あなたが「食べる」ということは、
「命を引き受ける」ことである。
動物や魚はもちろん、植物や穀物も同じことだ。
命ある限り、この残忍なシステムから逃れることはできない。
この罪悪感から少しでも逃れるために、
人類には「感謝」という感情を発達させてきた。
あなたのために殺されたものへ祈り、感謝する。
飽食の時代に、オレたちはこの感謝を忘れる傾向にある。
感謝なき食事は命への冒涜であり、あなたの体は肥えさせても、心を豊かにはしてくれない。
「私の命を育んでくれるのは、他者の命だ」という「命のつながり」に感謝し、
最高の敬意を払って食事にのぞみたいものだ。
「菜々兵衛」ラーメン(白石区)
2008年10月にオープンして以来、いきなりラーメン王国札幌の王座に君臨してしまった最強のラーメンである。
2012年にミシュラン北海道ビブグルマン、食べログ北海道ベストラーメン1位。
オレのおすすめはやさしく奥深い鶏白湯と名古屋コーチンだが、塩・醤油、みそ・辛みそ、すべて一級品の味である。
「おくしばあちゃん」スープカレー(円山)
今や全国で10店舗以上に広がるおっくん(奥芝)の円山店で、おばあちゃんたちが元気に働いている。
店長のシンタロウがライブに来て「牡蠣のスープができました」というので、さっそくいってみた。
一回の仕込みでエビの頭3000尾をつかうエビスープで有名だが、ぜいたくな牡蠣スープも絶品だった。
フォアグラなどの天ぷらやきむさんの餃子のトッピングもはずせない。
「おくしばあちゃん」から徒歩1分にある「すぎはら」は、すばらしい食材がそろっている。
オレのおすすめは、帯広の中田食品の豆腐の燻製や岩見沢の市川燻製本舗の牡蠣や帆立の燻製だ。
「寿司は温度で食べるもの」という。
冷たいネタと人肌のシャリの温度が溶け合うハーモニーを味わうものだ。
回転寿しでは味わえない、「その人のために握られた寿司」を味わうにはカウンターでいただくしかない。
口の肥えた市場の人々御用達だけあって、新鮮なネタを低価格で1貫(80円~)からたのめる。おまかせ握りは10貫で2500円。
「すし善」で食べたら2万円くらいしそうな厳選ネタを5000円くらいで堪能できる穴場ですぞ。
「菊水」定食屋(桑園)
同じく場外市場の人たちが通う定食屋で、まさにおふくろの味である。
味噌漬けホッケや宗介カレイなどの焼き魚定食もあるが、サバの味噌煮は缶詰になりほどの名物料理だ。
札幌で一番美味いパン屋はまちがいなくここっしょ。
それどころか全道一、全国でもベスト5にはいる名店である。
高峰オーナーシェフは、洞爺ウィンザーホテル「オテル・ド・カイザー」で修行し、ルヴァン(天然酵母)を使用したフレンチスタイルのパンをつくっている。
ハード系パンも見事だし、クロワッサンもフィグも菓子パンも最上級レベルだ。
10時オープンで昼くらいには売り切れてしまうので、早めにいこう。
チキンを繊維状になるまで煮込み、スパイスで味付けしたカレーは病みつきになる。
元祖パキスタンカレーの「カラバトカレー」(藤野)と食べ比べてみるのもいいだろう。
本場ネパールのシェフが腕を振るう。
おすすめは、ほうれん草のサグカレー(チキンとマトンあり)だが、30種類以上のスパイスを配合するスープカレーが意外にすごい!
ご近所にあるので南米料理が食べたくなるとよらせてもらう。
オーナーのドミニカ人マルちゃんがいい人で、日本語もうまいけどスペイン語で会話してくれる。
スパイスで味付けしたセルド(ポーク)やポージョ(チキン)のシチュー、モロ(黒豆)ご飯、揚げバナナ、チキンのトルティーヤ(メキシコはビーフ)もいける。
ライブでいただいたのだが、チーズオムレットの美味しさに驚いてしまった。
とろけるように繊細でしっとりとした生地に練りこまれたチーズは傑作ですな。