麻生さんが正気に戻った? | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

麻生副総理兼財務相を「増税派」と見る向きは多い。「財務省に取り込まれている」とか「財務省のポチ」とまで言う人もいる。自粛生活でアベガーに転向したと思ったら、気を取り直したのかザイムショウガー、アソウガーに戻ったこの人もこんなことを言っている。

 




彼は麻生副総理は増税派で安倍総理の敵である財務省のポチだという。
しかし、安倍政権が打ちだした82兆円を超える補正予算を含む225兆円の経済対策の財源を引き出した最大の功労者は麻生財務相だろう。

しかも、増税派のはずの副総理がこんなことを言っている。

“増税でなく景気回復による税収増を” 麻生副総理兼財務相
NHK 2020年5月29日 14時11分

(前略)
政府は、第1次補正予算に続いて、27日に決定した第2次補正予算案の財源も、全額を新たな借金にあたる国債の追加発行で賄います

これにより今年度の国債の新規発行額は90兆円余りに上り、今年度の予算全体では歳入の56.3%を国債に頼る、過去最悪の状況となります。

これに関して、麻生副総理兼財務大臣は、閣議のあとの記者会見で「税収が落ちることも計算に入れておく必要があり、国債への依存度はもっと悪くなると考えておかないといけない」と述べました。

そのうえで財政の立て直しに向けては「経済が活性化しないと財政の改善もできない。増税に頼るのではなく景気回復によって税収を伸ばすことを目指すのが第一だと思う」と述べ、まずは景気回復による税収の増加を目指すべきだという考えをしました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200529/k10012450161000.html

ネットには「潮目が変わったのか?」などと麻生副総理を批判していた人たちの戸惑いの声が流れている。
しかし、とっておきの”打出の小槌”を今のような時に使わないでどうするのか。

厳しい批判を受けながらプライマリーバランスだ財政再建だとやってきたのは、今回のような経済危機に備えるためだった。

麻生さんといえば、4年前の6月に民主党政権時にすでに決まっていた消費増税を2年半延期した時のこんな話がある。
ベテラン政治記者の杉浦正章氏のブログ『永田町幹竹割り』から。

(引用ここから)
 その山口をさておいて安倍は28日に財務相・麻生太郎、幹事長・谷垣禎一と会談して2年半の延期を伝えた。恐らく盟友関係にある麻生と安倍は、2人だけの会談の時に、その後の運びまで綿密に打ち合わせたに違いない。状況証拠から推理をすれば、麻生は「オレ怒ったふりするから」と述べ、安倍は「頼むよ」と言ったのだろう。麻生が怒ったふりをして「解散だ」とぶち上げ、財務省や自民党内や公明党の気を引きつけ、最後には急転換すれば、「あの麻生すら転換した」と大勢が従うことになる作戦なのだ。自民党の政治家が困難な問題を処理する時にやる大芝居だ。筆者のように50年もだまされ続けていると手に取るように分かる。山口はこの海千山千の手口に引き回された。

 麻生が翌日から「解散せよ」とぶち上げて舞台で大見得を切った。事態がどう展開するか固唾をのんで政界が見守る中で安倍は、麻生との会談の何と2日も後に山口と会談、「2年半延期する」と伝えたのだ。そのころにはいくらナイーブな山口でも麻生の言動は怪しいと気付いていたに違いない。大勢は延期で決まりそうであると分かっていたのだ。しかし、「突然の話で、党内とよく相談する」と即答を避けるのが精一杯であった。5月24日に二階に上げて、はしごを外した瞬間が30日の会談であった。

(引用ここまで)
(ブログ永田町幹竹割り『◎安倍は山口の“頭なでなで”したほうがよい』)より一部抜粋
全文はこちら→http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01

この時、サミットから帰った安倍総理から消費増税の2年半先送りと同日選回避を伝えられた麻生副総理は激しく反発した。翌日の記者会見や講演でも「衆議院を解散して国民に信を問うべきだ」と厳しい表情で語ったのである。

そして、安倍総理との会食では、氏の勝負服である黒いスーツと黒いハットのギャングルックで現れ、怖い顔をして会場のホテルに入っていった。
結局、麻生副総理は折れたが、二人とも厳しい顔で会場を後にしたのである。

しかし、一連のこの流れは超ベテラン記者の杉浦氏が指摘した通りだったのだ。

ギャングルックの麻生さんが怖い顔でホテルに入っていく前に、すでに結論は出ていたのである。二人はこの後の段取りを相談し、その後は二人のお祖父さん(岸信介総理と吉田茂総理)の話で盛り上がった(田崎史郎氏)という

実は、この話は以前に下記エントリに書いたことがある。


プロレス?出来レース?それとも大芝居? 2016-06-01
https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12166276069.html

厳しい表情のままホテルを後にした二人は、翌日朝の閣議前にはこんな表情になっていた。
上記エントリで引用させてもらった空き地さんのツイートから。



あの時にこんな見え見えのプロレスを見せられたのに、いまでも「麻生は財務省のポチ」と思っている人がいる。少なくとも安倍総理の前に立ちはだかる障害だと思う人はもっと多そうだ。

しかし、本当は、このお二人は日本を取り戻す戦いの「同志」なのである。

内外の敵に囲まれた中で政策を実現してゆくためには、時はこのようなプロレスも必要なのだ。麻生副総理と同じく同志で盟友の甘利明氏はこのお二人の関係についてこんなことを書いている。

森友文書書き換え問題で副総理が矢面に立っていた2年ほど前の話だ。

今週の出来事「スーパー弁慶」

 「麻生副総理には義経を支える弁慶のごとく、仁王立ちをして微動だにしないで頂きたい」という趣旨の発言をしたことが波紋を呼び、「でも最後弁慶は倒れますよね」と言ってきたマスコミがあります。

 鎌倉の弁慶は『命を犠牲にしても仁王立ち』ですが、平成の弁慶は『美学を犠牲にしても』という意味です。麻生副総理の美学や矜持(きょうじ)からすれば、『役人に責任を押し付けている』とか、『地位に恋々としている』とマスコミに揶揄されるのは耐えられないことだと思います。それを察して冒頭の発言をしました。

 私の発言以前に腹をくくっている麻生副総理、番記者から私の発言を聞いて・・・「でも矢は痛い(笑)」  
 平成の弁慶は不死身です。

(『甘利明 国会レポート 第353号』より)
http://amari-akira.com/01_parliament/2018/353.html

私も副総理はわざわざ自分に矢が向くようにしていると思う。
最近でも、リーマンショック時の特別定額給付金は失敗だったと否定的な見解を示したり、消費税減税を否定してネットの一部からも強い非難を浴びた。

しかし、最終的には定額給付金はあの時の何倍もの額が支給されることになったし、消費減税もいまのところ安倍総理が検討している節もない。
この件についても麻生副総理が嫌われ役を買って出ているのだ。

“増税でなく景気回復による税収増を”発言を受けて「財務省を叩き続けてたら麻生さんが正気に戻った」などのコメントが目につくようになったが、麻生さんは前から正気で、安倍総理を支え続けている。

(以上)