
最近よく修験道の場に足を入れる。写真は福岡県東峰村の岩屋奇岩群のひとつ。ここは九州の修験道の地として有名な英彦山(ひこさん)に向かう前に禊(みそぎ)をした場所らしい。東峰村はもともと多くの窯元で知られる小石原とここ宝珠山が合併したところだ。先日までいた隠岐の島海士町ではほら貝が祭られる珍しい神社があったが、この地に島流しにされた後醍醐天皇の脱出を助けたのが山伏たちだったということでその象徴的な場だ。源義経が弁慶を代表とする山伏たちのネットワークがあったため大活躍できたという話は有名だが、山は不思議な力を持っている。熊本市の河内町には霊巌洞という大きな祠があり宮本武蔵が晩年身を寄せた肥後藩で有名な五輪書を書いたところだ。山には独特の空気があって、頭が冴える。身は引き締まる感じがある。エネルギーは中に向かう感じだ。一方先日、久しぶりに隠岐の島に行って青い海を見ていると、外に向かうエネルギーを感じていた。海は逆に開放的になるようだ。胸が開く感じだった。
いつも全国を歩いていて思うが、このように山、川、海、森を歩くことがとてもいい運動であり、癒しになっている。また東京や京都、大阪を歩くと流行のもの、人間が作った文化、芸術に触れる機会が多い。変化の多い仕事でその変化の元にいろんな人との出会いがある。地域のことを考えるには変わらないものと変わりゆくもの、両方をよく知ることが肝要だと思う。明日は中国地方に向かう。