足を運ばないと表面的なことで判断しては「飛んでもない良い経験」を逃すということを「愛校作業」という学校清掃作業で痛感しました。

 村に小・中一貫校ができたことで旧村の小学校中学校の草刈りをPTAがやろうということになりました。わたしは旧宝珠山小学校の草刈りを取材することになっていましたがこの日は何度も書いている「庚申さん」の日で朝昼晩と忙しい予定でした。ミニ合宿もありました。そこで何となく「草刈りだからちょこっと作業光景を撮影すればいいな」と考えていました。たまたまうまく庚申さんの朝取材を終え草刈りがはじまる8時には着きました。

 72歳から44歳までの中高年ばかり10数名だったので「あれ?」と一瞬意外感がありました。これなら15分程度で撮れる。少人数の中で72歳の会長のあいさつがありました。「小・中一貫校ができて旧小中学校の清掃、草刈りがおろそかになり役場も大変だろうということになり我々歴代PTA会長が集まって草刈りぐらい手伝おうということになった。」なるほどそれでこの年代が集まったのだった。強者揃いなので11時には終わって今日は昼から飲み会だということだったのですが作業がはじまるとそれはもう素晴らしい役割分担と自主行動で広い学校敷地内の草が刈り取られていきました。

 本職の造園業の方はクレーンから自動バリカンのような珍しい機械やらを駆使して桜の木の枝落としもみるみるうちにやってしまいます。会長は流石に高齢なので鎌でぼちぼちやれる場所をやっておられますが目は全体に光っています。全員が草刈り機をもっていらっしゃるので自前でやれてしまいます。東峰村では草刈りは身だしなみのようなものです。出来て当たり前。2時間で終えてうまいビールを楽しみにしていたはずが全員汗びっしょりで終わリが見えないほど徹底的に刈っていました。

 「愛校作業」という言葉を何気なく軽くみていたわたしはまさに皆さんの母校を愛する気持ちを草刈りの姿勢でしっかりと感じました。当然撮影も半端ではなくなります。全員の愛校精神をしっかりとお伝えする撮影になります。「主旨がきちんとわかると映像の視点が明確になる」という住民ディレクターの基本を愛校作業で再認識させていただきました。