ヘミシンク | New 天の邪鬼日記

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 最近ちゃんと日記を書くひまがなかったので、今日はじっくり書いてみよう。
「ヘミシンクで体外離脱しちゃった」
 特殊な音響技術により変性意識(アルタードステイツ)をつくりだす「ヘミシンク」のワークショップにいった友人からくわしい話を聞いた。
 ヘミシンクの開発者であり、体外離脱の大家ロバート・A・モンロー(Robert A. Monroe)は、1915年にアメリカで生まれ、オハイオ州立大学で工学とジャーナリズムを学んだ。
 ラジオ番組の制作会社を経営していたモンローは、1958年ごろから体外離脱を何度も体験する。自分が学習してきた知識とまったく異なる世界に出会い、人間意識とはなんぞや? あれは幻覚じゃおまへんか? 体外離脱とはなんだんねん? 体外離脱を科学的に起こせないもんかのう? と独自に研究をはじめる。
 ラジオ番組をつくっていただけあって、音響技術にはくわしかった。科学者や精神科医などを動員し、1975年にヘミシンク(Hemi-Sync)という音響技術を発明、特許を取得した。
 ヘミシンクは特定の音のパターンによって脳波をコントロールし、熟睡や覚醒、変性意識や体外離脱まで引き起こせるという。
 1985年アメリカ・バージニア州にあるモンロー研究所(The Monroe Institute)が設立され、1995年にモンローが死んだあとも娘のローリーが引き継ぎ、世界中の人々がヘミシンクのワークショップを体験しに訪れる。
 友人の話から日本でのワークショップが実際にどんなふうにおこなわれるのか、かんたんに説明しよう。
 2日間で4万円(食事、宿泊は各自持ち)。アメリカのモンロー研究所でのワークショップ・ツアー(5泊6日の間滞在&通訳)は30万円~するので、安いと言えば安いのかも。
 「体外離脱ができるなら、4万円は安い」などと思ってはならない。最初のセッションで体外離脱できる者はほとんどいないし、ヘミシングは自分のブロックをはずしていくきっかけにすぎないのだ。
 意識状態をわかりやすく説明するため、セッションは20段階(もちろん上級者はその上もある)に分けられ、F-1(フォーカス=焦点をあてる)は日常意識、F-10は肉体は眠り意識は覚醒してる状態(金縛りも同じで、体外離脱が可能な状態)、F-12で意識が拡張し、F-21は臨死体験に近い状態と、だんだんレベルアップしていく。
 まず初心者はF-1からF-10「ゲートウェイ・ヴォエッジ(門をくぐる)」からはじめる。
 24人の参加者が配られたマットの上でリラックスし、ガイダンスを受けながらヘッドフォンでヘミシンクを聴く。たとえば左から100Hz、右から104Hzの音が出ると、右脳と左脳が耳では聞こえない差の4Hzの音を聴こうと協調しはじめる。これを「周波数追従反応/FFR」といい、脳波をシータ波(4-7Hz)、デルタ波(0.5-4Hz)へと誘導し、変性意識や体外離脱を引き起こすきっかけとなる。
 ガイダンスでは「エネルギー変換ボックス」というのをイメージし、自分がかかえている不安やトラウマ、日常の煩いごとを箱にしまい込む。
 過去をふくむ古いエネルギーをCDにあわせて大声で「オー」と声にだし、外へ吐き出す。(レゾナント・チューニング)
 足元から力を抜き、完全にリラックスした状態F-10へもっていく。
 ここで午後のセッションが終了し、ランチを食い、午後のセッションがはじまる。
 部屋の電気を消され、F-10の状態にもどる。
 頭頂部から光が噴き出し、それが子宮の膜のように自分を包む球体バリアーになり、また足下からエネルギーがはいってくる球体(ボール)をイメージする。 (「リボール」)
 「エネルギー変換ボックス」に入れた不安が泡になって消えていくイメージをする。
 呼吸に色をつけてイメージする。緑の息を吸い込んで浄化し、赤の息でパワーをつけ、紫の息で癒す。
 自分のトータルセルフ(自分の魂というか、何度も輪廻をくりかえしてきた自分の核のような存在)にブーメランをイメージして質問を投げ、答えを受けとる。
「自分はこれから何をするべきなのか?」
「あなたは誰ですか?」
「あなたの前世は何でしたか?」
「あなたの今世の目的は何ですか?」
「その目的を達成するのに必要なメッセージを聞きだしてください」

 セッションの内容は友人の記憶なので、順不同だがこれらのことがあったらしい。
 おもしれーじゃん。オレもやりたい。雑誌の取材とかでレポーターやらせてよ。
 そんなかんたんに体外離脱はできないだろうが、なかなかよくできたプログラムだ。

 オレが思うに、時代は表面的なグローバル化(単一化)にみんな浮かれているけど、深層的なグローバル化(多様化)がはじまっている。
 それぞれが別々の道をたどって大きな時代のうねりをつくっていくのだ。
 モンローは体外離脱から音響技術によってヘミシングを生み、経済にものっかって世界中に広まっている。
 ヘミシングではじめの一歩を踏みだすのはいい。
 モンローはより広い人々へ伝えていこうとしていくためにこの音響技術に到達したし、きちんと意識の深層に降りていくプロセスを踏まえている。
 オレがこだわりたいのは「有効成分」と「無効成分」である。
 世界最強のドラッグ・アヤワスカを求めてオレはアマゾンを放浪したが、5年たって効いてくるのは アヤワスカという「有効成分」ではなく、ボロボロになって旅したプロセスの「無効成分」なのよ。
 ヘミシングの高いCD買って自己陶酔してる場合じゃない。英語わかんなくてもバージニア州にあるモンロー研究所へ旅立て。
 そこへいく旅のプロセスのほうがCDより多くのものを教えてくれるはずだ。

 「きっかけ」は外側からやってくるが、「気づき」は内側にしかない
 「気づき」は内側からやってくるが、「きっかけ」は外側にしかない

※モンローが書いた本はむっちゃおもしろいので読んでみて。
「究極の旅—体外離脱者モンロー氏の最後の冒険」(日本教文社)
「魂の体外旅行—体外離脱の科学」(日本教文社)
「体外への旅—魂が肉体を脱け出す」(学研)
 日本でのオフィシャル・スポークスマン坂本 政道氏の「体外離脱体験」、「臨死体験を超える死後体験」1~3。藤崎 ちえこ氏の「魂の帰郷」もある。