今日はマヤンカレンダー「13の月の暦」の最終日「時間をはずした日」だ。
「13の月の暦」は、月の満ち欠けや女性の生理周期に合わせた1ヶ月が28日で1年が13ヶ月ある。
２８X１３＝３６４日。
そして今日一日を足して365日となる。
この暦を提唱したホゼ・アグエイアス夫妻が来日した1997年の対談があるので、くわしくはこれを見てください。
そしてもうひとつ、今日の主催者るいるいサンタの誕生日でもある。
性被害者をサポートするるいるいは、「時間をはずした日」を「性」の固定概念からわれわれを解放する記念日と位置づけた。
そう、今日のテーマはずばり「SEX」だ。
はじめるいるいからこの企画を聞いたとき、「マヤ暦」と「性」がどういうふうに結びつくのかわからなかった。
「この日にぴったりなすごい女性がいるんです。夏目祭子さんです！」
オレはさっそく祭子さんの著書「性に秘められた超スピリチュアルパワー」を読んで納得した。
長い歴史でおとしめられた性を「聖なる性」として復活させる「魂に響く性教育」の語り部なのだ。
「たしかに、この人しかいない！」
はじめてお会いした祭子さんは、少女のようにチャーミングで、小柄なのにとてつもない元気パワーを秘めた美しい女性だった。
東京ライブのホームグラウンドである新橋アトムタワーには60人を越える人で超満員だ。
山梨にゲストハウスを開いた料理研究家ヒロコがアボカドのお菓子とマテ茶をふるまう。
オープニングアクトは、超絶ギタリスト戎屋（えびすや）が、ギターを横に寝かせて演奏するタッピングですばらしい演奏を聴かせてくれた。
東北から新幹線でかけつけてくれた村上ゆかが名曲「手をつないで」で会場を一体にさせる。
祭子さんの話にオレが質問する対談形式で性の本質にせまっていく。
「古代マヤ族の性教育は、子供たちを野外に連れていき、自然の美しさを学ばせるところからはじまります。太陽や月、星たちの規則正しい運行、花や樹木たちの豊かさ、動物や虫たちの交わりなど、自然の営みに敬意を払うことは、自然の一部である人間の肉体や営みもまた美しいと気づくからです」
オレは「ウレシパモシリ」を歌った。
わたしは大地 わたしは大空 わたしは月
わたしは太陽 わたしは花 わたしは鳥
そしてわたしはあなた
わたしは涙 わたしは笑顔 わたしは孤独
わたしは怒りわたしは許しわたしは祈り
そしてわたしはあなた
わたしは試練 わたしは学び わたしは光
わたしは命 わたしは愛 わたしは神
そしてわたしはあなた
「わたしはあなたという歌詞にあったように、マヤ族のこんにちはのあいさつをインラケチといいます。あなたはもうひとりのわたしですという意味です。このようにすべての自然や他者をリスペクトするところから本当の性教育ははじまるんです」
「実際にセックスができる思春期になったときの性教育はどうなんですか？」
「マヤの性教育制度では女性神官が1年もの時間をかけて若者の指導をおこなったといわれています。月の満ち欠けとともに変化する女性の体について熟知し、惑星の運行にそって子供をつくる時期を選びます。人々が豊かな性生活を送っていると、文明は無益な戦乱とは無縁なまま繁栄するんですね。現代文明の混乱はまちがった性教育に原因があると思います」
「なるほど、オレもこう考えていました。現代のマスコミや教育は、くりかえし人々を洗脳します。アイドルやタレントのような顔やプロポーション、ダイエットできないほど意志の弱いあなたは価値のない人間です。この製品を買える収入を得られないあなたの人生は無意味ですと、たったひとつのものさしを押しつけるんです。だけど人間は自然のまま存在するだけで、美しい。あなたがあなたとして生きているだけでかけがえのない存在なんです」
「Beautiful」を歌う。
きみがただ在るだけでいい
きみのまま在るだけでいい
受けとるより与えること
愛されるより愛すること
You are so beautiful
You are so beautiful tonight
永遠は今 無限はここ
僕は きみを生きていくよ
You are so beautiful
You are so beautiful tonight
満ちる海はきみ そそぐ川は僕
きみは僕とひとつにとけあう
You are so beautiful
楽しい時間はあっという間にたってしまう。祭子さんと話していると、一晩でも1週間でも話したりない。
対談の最後は、観客とともにチャクラをつかったワークショップをしてもらう。
立ち上がり、肛門と性器の間にある骨盤底筋をキュッと引き締め、大地から吸い上げた気を背骨に沿ってのぼらせる。「クンダリーニの蛇」と呼ばれるエネルギーを上昇、循環させると、心地よい性エネルギーが満ちてくる。
「セックスの本質は美しいエネルギー交流です。もともと人間は、美しい生き物なんです！」
るいるいが自作の紙芝居を披露する。ひとりぼっちのトナカイが人々の出会いによって愛に気づいていく、心温まるストーリーだ。
るいるいが呼びかけた「みんなのカレンダー」に協力してくれた人々を呼び、ステージにあがって話してもらう。
みんな、みんな、るいるいがつないでくれた笑顔の輪だ。
「わたしは今でも死にたくなるときがあります。つい数日前もビルから飛び降りることさえ考えました。誰もがいつか死ぬのなら、わたしはわたしにしかできないことをやってから死のうと思ったんです。これから3ヶ月かけて全国４７都道府県をまわり、生きる喜びを伝えていきます」
「Happy birthday」を合唱し、手作りのケーキがプレゼントされ、るいるいが生きていてくれたことを感謝する。
アトムのディレクター上田さんがるいるいに言った。
「るいるいが苦しくなって飛び降り自殺したくなったら、おれを思い出せ。それでも死にたいのならおれを呼べ。いっしょに飛び降りてやるから」
るいるいは涙でくしゃくしゃになりながら、いちばん綺麗な顔で笑った。
「ありがとう！」
