JR日田彦山線が走る眼鏡橋を背景に練り歩く獅子入れの一行です。6月にはこの眼鏡橋の手前を流れる川にホタルが乱舞していました。

 獅子入れは集落の全戸を「一筆書き」のようにもっとも効率よく回りますので日頃通ったことのない道や家の裏を歩きます。車で通過している場所は多いのですが歩きの目線は風景が全く違って見えます。獅子入れルートの醍醐味です。見え方が変わると発想が大きく変わります。報道でいうと「足で稼ぐ」という本来の地道な活動です。今は新聞もテレビもネットの情報も足を使わずパソコンばかりに頼るから大地の響きや風土の匂いがありません。

 東日本の震災でもはっきりした地域の防災にも大きく関わります。また子どもが訪ねてくるだけでじいちゃんばあちゃんが喜色満面になることは垣根なく楽しいですが人と大地、風土の交流がまた大変楽しいものです。実際太陽がギラギラ照りつけたり風が強く吹いたり、雨が降ったり曇ったりと一日で天気が大きく変化します。全身で受け入れながら人と自然、人と神、人と人が交流する大行事です。