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３が日が過ぎたのにネットやテレビではいまも除夜の鐘がゴーンゴーンと鳴り響いている。
家族と豪華な食事をしている映像が報じられるなど、まんまと日本から逃げ出した形のカルロス・ゴーン被告だが、そう安心ばかりはしていられない状況のようだ。
日本政府の要請で国際刑事警察機構（ICPO）はレバノン政府にゴーン被告の身柄拘束を求めたが、関与が疑われているレバノン政府は彼を日本に引き渡さないと明言している。
ただ、祖国の人たちは思ったより厳しい目で見ているようだ。
ゴーン被告の起訴要求 「イスラエル入国罪」で―レバノン弁護士
時事 2020年01月03日07時22分
【ベイルート時事】レバノンの一部の弁護士グループは２日、同国に日本から無断で帰国した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告を「イスラエルに入国した罪」で起訴するよう求める報告書を検察当局に提出した。グループの１人が取材に応じ、明らかにした。
弁護士のハサン・バジ氏は、ゴーン被告について「過去にイスラエルで開かれた経済関係のイベントに出席したことがある」と指摘。イスラエルと敵対関係にあるレバノンは国民に「イスラエルのボイコット」を義務付けており、ゴーン被告がこれに違反したと主張している。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010300151&g=int
また、経由地となったトルコでは当局がパイロットなど７人を逮捕したほか、レバノン出国に利用されたトルコの航空会社がゴーン被告を刑事告発している。
トルコ航空会社、ゴーン被告の航空機違法使用で刑事告訴
ＡＦＰ 2020年1月3日 20:31
【1月3日 AFP】（更新）日産自動車（Nissan Motor）元会長のカルロス・ゴーン（Carlos Ghosn）被告が、会社法違反などの罪で起訴され、保釈中に日本を出国してレバノン入りした問題で、トルコのプライベートジェット会社MNGは3日、同社の航空機が違法に使用されたとして、刑事告訴したことを明らかにした。
同社は「カルロス・ゴーン被告の日本出国に関連して、ジェットチャーターサービスの違法使用で刑事告訴した」と発表した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3261988
レバノン政府には今後も様々な国際的な圧力がかかるはずで、事態がどう動くかは予断を許さない状況だ。こちらの除夜の鐘の余韻はまだしばらく続きそうである。
この年末年始の休みの間には、他にも外交や政治がらみの重要な出来事が続いている。
ＩＲに絡んでの贈収賄事件ではすでに逮捕された秋元議員の他にも５人の国会議員の名前が取りざたされるなど事件は拡大の様相を見せている。
また、トランプ大統領の命令で米軍がイランの司令官を殺害したという衝撃のニュースも飛び込んで来たし、北朝鮮の党中央委員会総会が異例の４日間も開催され、金正恩委員長が再び硬路線に回帰する発言を繰り返したとの報道も気になる。
ただ、いくら年末年始でマスコミも永田町もお休み状態とはいえ、目立つのはゴーン報道ばかりで他のニュースの影は薄い。イランの司令官殺害など号外が出てもいいくらいだし、ＩＲ汚職ではあちら界隈がもっと騒ぐはずだが、ネットも含めて意外なほど静かだ。
一方、政府もこれらについての公式コメントは出していないようだ。
正月休み中で情報が集まりにくいのかもしれないが、それにしては慌てる様子がまったく見えない。
安倍総理も今回の休暇も大好きなゴルフをはじめいつもと変わらず満喫している。
３日には夫人と映画鑑賞をした後の報道各社のインタビューで「映画はどうだったか」と聞かれた「大変楽しく見させてもらいました」と答えている。
そもそも、番記者は上記のニュースについてなぜ何も聞かないのか。
休みで情報が入りにくいイラン情勢や北朝鮮情勢はともかく、多くの自民党議員の名前が挙がっているＩＲ汚職についてすら質問が飛ばないのは不自然だ。
もっとも、ＩＲ汚職が摘発されたということは中国の工作が絡んだ事件が明るみになったということだ。かの国の工作は政官財界からマスコミや放送界に及んでいると言われているから、推移を息をのんで見守っている連中が多いのかもしれない。
安倍総理は４日も朝から大好きなゴルフに出かけている。
このようにまったく普段通りに休みを過ごしているように見えるのは、ＩＲもイランも北朝鮮も事前に内容を知っていたからではないか。
連休明けの年頭記者会見で総理は何を語り、マスコミは何を質問するかに注目したい。
（以上）
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