佐藤さんの決断@埼玉県草加市 | New 天の邪鬼日記

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4月21日(日)埼玉県草加市「フェイドインカフェ」にて、オープンハートの会11周年記念、佐藤誠司セルフストーリーオペラ「そらのやくそく」
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みんなが佐藤さん(47歳)の誕生日を祝いたいと思った。
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佐藤さんは長い間オープンハートの会で古市さんをサポートし、オレのライブを支えてきてくれた。佐藤さんはいつも温かい目で人々を見守り、みんなも佐藤さんが大好きだった。
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佐藤さんはツッパリ全盛の時代、中学から頭角をあらわし、中学校3年で2,000人の不良を従える大田連合の2代目総長となった。
しかし1987年7月23日、21歳の佐藤さんは、上司のミスによって感電し、生死をさまよう大火傷を負う。
何度も死のうと思ったが、あとから入院してきた16歳の古市さんと出会い、生きる希望を見いだしていく。
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「火傷をしてよかったと思える人生にしよう」
古市さんと誓うが、世間の偏見と差別はあまりにもきびしかった。
古市さんが本を書き、講演活動を広げる中、佐藤さんは影から古市さんをサポートし続けた。
アキラライブの運転手をかって出てくれた佐藤さんに、オレは被災地で言った。
「みんなの前で佐藤さんの話をしてくれませんか。佐藤さんは上司のミスで火傷を負い、被災地の人は理不尽な津波によって被害を受けた。だから佐藤さんの話はみんなに勇気を与えるはずです」
今まで影サポート役だった佐藤さんが、そこからフロントマンとして、表現者としての道を歩み始める。
「こんなにひどい火傷を負った佐藤さんが必死で人前に出て命の大切さを伝えようとしている。そうだ、生き残ったおれたちは動く体があるじゃないか!」
佐藤さんの話は多くの人に感動と生きる力を与えてゆく。
佐藤さんの中でも何か変わりはじめる。自らの人生をさらけ出すことによって、今までどんななぐさめを聞いても、どんなポジティブな話を聞いても溶けなかった氷が出会った人々のぬくもりによってぬくめられていったのだ。
そして今日、佐藤さんは大きな賭けに出た。
なんと自分のオペラに母親を連れてきたのだ。今までとてつもない苦労をかけてきた母親に感謝をしたい。しかしもしオペラの途中で自分が泣き出してしまえば観客に迷惑がかかる。
それは佐藤さんにとって人生最大の決心だった。
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佐藤誠司セルフストーリーオペラ
「そらのやくそく」
1、Shining soul

第一章 暴力の時代
2、愛を知らないこどもたち(ピアノ)

第二章 感電事故
3、ハイボクノウタ

第三章 奇跡の生還
4、WAR

第四章 ドクターにもらった命
5、イェシュア

第五章 俺を愛してくれた人
6、心がくしゃみをした朝

第六章 仲間との出会い
7、PUZZLE

第七章 家族
8、家族

第八章 世の中の壁
9、勇者の石

第九章 約束
10、そらのやくそく
11、ありがとう(アンコール)
12、Heppy birthday

佐藤さんは1曲めの「Shining soul」で早くも涙ぐみそうになった。その時昨日の柴田久美子さんの言葉がよみがえってきた。
「自分だけの力でやろうとするから緊張するの。そんな時は神様どうぞ私を道具に使って下さい思えば大丈夫よ」
その瞬間、オレのギターの弦が切れた。
弦が切れるというのは死者からのメッセージだ。
佐藤さん曰く、「自分を必死で治療し、亡くなっていった布先生が、自分を守りにやってきてくれたと感じました」と言う。
第七章の「家族」で佐藤さんのお母さんをステージに上げた時も、佐藤さんは立派にやり遂げた。
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オペラは大きな感動呼び、大成功で終わった。
さまざまな人が佐藤さんの誕生日を祝いに駆けつけてくれる。
なんと岩手県の陸前高田から古山和尚がきてくれたのよねー。
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和尚とスキンヘッド兄弟である
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落語家ふすま丸 さんが「まんじゅう怖い」を一席ぶってくれる。
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カオリンが村上ゆかの歌を歌い、
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パティシエ・ピロコがすばらしいケーキを運んでくる。
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ハルナが用意したTシャツにみんなが寄せ書きし、
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オレが佐藤さんの似顔絵を書いた。
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オープンハートの会支えるこいたばっしーをはじめ、スタッフのみんな、仲間たち、そして母親に見守られながら、佐藤さんはまた新たな一歩を踏み出した。
「火傷をしてよかったと思える人生にしよう」
まさに佐藤さんは今、その人生を歩き出したのだ。
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