テレビはショーとうことをはっきりと教えてくださったのはズームイン!!朝!の総監督だった斎藤太朗さんでした。斎藤さんはズームイン!!朝!に至るまでにテレビ草創期のクレージーキャッツのシャボン玉ホリデー、ゲバゲバ90分、日本仮装大賞など日テレのヒット番組を作り続けて来た大プロデューサーでした。
「ズームイン!!朝!」ではまさに「太朗さんの声は天の声」で太朗さんがいかに面白がるか、がズームのバイブルでした。熊本の県民がいかに大事だと考える話題も東京都民の主婦や高齢者の大半が面白がれないものは放送に乗らないと言い切っていいほど太朗さんの判断で番組は決まりました。
地域の話題とはいえテレビはショーでしたから朝の忙しい時期に面白がれる軽い話題が好まれました。わたしはこのショーという考えになじめず東京の人間に通じずとも熊本や東北や四国の地域に住む人々には大事な話題はいっぱいあるとの信念からよく太朗さんと衝突しました。今おもえばショーというテレビの世界に地域生活の活性化の話を持ち込むこと自体が的外れだったのかもしれません。
しかしわたしがテレビに在籍したのは地域活性化に貢献するテレビの使い方をつくり出すこと以外は関心が無かったのでした。ですからある日突然、その可能性が無いと心底わかったときに自然と退職したのでした。ショーという発想は今もテレビには変わりはないのですが(見ていてそれはどうしてもそうです)2011年7月24日新しいテレビの時代は技術にばかり目が行ってるようですが本当のソフトがどのようなカタチで表れるのか?いよいよそのことが問われる時が来るときでもあります。