独学力 ケーキ編 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 音楽の相棒タケちゃんが1ヵ月ぶりにかえってきた。
 しかも30歳の誕生日である。
 21日にはタケちゃんの誕生日&東京横浜ライブのミーティングのために東京から25人も日光にやってくる。
 その前祝いにケーキでも買ってやろうと東武駅近くの乙女屋にいこうとしたが、JR駅前にもケーキ屋があったことを思い出し、そっちへむかった。
 クソ寒い夕方でひっそりとした駅前には人っ子ひとりいないし、うおおーケーキ屋閉まってるじゃーん!
 しかたなく東武駅まで引き返すと、さっきまで開いていた乙女屋まで閉まってるじゃーん!
 んじゃあスーパーで買おうとLIONDORへむかった。
 デザート売り場にプリンやシュークリームはあるが、オレが誕生日でイメージするイチゴクリームケーキがないじゃーん!
 むむむ、かくなるうえは必殺民族の祭典じゃない、独学力をつかうしかない。
 自分で屋根を修理したり、風呂場の感電を直したり、床や天井を張り替えたり、ピアノを練習したり、
 独学力の基礎は「なんでも自分でできる」という根拠のない思いこみである。
 オレはレストランでシェフをやっていたことがあるが、ケーキなんて作ったことはない。とりあえずケーキになりそうな材料を買いこみ、音泉スタジオにむかう。
 タケちゃんには鶴の恩返しのごとく「決してキッチンをのぞいてはなりませんぞ」と告げ、初体験のケーキ作りに挑戦した。
 生クリームをボウルにいれ、泡立て棒でシャカシャカかきまわす。ええーぜんぜん変わらないじゃん。さらに気合いを入れてシャカシャカしゃにむにシャカシャカ釈迦牟尼般若波羅蜜多故ー。
 怪しい物音に気づいて奥の部屋からタケちゃんがたずねる。
「なにやってんですか?」
「激しいオナニー」
 うおおー、できた、できた、激しい生クリームの完成だ。
 これを買ってきたスポンジの下段に塗って細かく刻んだイチゴをまぶす。
 もう一個のスポンジをのせ、下地に生クリームを塗り、クリームの先っちょがクルルッチョーンとはねるように絞り出す。ううむ、なかなか芸術的センスが要求される技だな。
 半分に切ったイチゴを放射状に立てていく。
 ほうー、見るからにケーキ、見まごうかたなきケーキ、上から見ても横から見ても純粋血統書付きのケーキじゃーん!
0601ケーキ※バックはタケちゃんの新作Tシャツ。タケちゃん貧しいんでオレも一枚買ったが、かなりかっこいいのよ。
 こんなゴージャスなケーキをふたりで食うのももったいないんで、ONSENSスタッフであるカメラマンのユウヤと音響のアラタを呼んでタケちゃんの誕生日を祝う。
 三十路は楽しいぞ。20代で駆けずりまわった成果がいろいろ実ってくる。
 ONSENSニューアルバムの計画や2月のライブについて話し合う。今年はかなり実り多い年になりそうだなあ(と毎年言ってる)。
 今日は夜からリュウがきて練習である。明日はさらに人数が増えそうなので30人分の鍋を仕込まねばならない。しかし30人といったら江古田ライブのお客さんと同じ数じゃないか。
 江古田ライブはあっというまにチケット完売だし、横浜ライブも残りわずかである。
 全国からやってくる旅人は静岡ライブにきてね。ジュビロ磐田の磐田市ね。浜名湖湖畔の旅館で宴会&雑魚寝まで用意しているそうなので、「中国産」のうなぎをつまみにゆったりと話もできる。「夜のお供にうなぎパイ」はまだ売ってるのかなあ。
 ONSENSファミリーもどんどんふくらんで、なんだかすごいことになりそうだわ。