なんにもないからなんでもある島 波照間 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

081106buta沖縄本島の公設市場

11月13日(木)波照間(はてるま)島「あやふふぁみ」ライブ
満月でデジカメがおかしくなってしまったので波照間の写真はない。
海亀が満月に産卵するように月の影響を受けるのだろう……「カメ」だけに。

日本最南端の島波照間はなんにもない。
なんにもないから、なんでもある。
広大無辺な空、
エメラルドグリーンから青のグラデーションを深めていく海、
裸足をやさしく受けとめる珊瑚の砂浜、
風にそよぐサトウキビ畑、
精霊の眠る森、
古人たちが生活した石積みの跡、
質素な民宿や小さな売店、
子供たちが走り回る小学校、
つまり文明がつくりだす余剰はないが、人が幸せに暮らすのに必要なものはすべてそろっているのだ。
天候不良がつづき、5日間もすべての便が欠航していた。「今回はむりかな」とあきらめかけていたが、オレが石垣島に着いた翌日、波がおさまった。
石垣島からフェリーで2時間(片道2000円)、高速船で1時間(片道3000円)で、楽園へいける。
オレも毎年通い続けてもう4度目の波照間だ。
港と西浜ビーチに近い民宿「西浜荘」に宿をとり(素泊まり2000円)、島内で唯一のライブハウス「あやふふぁみ」へいく。ここは「ぱなぬふぁ」(花の子供という意味)という名前から、魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)する「夕暮れ時」=「あやふふぁみ」という名前に変わった。
オーナーのヨシミちゃんとアシスタントのキョウコさんが店内の大掃除を敢行し、棚を整理したり、ペンキを塗りなおしたり、メニューを充実させたり、リニューアルをはかった。
いい感じで風の吹き抜ける店になったなあ。
オフシーズンなので観光客は少ないが地元の人たちが集まり、家庭的なライブになった。
いつものように「ざあびらき」(座を開いて神様たちをお迎えする)でヨシミちゃんが波照間民謡を3曲歌ってくれる。
ヨシミちゃんは見えないものが見える。
「今日も見えない人たちがいっぱいきてるさあ。まえよりも年齢層が若くなったみたい」ヨシミちゃんが言う。
年齢層って、精霊にも歳があるのだろうか?
まっいいや。見えてる人間にも見えない精霊たちにも、全力投球で歌うぞ。

1、 旅立ちの歌
2、 ぼくの居場所
3、 青空のむこう
4、 Happiness
5、 祝福の歌
6、 Hello my mom!
7、 家族
8、 サンガイジュウネコラギ
9、 精霊の島
10、 なんくるないさ(アンコール)

去年はお腹にいたとき胎教でHello my mom! を聴かせたリエちゃんの子供一郎も無事に生まれもう1歳である。ヨシミちゃんの三線に合わせ、「精霊の島」を歌う。ゆったりとたゆとう波のような歌だ。最後は「ナンくるないさ」をカチャーシーで踊り、満月の夜は更けていった。

精霊の島

ベスマ(わが島) 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島
あなたがなにかを
なくしたとき
わたしをさがしに
ここへおいで
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島

空と海のすきまに
わたしはいる
白いサンゴの浜に
わたしはいる
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島

碧い森の泉に
わたしはいる
そよぐキビの穂波に
わたしはいる
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島
アカバナの蜜つぼに
わたしはいる
遊ぶ蝶々の羽に
わたしはいる
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島

おばあに深いしわに
わたしはいる
子供らの呼ぶ声に
わたしはいる
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島

あなたの涙の粒に
わたしはいる
あなたの笑顔に
わたしはいる
ベスマ 波照間 精霊の島
ベスマ 波照間 神様の島