沖縄というのは変なものを吸い寄せる「魔女の掃除機」みたいなところがある。
妄想を増幅させる磁場のようなものが働いているのかもしれない。




「石垣ラー油」で超有名な「辺銀(ぺんぎん)食堂」が那覇に支店「こぺんぎん食堂」を出した。一人一本限定のラー油は12時前に行かないと売り切れる。注文は1年待ちのウエイティングリストである。
さまざまな素材を練りこんだカラフルな餃子が人気である。うしろは隠れ人気メニュー「トムヤムすば(そば)」。

楽園を夢見て沖縄に移住する者も多く、2004年度の沖縄県の年間人口増加率は東京を抜き、はじめて全国第1位となった。
2005年度の沖縄への転入者は約26400人(総務省数値)。転出者は23500人で、3年以内に6割の人が内地にもどるともいわている。
また2006年頃から若者のプチ移住が増加し、住民票を移さない「幽霊住民」も増えている。
(「海外移住者情報」参照)
失業率も高く、給料は安く、楽園とはほど遠い生活を強いられる。
自殺者の割合を見ると10万人当たりの死亡者が一番少ないのに、男性の中高年の自殺率が、全国で2位~3位という。
楽園というのは、すべてが満たされた理想郷ではない。
「自分が生き生きできる場所」のことをいう。
楽園は依存するものではなく、自分で創りだすものだ。
楽園に幻滅し、心を病む人の多い沖縄だからこそ、オレはここへ呼ばれるのかもしれない。
アルテ崎山は3つのイベントスペースからなる素敵な場所だ。
階段を下りていくと掲示板に貼られた女子プロレスのポスターとオレのフライヤーが同化している。

沖縄プロレスには、アグー豚、カンムリワシ用高、ゴールデンパイナップル、めんそ~れ親父などのご当地キャラが活躍する。

「寛太―!」

障害を抱える寛太は、半年ほど前から全身の筋肉が緊張するというなぞの病気と闘っている。医者は弱い体に成長期の負荷が耐えられないのではと言っているが、本人は非常につらい。寛太を支える両親の健治さんや八千代さん、姉の夏菜海もつらい。
その知らせを聞いたとき、オレは電話をし、ブログの祈りプロジェクトでみんなに祈ってもらった。
それでも寛太は学校でAKIRAライブを宣伝してくれたので、担任の先生も息子を連れてきてくれた。
奄美で声を失ったオレは祖先や両親などの死者に守られていると感じているが、オレと会うのを楽しみにしてくれている寛太や生者にも守られているのだと思う。
そう、強力な守護霊軍団がついてるのである。

主催者カヨさん&ゴローさん&レオの活躍で、地下にあるAホールには50人近い人々がきてくれた。
3年前にオンセンズライブを企画してくれたミワ、オレの友人の死を見取ってくれた看護婦さん、数年前に伴侶を亡くしたアクセサリーアーティスト海月(くらげ)さん、車椅子でインドを一人旅した成田さんなど、今日の選曲にぴったりな人たちばかりだ。

1、 だいじょうぶマイフレンド
2、 ウレシパモシリ
3、 米をとぐ
4、 シーサー
5、 ぬちどぅ宝
6、 祝福の歌
7、 サンガイジュネコラギ
8、 PUZZLE

9、 背中
10、 たったひとつの命
11、 命の歌
12、 絆
13、 家族
14、 Hello my mom!
15、 Heppy birthday(アンコール)
16、 なんくるないさ(アンコール)
17、 精霊の島(アンコール)

すごい、すごい、打てば響くようなアンコール3曲の17曲。
泣いて笑って、みんなすっごいいい顔をしてたよ。
そんな素敵な顔をした瞬間あなたは楽園にいる。
楽園はここにある。
空と海の隙間に、
白いサンゴの浜に、
おばあの深いしわに、
あなたの涙に、
あなたの笑顔に、
自分の胸のなかにあるんだ。

音響をやってくれたノリユキは今度来日するダライラマをテレビ取材する。フライヤーをデザインしてくれたミホ、物販をやってくれたハルナ、ママチャリ日本一周のハタ、すたっふのみなさん、主催の安西ファミリー、寺内寛太一家、
にふぇーでーびる(ありがとう)
かなさんど(大好きです)
失楽園者のための楽園をつくっていきましょう!
