二十歳の原点、今から20年前、小石原村と宝珠山村は数々の困難を越えて村と村が合併して全国一小さな村だった (合併地域の中で)ことから全国の注目を浴びました。当時 7市町村の合併を目指した両村でしたが、過疎や高齢化問題がお荷物と言われ、ある意味で見放され、ハシゴを外されたのでした。「東峰村」がその後、総務省や慶應大学の支援を受けていち早くデジタルを取り入れ、ICTの全国モデル地域となり、光ケーブルテレビ「東峰テレビ」開局、そして九州北部豪雨を高齢者の人間力と村落共同体のネットワーク力、大地に育まれたアナログの力で逞しく復旧、復興し今に至っています。

テレビドラマ制作を模索していた東峰テレビが「その前に必要なのはアイデンティティーを取り戻すこと」と喝破し、産地直送ドキュメンタリーを村民と制作スタッフの共創体制で進めることになりました。9/5(金)正午から「ふらっと九州☆東峰村」のスタジオドキュメンタリーからスタートです。5回シリーズ、最終的には30分ドキュメンタリーを制作予定です。

乞うご期待を!!

ドキュメンタリー「東峰村物語」は「ふらっと九州☆東峰村」で生配信9/5(金)正午から
https://www.tohotv.jp/flatkyusyu

 


東峰テレビが今年の11月で15年目に入り、いよいよケーブルテレビでもありながらケーブルテレビではない様々な機能を村内外に発信する時代に入りました。環境は整いました。この話は今はもしかしたら「ホリエモン」や「立花孝志」さんらと話すと最も理解されるかもしれません。あのお二人はオワコンと言われるテレビの持つまだまだ秘められた力の大きさと飛んでもない怪物のような怖さを体験的によく知っておられます。ホリエモンは一時あるテレビ局を買収すると言って大変な目に遭いました。立花さんはN党の党首として一見メチャクチャな動きですが、実は一貫した志があることを兵庫県知事選で表しました。

私は熊本の小さなローカル局、熊本県民テレビに酒の縁で間違って入ってしまって、大変な目に遭いましたが、「受領は倒るるところに土をもつかめ」に学んでその厄介なテレビを逆にとことん使い倒すとどうなる?と考え、当時の98市町村を2周半歩き回り「テレビで地域おこし」を13年半やり続けました。一方で日テレの三羽烏と言われていた業界スターたちとも深く関わり、日テレの番組も随分させてもらいました。その後、全国初の地域おこし番組を次々と企画、プロデュースしました。また、局の相棒の要請で熊本県独自のTVドラマの監督も経験し、ここにも地域おこしの芽を発見しTVドラマで地域おこしを大胆に進めました。

これら民放での凄まじい地域おこしの経験を全部投入して作ったのが東峰テレビです。立場上は村営のケーブルテレビですが、開局の準備から日常の番組制作・テレビ局運営を村おこしに成るように総合プロデュースして来ました。その一つに2014年、「軍師官兵衛」のタイトルでNHKが大河ドラマを1年間放送することにヒントを得て、このNHKドラマを1年間追走する東峰テレビの生番組「官兵衛で國創り」を敢行、年間50本の生放送を全国の都道府県、市町村の住民を繋いで行い、最終回は26時間テレビまでやりました。

このドンキホーテのような「テレビで地域おこし」は見事に開花し、総務省表彰やNHKの感謝状、何より全国の住民のネットワークがしっかりと紡がれました。新年3日(金)の正午から「ふらっと九州☆東峰村」のドラマコーナー「今昔物語」でこの一部を紹介します。熊本県民テレビのもう一人の相棒で番組のMCを務めてくれている丸田さんに進行をお願いしました。この追走番組が後に寺島しのぶさんが住民ディレクターとして主役となった「たからのとき」のNHK地域ドラマの制作に繋がります。寺島しのぶさんが丸田さんや小林さん、弘枝さんが座っているあの「ふらっと九州☆東峰村」のMC席で演技をしていたのです。1ヶ月間、東峰テレビはNHKの貸切状態でした。

では、1月3日(金)の正午からご覧ください。これからの東峰村、東峰テレビの千夜一夜の話はそこからはじまります。

東峰テレビ 
ふらっと九州☆東峰村


総務省地域情報化アドバイザーに任命されてからすでに14年になります。随分ご無沙汰をしていましたが、8月28日(水)に久しぶりにアドバイザー会議の事例報告の一番目に登壇しました。内容は東峰テレビの14年間の変容・成長ぶりと2022年から2年間、福岡県のDX拠点を東峰テレビの2階に整備してもらったので「デジタル寺子屋」という新たな高齢者のグループ・コミュニティが生まれたこと、その他に住民自身による地域変革に至る様々なチャレンジが起こり、オリジナルTVドラマ制作に至ったことを凝縮してリポートしました。

地域情報化アドバイザーは2007年に始まった国の制度で全国に222名、今ではDXやAIなどの専門家をはじめとしてオープンデータ、自治体システム、テレワーク、セキュリティ等、多様な分野を専門とするアドバイザーがいます。私のような「住民ディレクター養成とオリジナルメディア創出による地域活性化」というのはかなり珍しい存在で、一期生ですので多くの同期生はすでに重鎮になっていて未だ現場で走り回っているのも稀なようです。私はこれから全国行脚第2周目を目指しています。

この日の私の一番の目的は若手の総務省職員の皆さんがこのような住民ディレクターによる「住民自身の力で地域を活性化する方策」をどのように捉えるか?関心があるか?でした。総務省の若手も最初は地方へ派遣されるようで地域の実情を知り、地域住民との交流を通して何とか力になりたいとの気持ちを持っているZ世代が結構いるのだなあと気づきました。

東峰テレビのオリジナルTVドラマの動きへの関心もかなり高く、このような若手をどんどん村に誘い込んでいくことは今後とても大事になると感じました。岩手、千葉、広島の三人のZ世代と話し込みましたが、次に福岡の私が繋がり、列島の地域連携を進める手法として各地のオリジナルTVドラマを横展開するのも面白そうです。まずは東峰村に世代をどんどん呼び込みましょう。

東峰テレビHP
prismHP


ドラマ爆発!!と銘打って昨年末からスタートした東峰村のオリジナルドラマ制作活動。こんなにじっくりと取り組んでいるのは初めてです。民放時代も地域おこしを意識していましたが、やはりどうしても日程に追われる形になりやすく、「ドラマそのもの」とドラマ制作によって「地域おこし」になっていく活動の比率がドラマ制作寄りにならざるを得ませんでした。東峰テレビでやろうとしている「TVドラマ制作」はプロと素人、知り合いの知恵とパワーを結集します。地域おこしとしての威力が半端ないこと間違いなしです。プロデューサー冥利に尽きる仕事になる予感はとても強いです。

一方でこの活動期間を通して、あらためて少子高齢化対策としての交流人口、関係人口増加という課題は「すでにおられる人たち」をいかにして繋いでいくか、また「見える化」するかだという確信は深まります。TVドラマを制作するということは当然素人だけではできず、制作者の力が必要です。しかもTVドラマはふつうの番組とは違って特殊な能力が不可欠になるので、その経験者が多ければ多いほど助かるのですが当然、膨大な資金を要します。

今回のオリジナルTVドラマはこの難しい課題もみんなの知恵で乗り越えてそのプロセスさえも地域活性化に繋がるアクションとして取り込む発想です。恐らくこのノウハウに関しては東峰テレビの他には無いと言って良いほど鍛えてきました。修験道の里でもある東峰村に修験者ならぬふつうの人たちの霊力が蘇るドラマのフィールドを創造します。これからの動きはこのblogでできるだけ継続的にお伝えしながらTVドラマ制作と地域おこしを実践していきます。乞うご期待!! 
参照;東峰テレビHP  プリズムHP  


「テレビドラマを作ろう! 」というタイトルで平成5年に熊本県免田町を舞台に熊襲復権というテーマでプロデュースしました。熊本県民テレビに13年半在籍中にテレビドラマは平成元年に初監督作品を、その後、今日までに「テレビドラマ風」というものまでを入れると6本作りました。

しかもそれぞれに手間暇かけて、住民を巻き込んで、というか共同で作るという手法でやってきたのでドラマづくりはどうしても人間のことを考えるきっかけになり、自分を知り、個々の人々にも様々に影響を与えながら、結果的には地域活性化に繋がる貴重なノウハウだということが全身でわかっています。

来春をめどにこの東峰村で作ろうとしているTVドラマはこれまでの人生で主に田舎や過疎の町村などで学んだことをベースにして都会の人間にも「なるほど!!]」「そういうことか」と思っていただけて、かつ何といっても村や村民に隠されている秘宝のようなパワーを爆発させる企てがあります。

信じるかどうかはやって見せるしかないとのいつものことで準備を進めています。今日をスタートに久しぶりにこの場でこのTVドラマの顛末をその時その時に書いていこうと考えています。70年間、準備にかかったといっても過言ではありませんが、今日から新しい人生を生き始める気持ちでいます。

この動きを伝えるためのツールとしてやっと久しぶりにプリズムのホームページを開きました。こちらもよろしくお願いします。

最近面白いことにかつての仲間や先輩、後輩たちがどこそこで顔を出してきている。SNSは確実にクリエイティブなシニア層にもジワジワ浸透しているようだ。かつて13年半報道制作の現場のもつノウハウをとことん吸収して42歳で退職した熊本県民テレビ。その翌日から「住民ディレクター」という暮らし方、生き方を伝える講座と地域おこしのための番組作りを核に起業しました。

お仲間たちの一つはその熊本県民テレビの同僚たちの滋味溢れる大人の動きで、ジワジワと触発されています。さらに遡ることウン10年、山口大学の先輩たちが私の無謀な村おこしに興味を持ってくれて応援してくれています。専攻が社会学だったので世の中で起こることはなんでも関心を持ち続けているのが生涯現役の所以でしょうか。

熊本ではいまだに理事長を仰せつかっているNPO法人くまもと未来のシニア女子!?たちも新たな動きを起こしているし、かつて行脚した関東、関西、東北などでもその予兆は様々に感じるところです。東峰村のドラマ制作の構想もそろそろ発表できるところにはきました。夏男、この夏は久しぶりにガツン!!と行きましょう。巻き込まれすぎないように要注意報も発令しておきます!!

ドラマ作りについて語る岸本 「第21回ふらっと九州☆東峰村」13:40辺りから「東峰村今昔物語」にて


「結局人やね。」「それって地域の人たちの主体性が応援者に響くかどうかだよね。」九州北部豪雨被災後、復興に向けて国・県をはじめ様々な方面からいろんな事業や多様な人材が応援してくれていますが、現状から言えるのはやはり冒頭の二つの言葉です。

「テレビで地域おこしに貢献」という理由で放送文化基金個人賞をいただいたのが3年前、評価されたけれど「テレビで地域おこし」ということは中々わかりにくいとの声をよく聞きました。そこで "全国唯一の本格地域おこし番組"という刺激的な!?キャッチコピーではじめたのが「ふらっと九州☆東峰村」。この番組を一言で言えば、"多くの助っ人に力を借りるが主体は東峰村民” を実践する番組です。

番組づくりは地域を活性化するためにあり、次々と村にある物語を描いてきました。この物語を一堂に集めると故人も含めた2,000人ほどの村民の顔がよく見え、村独自の文化や環境や歴史、風土などが浮き上がります。ただその多くのことは田舎ではよくある光景であり、大切だけど目立たない地道な活動が多いのです。しかし開局以来表現、発信してきたこのみなさんの動きが13年分集まると流石にどこそこの田舎で見る光景とは随分異なり、大きな物語になっています。

しかもテレビという発想で言えば、岡田准一の黒田官兵衛や濱田岳の栗山善助、吉田剛太郎さんの加納伝助(炭鉱王伊藤伝右衛門がモデル)、仲間美由紀さんの葉山蓮子(一時、伝右衛門に嫁ぎ大騒動になった柳原白蓮がモデル)、実際の 棟方志功、高倉健、王貞治、寺島しのぶ、美保純らが村とご縁があります。少しフィクションが入れば、大変濃い内容で深いテーマ性を持ったドラマに展開できるだけの脚本の素材となる人、ストーリーは既に十分揃っているのです。

テレビドラマや映画は現実に沿って描こうとするドキュメンタリーとは違って、フィクションを入れることで実際には無いけれど有るかもしれないと思わせる物語を提供できます。しかもそれは実際に起こるかもしれない未来物語かも知れません・・・。ドラマ爆発!!東峰村はそんな未来への確かな足どりをドラマで描くことで、村民一人一人に「それって確かにあるかも?」と思っていただくこと、村外の皆さんには東峰村ということで無くても九州のあるちっちゃな村の出来事が人生に何らかの影響を与えるドラマであることを目指します。

敢えて言えば東峰村サイズで収まらない「ドラマチック九州in日本」的な存在感をもったテレビドラマを作ろう!というのが今回の構想です。

*お申し込みは東峰テレビ


ドラマ爆発!! 東峰村第2弾vol.2 「監督は黒澤明さん!?」、響くあなたに来てもらいたい!!

ドラマ爆発!!東峰村第2弾に関してはこの企画で何をしたいのか?をお伝えすることを優先しています。第2弾の主旨の一つは現代の「七人の侍」募集です。戦国乱世が落ち着きはじめた頃に獲物を探す盗賊集団から狙われた小さな村が侍を雇い自主防衛を図るという奇想天外な発想を黒澤監督が描かれました。侍と百姓の文化の激突を経ながら迫り来る盗賊集団に立ち向かっていく逞しいコミュニティの創造プロセスを見事に映し出しました。現代の村おこしであり、移住者問題であり、人口減による消滅町村の直面する課題が巨匠によって炙り出されたようです。もちろん、黒澤さんご自身はそんな村おこしなぞは考えてはいなかったと思います。が、冷静に見ると現代社会の重大課題を70年前に描いていたと見えなくはないのです。

この企画主旨にマッチし、ご自分が本当にやりたいことを探し求めている方にぜひスタッフとして参画していただきたいと思っています。目指す道への自己鍛錬の1ページを開きませんか。

申し込みは東峰テレビ HPへ 
*まずは3/21(木)Gate's7のイベントにご参加ください。会場で岸本プロデューサーがお話を伺います。

いよいよ東峰村の本格ドラマ制作のスタートを切るにあたって福岡市の中洲にあるGate’7のライブハウスで「ドラマ爆発!!東峰村」イベントを3/21(木)の午後6時からやります。

様々な主旨を織り交ぜてのイベントですがメインは「七人の侍」募集!!です。私の村おこしの原点は黒澤明監督の長編映画「七人の侍」です。何度か書いてるので内容の詳細は省略しますが、簡単に言えば「七人の侍」は盗賊たちのターゲットになったある村が戦乱後半の世に落ちぶれて腹を空かせた素浪人侍たちを雇って村を自主防衛しようという発想で始まった百姓と侍の異文化激突コミュニテイ形成のプロセスを見事に見せてくれた映画です。

侍は四人、百姓も多くの犠牲を払って平和を取り戻した村のラストシーンが象徴的です。平和になると侍の居場所はなくなり、三人の侍の寂しげな後ろ姿が人間のコミュニティのあり方を語ってくれました。私はあの三人にお百姓さんたちが「ずっといなくてもよかけん、好きなようにこの村で暮らしてけれ」「出ていくもよし、帰ってくるもよし、あんたの故郷じゃけん」とちょっと手を差し伸べてくれるだけでどれだけ稀有なコミュニティができたことかと想像したのです。

そこから始まった私の村おこしの立ち位置はあくまで「よそ者」、しかし気持ちは村の「馬鹿者」以上に熱く、いつまでも「若者」です。その黒澤明監督に手伝ってもらってドラマ制作をしようというのがこの企画の原点になります。・・・つづく。

 

参加定員は80名 申し込みが必要こちらから→ 東峰テレビ

住民ディレクター事典 


民放時代にテレビドラマを作るというと最低3,000万円から5,000万円が必要との伝説がありました。多分今も変わらない相場でしょう。私が初監督をした熊本県民テレビ発「平成元年のタイムスリップ」は営業経費等も入れて当初の予算は約500万円でした。実質はほぼ350万円の制作費です。それでも営業担当者が苦労して集めてきた額でした。ですから日テレ系列局では日本テレビや読売テレビでしかドラマは作れないという話が伝説のようになっていました。

では、どうしたか?

テレビ局の相棒のSさんが自分でシナリオの原案から脚本までを書きました。その脚本を手にして私を執拗に口説く彼の情熱にほだされて全く素人の私が監督を引き受けることになってしまったのです。それにしてもこの計画は無謀でした。著名な役者を使う金がないどころか、役者をどう集めるか?から迷路にはまり込みました。最終的には熊本県内の劇団を全部回り、自分で直に会うことから始めました。オーディションもしました。田舎の熊本で主役の女子高生を探すのは流石に困難を極めました。しかし、いつものことなんですが・・、動いていると全く想定外のところからひょっこり主役の女子高生が登場してくることになりました。知り合いの高校の先生に話してくれたという人の話で学校図書館を訪ねてみると、・・数分後にやってきた女子高生にびっくりでした!! 私が頭の中で絵に描いたような爽やかな女の子がニコニコしてやって来たのです。「やってもいいですよ」の一言で即、主役が決まりました。その高校生はその後、マスコミ界で活躍することになります。

最終的には日本テレビ系列のお仲間テレビ局でこのドラマを買ってくれる局が次々と出てきて制作費350万円の日本初の、いや恐らく世界初の手作りドラマは日テレ系各局放送と「黒字」という足跡を残して次への布石を打ちました。相棒のSさんも次へ次へと脚本を書き、私も独自にドラマ制作のプロセスが地域にアイデンティティを取り戻し、地域住民の皆さんが誇りを持って生きていくとても大切な芸術活動と身体全体で感じ取り嵌っていきました。とうとう4作目には予算も何とか半分の1,500万円までは作れるようになりました。

完全オリジナルの二つのテレビ作品という商品!! それはもう一つの地域おこし応援番組とこのドラマ制作のノウハウに詰まっています。私のプロデューサー修行はこんなところからはじまりました。そして寺島しのぶさんや美保純さんが東峰テレビでロケをしたNHK地域ドラマ「たからのとき」の原案になっていくという巡りに繋がっていきました。