痛いくらいの満月 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 痛いくらいの満月。
 満月は人を狂わせるという。
 出産と殺人と交通事故が多いというので心配していたが、チーム静岡も到着したようだ。ひなからきた満月メールを紹介しよう。

ミーティングと称して、すっかりお邪魔しちゃって.....ホントありがとうございます。
akiraさんにみとれっちゃたライブから一ヶ月♪
温泉行ったり、絶品カニ飯いただいたり、いろんなお話聞いたりと、奇跡の二日間でした。
夢のこたつライブは今までに感じたコトのない涙がこみあげてきちゃいました。
ここでは我慢しなくていいんだって勝手に感じただけですけど、
とってもキモチ良かったです
酔っ払ったakiraさんは噂通り、一冊の本が出来ちゃうんじゃないかと思うくらい名言飛び出してましたね。
うつろな目で語るakiraさんがそこに存在する人間とは思えませんでした。
未来を決めるコトは今の幸福を手ばなすコト
今をどう楽しむか、
それだけでいい
それだけでいい

 オレは酔っぱらうと完全に無意識だけで行動するらしい。無数の証言があるが、本人がおぼえてないので「らしい」としか言えない。
 意識が消し飛び、トランスパーソナルな「名言マシーン」になってしまうという噂はよく聞く。
 でも絶叫ならぬ「説教マシーン」や、「暴力マシーン」や、「泣き上戸マシーン」よりは、まだましーん。(間、シーン)
 これから日光くる人は酒を用意するように。
 つぎは満月の申し子つきみちゃん(前橋ライブの主催者)からのメール。

TシャツとクリスマスのCDが届いたので1日の楽しさが濃くなった。
うれしい。ありがとうございます。
<CDの感想>
クリスマスがなんとなくわくわくして、
神聖なかんじがするのは(クリスチャンでなくても)
こういうことだったのか!と思った。
祝福。
うまれてきてくれてありがとう!
それから、たけちゃんの存在をすごく感じた。
楽しい、うれしい、勇気づけられる音楽でした。
大声で合唱したい。
onsensの音楽があると、
人のことが好きになる感じがする。
これはなんなんだろう。

 そうそう、オレたちのクリスマスソング「Merry christmas children」は、貧しき者、孤独な者、けがれし者、罪人、子どもたち、すべてを「愛しき命」として祝福する歌なのだ。キリストの教えをねじ曲げて他者を排斥する讃美歌より、壮大な宇宙観で命そのものを讃美する。
 聴いてない人はくやしいだろうが、この歌詞はクリスマスに発表するのでお待ちなせえ。
 もうひとつyaseet(よし)さんからの満月メールものせちゃう。

mixiの日記にもupしてあるんですが
ドMないとこがいます。自傷行為→スプリットタン
それまでは サンディエゴに住んでカポエラに励むオトコマエなやつやったんです。
なにかがきっかけで発病してしまったみたいで
あるひ、両手首切ってしまったんです。
それを聞いてからよしはなんとかしてあげたくて
そんなときに そうだあきらさんの本だ!
って コットン100%と神の肉とアジアントランス
を貸しました。
本が読める状態だったのでラッキーでした。
そしたら 電話がかかってきて
『読んだよ!もぉ何回も読んで泣いてしまった
神の肉が大好きやな コットンはしらんまに吸い込まれていったし
すごい泣いてしもた 本が汚れないか心配で・・・』
ってゆうてくれたんです、それからワタシとその子は
あきらさんの本を通してさらに通じ合えた気がしたんです
だから いろんな意味であきらさんの本って特別ってわかりました!

 スプリットタン(舌を切り裂く)は蛇を信仰するシャーマニズムで伝統的な苦行だった。まあ「アジアントランス」にでてくる変態苦行者たちや「コットン」で焼チン自殺をはかるオレと仲間だな。
 彼もタイ・プーケットのおこなわれるベジタリアン・フェスティバルに参加したらいいのに。
 オレはこの「世界一痛い祭」に参加して思ったね。
 インディアンのサンダンスやベジタリアン・フェスティバルは、「他者に痛みを捧げる」。
 自傷行為やオレの焼チン自殺は「自分に痛みを捧げる」。
 つーか「痛みを捧げる」他者が、共同社会が、なくなってしまった。
 自傷や自殺もふくめ、自己破壊欲求は人間の根元的なプログラムとして初期設定されている。オレたちの脳細胞は毎日数万個死ぬし、体細胞は1日みそ汁一杯分くらい死ぬ。ヘイフリック限界と呼ばれる臨界点に達すると細胞は自ら自殺するのだ。
 他者のために。
 君という命を生かすために。
 壁紙が変わると、同じ行為をしていても、
 「英雄」から「病人」とレッテルが変わる。
 オレたちの体は神経システムによってまだ「つながり」を維持しているけど、オレたちの社会は「つながり」を断ち切られ死にかかっている。
 「統合失調症」は自傷者じゃなく、
 社会という患者かも知れない。

 窓の外は、
 痛いくらいの満月。

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