行政書士試験合格への道 -12ページ目

損失補償

今回は損失補償です。

①内在的制約 → 補償は不要

 特別犠牲がある場合のみ補償は必要
    犠牲者数(少ない)
    強度な犠牲


②補償内容
  原則:完全補償
    
     原則は金銭 → ただし、現物も可(換地処分)
     文化的財までは補償されない
     生活再建措置は補償されない

 例外:農地法 → 相当補償で可


③具体的権利であり、法律での具体化は不要

④補償の時期 → 規制と同時でなくてよい

以上です


次回は取消訴訟です。

行政救済法①

行政救済法です。


まず、全体像です。

行為が → 適法 → 損失補償

     → 違法 → 金銭的補償 → 国家賠償法
              
           → 違法行為の除去 → 裁判所に取消訴訟
                         → 行政機関に不服申し立て
                            (処分庁に異議申し立て)
                            (上級庁に審査請求)



具体的に細かく見ていきましょう



①国家賠償請求

1条・・・公権力責任
2条・・・営造物責任


・外国人への対応
   相互保障主義(日本人がその国で、国家賠償が認められていれば、補償する!!)

・国賠法に規定がない場合 → 民法の規定が適用
  消滅時効3年
  過失相殺の適用あり
  失火責任法も適用

  使用者免責規定なし
   民法との違い
     民 → 軽過失の場合でも求償可能
     行 → 重過失のみ求償可能

・代位責任説
  個人に資力がない → 国が肩代わり → 公務員個人に709が成立している
  → 加害公務員の特定

・成立要件
 公務員が職務を行うにつき公権力の行使をし、加害公務員が不法行為の要件を具備していること

  *公権力の行使とは取消訴訟よりも拡大し、非権力行為や事実行為も含む

・裁判の瑕疵
  違法または不当な目的的で裁判した等付与された権限の趣旨に明らかに背いた
  特別な事情がある場合のみ
         ↓
       国賠可能

・所得税更正処分
  職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことく漫然とした場合のみ
       ↓
      国賠可能

・国会議員
  違法または不当な目的をもって事実を適示し、あるいは虚偽であることを知りながら、
  あえてその事実を適示する等明らかに、その権限の趣旨に背いて、行使した場合
     ↓
    国賠可能



・営造物責任
  ①通常有している安全性を欠いている状態
  ②無過失責任
  ③予算がないとの抗弁は不可

   営造物責任は完全に回避不可能な場合は
             ↓
           成立しない

     道路 → 責任成立しやすい(人工物で国が管理しやすい)

     河川 → 責任成立しづらい(自然で管理しにくい)
             過渡的安全性すらない場合
             改修時点の技術で通常の水害を妨げる程度でよいがそれを欠く場合



*大阪国際空港事件(機能的瑕疵)
  損害賠償 → 過去の被害分 → ○
         → 将来の被害分 → ×

空港の使用差し止め → ×




国賠法は以上です


次回は損失補償です。


その他の行政作用

①行政立法(行政機関が法律の範囲内で一般的・抽象的な規範を定立すること)

・法規命令(国民の権利・義務について行政がルール作りをする)
  委任命令(内容を決める) ・・・個別具体的な委任
  執行命令(手続きを決める) ・・・一般的な委任


・行政規則(行政の内部的効力)→根拠法は不要
  ↓
 重大かつ明白な瑕疵がある場合のみ拒絶可能



②行政契約(行政主体が対等な当事者として私人等と結ぶ契約)→根拠法は不要

・私法上の契約 → 民法が適用 → 民事訴訟

・公法上の契約 → 原則民法が適用 → 当事者訴訟
               (公益実現のため民法の適用が一部除外)



③行政計画(行政活動を行う前に、具体的な行政目標を掲げ、その実現のための施策)

包括的計画(法的な拘束力あり) → 根拠法が必要

非包括的計画(法的な拘束力なし) → 根拠法は不要


*行政計画の取消訴訟(①権力的②対外的③個別・具体的)

土地区画整理事業計画
                          →  取消訴訟できず
都市計画法上の用途地域指定





都市再開発法
                          →  取消訴訟できる
土地改良法








④行政指導(非権力的な事実行為)→根拠法不要

救済方法

・取消訴訟 → 不可(処分性がないため)

・国家賠償法 → 可能






以上で行政作用は終わりです。
次回からはガラッと変わって行政救済法です。