「憲法改正」という結果が大事!? | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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今日未明、外国人労働者受入れに関する入国管理法改正案が成立した。
他にも改正サイバーセキュリティ基本法、天皇即位日祝日法、改正水道法や日EU・EPAなど重要な法律・条約が成立・承認された。

一方、憲法改正に関する具体的な論議は全く行われなかったといっていい。
野党が憲法審査会の開催にすら抵抗することは予測の範囲内だが、自民党案の説明すらできないままに終わるとは思わなかった。

10月の改造人事は、いよいよ安倍総理が憲法改正に本腰を入れ始めたと感じさせるものだった。特に、加藤勝信(総務会長)、甘利明(選対本部長)、下村博文(憲法改正推進委員長)、稲田朋美(筆頭副幹事長)党人事にその意欲が表れていると思わせた。

すでに議員を引退している高村正彦氏を党憲法改正推進本部の最高顧問としたことも、改正ヘの動きが加速することを強く期待させるものだった。ところが、その後の動きは加速どころかほとんど動いていない。


自民党 憲法審の22日開催を断念 野党が幹事懇欠席
毎日新聞2018年11月21日

https://mainichi.jp/articles/20181122/k00/00m/010/124000c

自民、改憲4項目の今国会提示断念 参院選前の発議困難
朝日新聞 2018年12月5日

衆院憲法審査会は5日、自民党が目指した6日の審査会開催を見送ることを決めた。同党は、安倍晋三首相が意欲を示した憲法9条への自衛隊明記を含む「改憲4項目」の今国会提示を断念する。当面、与野党対立が収まる気配はなく、来年の参院選前の改憲案発議も困難な情勢となった。

 10日に会期末を控え、6日は衆院憲法審の最後の定例日となる。与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝・元総務相は5日、立憲民主党の山花郁夫・野党筆頭幹事と国会内で会談。新藤氏が6日開催を求めたのに対し、山花氏は開催できる環境にはないと拒否した。

 自民、公明両党などの幹事らは対応を協議し、6日開催を見送ることにした。自民は今国会で「改憲4項目」の提示を目標に定め、6日の提示を模索した。だが、強硬な運営には出入国管理法改正案の会期内成立をめざす参院側や公明が反対するなどし、「今国会での提示はできない」(首相側近)との判断に傾いた。

 来年の通常国会では、統一地方選や参院選を見据えた与野党対立が予想されるほか、公明も参院選前の改憲案発議には慎重姿勢を示している。参院選までの発議は困難な見通しだ。

https://www.asahi.com/articles/ASLD556W0LD5UTFK00Y.html


維新を除く野党は、具体的な議論ではまったく対抗できないから入り口で阻止する手に出ている。それに対し自民党はなすすべもなくただ時間だけが過ぎてしまっている。完全に野党ペースのまま国会が閉じられようとしているのである。

法案の審議を人質に取られたこと、公明党が積極的でないこともあるが、要するに床に寝転がっている駄々っ子を殴って言うことを聞かせるわけにもいかないということだ。道理が通じない相手を議論の場に引き出す名案は簡単には見つかりそうもないのである。

安倍総理は9月の総裁選では今国会での「改憲4項目」の提示に強い意欲を示していたが、そんなつまらない理由で来年への先送りを余儀なくされたのである。
ただ、その分、法案審議のほうは比較的順調に進んだとも言える。

立憲民主党などの審議妨害は相変わらずだが、今回は審議拒否をほとんどしなかった。大好きな連休をとらなかったのである。憲法審査会を徹底的にさぼったうえに法案の審議まで欠席すれば、また連休批判が起きることを恐れたのではないか。

おかげで、問責とか不信任とか、採決抗議パフォーマンスなどお決まりのコースをたどったものの、多くの重要法案が成立し条約が承認された。つまり、安倍政権が憲法議論より法案審議を優先したことがこの結果につながったとも言える。

ただ、産経新聞は改憲4項目の今国会提示を断念したと伝えられていることについて、憲法改正の優先順位を下げるのかと安倍総理に懸念を示している。


【主張】自民党と憲法改正 「優先順位」を下げるのか
産経 2018.12.4

 臨時国会の閉会日を10日に控え、自民党が党独自の憲法改正案を衆院憲法審査会に提示する見通しが立っていない。

 「自衛隊明記」などを柱とする自民党改憲案の臨時国会での提示は、9月の党総裁選で3選した安倍晋三首相(党総裁)の公約である。

 臨時国会での提示を見送れば、安倍政権が憲法改正の優先順位を下げたとみられかねない。改憲の機運を高める上でも、自民党は会期内最後の審査会定例日の6日に、または会期を延長してでも約束を果たしてほしい。安倍首相は、党総裁として指導力を発揮すべきである。

(以下略)
https://www.sankei.com/column/news/181204/clm1812040001-n1.html


もっともな主張だ。
しかし、安倍総理は駄々っ子の相手をしていては何も結果が残らないと考え、法案審議を優先した。憲法改正の重要度より人手不足やインフラ整備の緊急度を優先したのである。

安倍政権の間に国民投票に持ち込めなければ憲法改正がさらに遠のく。
ただ、任期は3年近く残っており、いますぐに改正しないとどうにもならないこともない。
支持率を大きく下げてまで成立させた安保法制のおかげで安全保障体制の整備は前に進んでいる。インド太平洋戦略の進展、防衛費の1%枠の突破など、現行憲法の範囲内でもできることは次々と実行に移されている。

わが国にとって憲法改正の重要度は極めて高いが、現憲法の範囲内でできることも多いのである。だから、時間があまりないとはいえ、焦ってことを進めて失敗したら元も子もないのである。

そういう意味では「4項目全部」にこだわらず、まずは憲法改正の実績をつくるという選択肢もある。無理に国民投票にかけて否定されたらそれで終わりだが、「通りやすそうな項目」を選んで岩盤に一旦穴を開けておけば道は開ける。

そんなことを考えていたら、改憲に反対の立場からそうなることを警戒している人を見つけた。ネットでいろんな意味ですごく有名な菅野完氏である。
氏の論説から一部を引用させていただく。


イヤガラセの道具と化した「憲法改正」 <改憲案の背景><改憲ってほんとにするの?>
https://blogos.com/article/343276/?p=2

(以下引用)
安倍首相および彼の周辺の人々は、憲法を「国の形をつくるもの」と表現します。憲法とは「国家権力に歯止めをかけるもの」というのが世界共通の常識であり、「国の形を作るもの」という彼らの憲法解釈そのものが間違っているのですが、いまはあえて、彼らの憲法認識に歩調をあわせましょう。しかしながら、彼らのやっていることをみると、「国の形」をつくる憲法を、彼らは、話し合いさえ放棄し、「通りやすそうなものを通す」という姑息な方法で作成しようとしているわけです。そんな手法で作られた憲法が日本という国家の形をつくるというのであれば、彼らが作りたい日本とは「姑息で乱暴な日本」ということになるのでしょう。

ここまでくると、なぜ憲法を変えたいのかの意図さえよくわからなくなります。ただ単に「変えたいから変える」としか言っているようにしか見えない
(原文ママ)のです。改憲そのものが自己目的化しており、つまるところそれは、「護憲としかいわない連中を吊るし上げてやろう」という醜悪なイヤガラセにさえ見えてしまうのです。

思想の左右、政治的陣営の如何に関わらず、普通なら、このような性急かつ内容のない議論に参加することは、はばかるはずです。こんな状態で、野党は憲法審査会の審議に応じられるはずもなく、審議を拒否するでしょう。しかしそうなれば、官邸サイドの人々は、「野党は反対ばかりする」「サヨクは護憲護憲と宗教のようだ」と言いつのるのでしょう。下村博文氏のように「議論しないのは職場放棄だ」と言ってのけ、内容もなく妥協の産物でしかない姑息なものを、姑息な手段で押し通し「憲法改正」という結果を手に入れることになるのでしょう。

(引用ここまで)


「通りやすそうなものを通す」手法をとっているとの指摘は当たっている。
安倍総理が加憲に舵を切ったのは明らかにそのためだ。
イヤガラセという表現にそれに対する警戒感が強く表れているではないか。

安倍総理は2012年衆院選の公約では9条ではなくその前段として憲法発議要件を各議院の三分の二以上とする96条の改正をうたっていた。その後、2項をそのままに自衛隊を明記する9条改正を提案したが、これは「通りやすさ」を意識したものだ。

だから、安倍政権の間に改憲4項目全部でなくても改正を実現し、まずは現行憲法に風穴を開けることを優先する可能性もある。「単に変えたいから変えると言っているようにしか見えない」との指摘もそれほど的外れではない。

もちろん4項目全部を是非実現してほしいが、どんな形であっても憲法改正の実績をつくることが最重要と考える。改憲のための改憲に見えようが、イヤガラセや姑息な手段に見えようが気にする必要はないのである。

まずは「憲法改正」という結果を手に入れることに集中するべきだ。

(以上)
 

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