『宣戦布告なき諜報戦』現場からの報告 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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中国のIT産業が様々な方法で企業の技術を盗んで成長してきたことはよく知られている。そして、ファーウェイの孟晩舟(もうばんしゅう)副会長が捕まったことをきっかけに、現実は想像をはるかに超えていたことが明らかになってきた。

中国製のスパイチップが世界中の通信機器に埋め込まれていて、膨大な情報が知らないうちに中国に吸い上げられていた。SF仕立てのスパイ映画のような出来事が世界中で日常的に繰り広げられているのである。

当ブログでも甘利元経済再生相の国家レポートを引用するなどして、デジタル覇権を目指す中国はあなどれないと書いてきた。しかし、何となく現実感がないというか、よその世界のことのような感じていた。

ところが、いまから6年も前に、フェアウェーは中国共産党御用達のスパイ企業だと告発していたIT業界人がいた。上記の逮捕劇を受けてこのたび出版された『日本のIT産業が中国に盗まれている』の著者深田萌絵氏である。


日本のIT産業が中国に盗まれている  – 2019/1/17深田 萌絵  (著)




(著者略歴)
深田/萌絵
ITビジネスアナリスト。Revatron株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代にファンドで財務分析のインターン、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務の後にリーマンショックで倒産危機に見舞われた企業の民事再生業務に携わった。現在はコンピュータ設計、チップ・ソリューション、AI高速処理設計を国内の大手企業に提供している



実は、この本を読み始めた時、上記の略歴も表紙の写真も実際とは違うのではないか、実は男性なのではないかなどと考えた。内容が内容だけに個人が特定されると身に危険が及ぶ可能性がある。だから情報の掲載を避けたと思ったのだ。

実際にはネット番組などにも出演しており、考え過ぎだったようだが、そう考えたくなるくらい中身はすごい。私は、わが国政府も民間もあまりにも無防備過ぎる現実を次々突きつけられ、読んでいて頭が痛くなった。タイトルは決して大げさではなく、中身はそれ以上だ。

この本の一番すごいところは、自身の経営する会社がファーウェイのスパイ行為に遭遇し、警察もFBIもメディアも信じられない中で戦い、そして倒産に追い込まれた実体験が元になっていることだ。

デジタルだITだと言っても、技術や機密を扱っているのは人間だ。だからスパイや工作員は人に近付き心理戦で仲間に引き込もうとする。彼らは捜査機関やマスコミなどあらゆる分野に仲間を作り、思うように動かそうとするのである。

そして、筆者は彼らの最強の武器はハニートラップだという。
しかも、この武器は彼女のような妙齢の女性に対しても適用される。ターゲットは鼻の下を伸ばしたおっさんとは限らないのだ。

さらに、ターゲットが恋人との関係が良好でハニトラに見向きもしない場合は、まず恋人に仕掛けるのだという。筆者もこの方法で恋人と別れざるをえなくなり、そのうえ産業スパイ化した元彼に自分の会社買収を仕掛けられたというのである。

ハニトラ要因は中国人とは限らないし、同性愛のハニトラもあるそうだ。さらに、ハニトラの亜形のレイプトラップもあるから、狙われたら避けるのは難しいだろう。家族持ちなら、配偶者や子供もターゲットになりうるから恐ろしい。

とにかく一旦目をつけられ組織的に攻められたら個人が対応することは難しい。
これまでどれほど多くの人が罠にはまったのかと考えると空恐ろしくなる。
研究開発や機密事項の触れる仕事についている人はこの部分だけでも必読だ。

他にも驚くような話が次々と出てくるが、個人的に意外というか残念なのが中国の野望を強力に支えているのが台湾だとの指摘だ。トップクラスの親日国が、中国が仕掛けている諜報戦で重要な役割を果たしているというのである。

台湾が親日国であることは間違いないが、あらゆる分野に中国が深く浸透していることも事実だ。

例えば、2012年に台湾の三つの国債空港に導入された「自動通関システム」のハードウェアは、実は人民解放軍と関係の深い中国軍事企業製だったことが発覚したという。
台湾製だとばかり思っていたら”成りすまし台湾製”だったというのだ。

そういう意味では、マスコミがシャープの救世主のように持ち上げた台湾企業の鴻海も、自称台湾出身の蓮舫も”成りすまし台湾製”だったということになる。
中国にとり、親日国の台湾が隠れ蓑になっているのである。

それどころか、国連で国家と認められていない台湾は国際条約のしばりがないのをいいことにして北と表でも裏でも深くつながっているという。北朝鮮国内のハードウェアはASUSやacerといった台湾製ばかりで、ミサイル開発の素材や機械も同様というのだ。

さらに、モノ不足のはずの平壌には台湾製の自動車や食料品があふれているし、北の特産品のケミカルドラッグ(合成麻薬)は台湾経由で世界に販売されている。中国の臓器も台湾が販売の拠点になっているというのである。

他にも様々な問題点を指摘したうえで筆者は次のような政策を提言している。

・『スパイ防止法』の制定
・『*セキュリティ・クリアランス制度』の法制化
   (秘密にすべき情報を扱う職員に対して、その適格性を確認する)
・国会議員の「二重国籍」を禁止する『蓮舫法案
・官僚や政治家のサポートとなる『国家のシンクタンク』設置

特にスパイ防止法は急ぐべきだ。
IT技術など最先端の研究や技術開発やに関わっている人、安全保障上の機密事項に触れる人などをスパイの攻撃やトラップから守る制度や法律の整備も必要だろう。

この本は『宣戦布告なき諜報戦(筆者)』の最前線からの報告だ。
日本の行く末を案じる人にとって必読の一冊である。

(以上)

 

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