
村民スタッフにひろつぐ君がいます。まだ25歳ぐらいで週に1回はとうほうTVの企画会議に参加します。幼少の頃、大病に罹り、少し障害をもってますが普通に暮らせる程度です。しかし一般的な人の集まりで長時間いることや通常の仕事をするのは難しい状態です。
2年前、棚田百選の棚田で有名な竹地区の獅子入れという祭りで出会って以来仲良くしています。ご両親やじいちゃんばあちゃんは外に出すことは心配だったようですがわたしが村民スタッフなら皆気さくで温かい雰囲気なので、と、ご家族を口説き連れて来てやがて1年になるでしょうか。最近、企画会議の後、二人で過ごすことが増えたので彼のブログ作成を一緒にしています。
知らない人達の集まりではすぐに疲れるようですがわたしと二人のときは恐るべき能力を発揮することを発見しました。以前から少しブログを書く練習をしていたのですがそのブログの整理の仕方、タイトルのつけ方、構成の仕方を住民ディレクター講座でやるままを伝えたら、あっという間に見事なブログになっていきます。文章力はかなりあります。文章のおかしい所は少しはあっても彼の表現として残すべきものは残さないと一般的な文章になってしまうのでわたしはあまり触りませんがひろつぐ味があります。
映像の撮影、編集と同じでその人らしさをそのまま残して読めるように整理する。時間はとてもかかりますがこの作業をひろつぐ君とやってると素直な心がそのまま直球で表現されるので何とも気持ちがいいのです。余計な意識であれこれ考えないので純粋です。ひろつぐ君の最近の口癖は「岸本さん、大変な時は電話ください。手伝いますから」なんです。この気持ちの純なところがわたしにはとても響きます。ひろつぐ君といる時はトルストイの「イワンの馬鹿」の世界を一緒に暮らしているようです。