龍馬が秘かに脱藩を考えていることを見破り、狼狽する母や兄に龍馬がやっと今やるべきことを見つけたんだから行かせてやろうと落ち着いてたしなめる。脱藩の罪は龍馬だけでなく家族にも及ぶことも覚悟した決断だ。龍馬の器を子どもの頃から喝破しとてつもないことをやる男とみてきた姉は、いつか別れが来ることを覚悟していた。今がその時と決断する。乙女姉の豪胆な決断は軟弱な兄さえ突飛な生き残り策を発想させる力となった。土佐というローカルにいながら龍馬を通して世界を見ていた乙女姉はグローバルであり、身は土佐に置き、魂は世界を駆けるグローカルな大人物だった。ドラマとはいえ、書いた人の精神が伝わる。