回を迎えた「グレイトギフト」の最終感想です。
※多少のネタバレを含みます。すでに放送終了していますが、配信などでこれから観る予定の方はスルーしてください。
テレ朝・木曜ドラマ枠で放送。全9話。
出演は、反町隆史、波瑠、明日海りお、小野花梨、盛山晋太郎、片山萌美、市川知宏、藤野涼子、濱正悟、中島瑠菜、坂東彌十郎、津田健次郎、倉科カナ、筒井道隆、尾上松也、佐々木蔵之介、他。
謎の殺人球菌(ギフト)をめぐるサバイバル医療ミステリー。
せっかく確実に人を殺せて証拠も残らない殺人球菌・ギフトという世界を揺るがしかねないアイテムを登場させながら、一病院内の権力争いに終始してこぢんまりしたミステリーに終わったという印象です。
別にこぢんまりしていることが悪いわけではないですが、一部の医者たちの内輪の話に留まっていてせっかくの題材が活かし切れてなくて勿体無い感じなんですよね…。
比較するのは適切ではないかもしれませんが、確実に人を殺せて証拠も残らないアイテムが出てくる作品というと「デスノート」が思い浮かびますが、あちらが世界を変えようとする夜神月と探偵Lの壮大な心理戦だったのに比べるとなんともショボかったです。
病院内とはいえ健康な人間が心臓麻痺で何人も死んでいたら流石に怪しまれる気がするのですが、そこら辺にはほとんど触れませんでしたね。文字通り見て見ぬふりと言うことでしょうか。
最初から感じていたことですが、やっぱり反町隆史は主人公の藤巻役には合いませんでしたね。この役だったら別の俳優を起用すべきでした。
途中で久留米さん(波瑠)が真犯人ではないかというミスリードを盛んに仕掛けていましたがキャラ的に違うと思ったし、盗聴器を仕掛ける必然性もないので絶対違うと思いましたけどね…。
真犯人は意外性があって、しかも真犯人として不自然ではない人物だったのでその点は良かったです。
脚本家がこういうことをやりたいってのは分かりますけど、ミスリードの仕方とかちょっと小手先でこねくり回しすぎたかなという気がします。二転三転する展開もそれほど驚きはなかったですしね。
ミステリーであろうとサスペンスであろうとドラマって人間を描いてなんぼだと思うのですが、人物設定が不自然だし描写も薄っぺらなために感情移入できなかったですね。例えば、顕微鏡は見れても人の目を見れないような性格の藤巻(反町隆史)がなぜ麻帆(明日海りお)と結婚できたのかが違和感しかなかったし、むしろ独身という設定の方がキャラ的にも合うと思うんですがね。
あと人の死が身近な病院とはいえ白鳥理事長(佐々木蔵之介)や郡司(津田健次郎)がギフトを使って平然と殺人を犯すのはリアリティが無さ過ぎで絵空事に感じましたよ。本坊事務長(筒井道隆)も常軌を逸していたし真犯人も含めてこの病院はサイコパスの集まりなの?不自然にもほどがあるって感じです。
続編を匂わせるような思わせぶりなラストでしたが、そもそも本編がイマイチだったので興味をそそられないですわ…苦笑
まあなんだかんだ最後まで観たし、観ている最中はそれなりに面白く観ていたので全くダメな作品だったとは言いませんが、残念ながら早く続きが観たくなるようなワクワクする作品ではなかったです。