久しぶりにケーブルテレビの番組制作をしているとやはりディレクター癖が出てきます。しかし他のメンバーはほぼ全員が普通の生活人ですからとにかく制作に時間をかけるゆとりはありません。もともと目指すところは作品でははなく「映像使用の語り合い」なので番組はオマケです。

 オマケですが語り合いはオマケも何もなく主目的です。映像が入った語り合いそのものが番組なのです。アナウンサーやタレントさんのようなタイミングのいい突っ込みやカバーはないかも知れませんが語り合いは時間枠を越えて発展し番組終了とともに次の生活目標がはじまります。この違いが地方の時代映像祭で最もお伝えしたいところです。作品論ではなくて生活論をする住民ディレクターたちです。

 壇上に上がる住民ディレクターのみなさんが各地の現状を知り合い、共通項や違いを理解し知恵を出し合う解決の場が出来ることが目的です。風土や土地独自の課題、ひとの集まり方は違っても課題解決のプロセスで共通する苦労や悩み、共感する細やかな気持ちなどがいっぱいあって距離は離れていても一緒に動いていることを肌で感じるとおもいます。その感じをもってもらえばそのコミュニケーション状態が会場に参加いただいた多くの皆さんに伝わっていくはずです。とうほうTVやあらゆる番組制作のプロセスで起こっていることはこのコミュニケーションの波紋の広がりです。