奈良の亀々さんからこんなメールがきた。
二十七日の夕方のニュースのテレビで特集をやってました。
赤ちゃんの胎内記憶。それを調べている人の報告。
3歳から7歳くらいの幼児、１００人のうち30人が胎内記憶を覚えていると。
ある幼児は、ママのおなかでこうして寝ていた姿をしてみせたり、
足はこうして蹴っていたとか。
ある幼児はつぶつぶからおたまじゃくしみたいになってだんだん赤ちゃんの形になるとこを絵に書いていました。
ある幼児はママのおなかからでてくるときの様子を、掃除機のホースみたいな筒から出てきた、と。
それを産婦人科の先生に聞かせると、まったくそのとおりに出産がおこなわれると。
私がおどろいたのは、ある幼児は、ママのおなかの中に入る前の記憶していたことです。空から、小さな天使みたいに並んで、ママを探していた。だれの赤ちゃんになろうかと。
「あなたはどうしていまのママのおなかのなかに入ったの」と聞くと、
「やさしそうだったから！」
母親が、赤ちゃんから選ばれるとは。うーん。わからない。（抜粋ここまで）
子どもは親を選んで生まれてくるというのは、先端の臨床現場からたくさんの証言が報告されている。（akiramaniaの「おすすめ」にある「チャイルド」を参照）
ここからオレの意見は常識で教えられた子供観と正反対なので、独善的と思われる方は、「誕生を記憶する子どもたち」デーヴィッド・チェンバレン。「子どもはみな前世を語る」キャロル・ボーマン。「誕生の記憶」春秋社編集部編などを読んでほしい。
さて、どうやって子どもは親を選んで生まれてくるのか？
ある子どもは「テレビ」のようなものに何人かの親候補が映し出され、ある子どもは「映画」のようなもので見せられたり、ある子どもは「図書館」の本のなかから親を選んだりしたという。
前世の記憶をおぼえているのはだいたい言葉が話せるようになる２、３歳から５、６歳まである。その子のボキャブラリーの範囲内で話すので、映画になったり、テレビになったり、図書館になったり、「天使みたいに並んで」と例えたりするが、同じことを言っているのだと思う。
それらのデータに共通なのは、オレたちは生まれてくるまえにこれから自分の親になる候補者を何人かイメージさせられ、アドバイザーとの相談の上、最終的には自分で決定するということだ。
アドバイザーも、神様とか、天使とか、白髭のおじいちゃんとか、その子のボキャブラリーの範囲内で例えられる。
「やさしそうだったから！」その親を選んだというのは、かなり珍しい事例というか、やはり子どものボキャブラリーでは親を選ぶ複雑な事情を説明しきれないからだろう。
生まれるまえの子どもはトランスパーソナルな状態で、すべてを知っている存在だ。子どもが親を選ぶ基準は「やさしそうだったから！」や「この親となら幸せな人生を送れそうだから」とはまったく逆だ。
むしろ自分との関係においてもっとも問題のある親を選ぶ。
さらに説明すると、
自分が精神的にもっとも成長できる親を選ぶ。
その親とのトラブルや葛藤によってより大きな学びを得るためである。
拙著「アジアに落ちる」で引用したインドのことわざは、「自分にもっとも合わない者どうしが家族となって転生させられる」というものだ。
まさにうちの家族なんてこの典型だった。
オレは親との葛藤やどん底の旅からこんなことを教えられた。
人生の目的は「幸せ」なんかじゃない。
より多くの痛みから「学ぶ」ことだ。
こう気づいたとき、天地がひっくり返った。
オレの中でパラダイム・シフト（支配的な考え方の変換）が起こったのだ。
筋金入りの天の邪鬼が誕生した瞬間である。
それまでは「自分なんて不幸な人間だ」と運命を呪うばかりで、自分も親も人間も大嫌いだった。
「風の子レラ」で書いたように、自分は生まれるとき自分自身で困難なハードルを設定して生まれてきた。
不幸や不運こそが自分を成長させてくれる試練であり、そのハードルを越えられる人間にしか試練は与えられないと知った。
ズンッと肝が据わり、はらわたの底から野性の力が突きあげてくる。
退屈な世界が新鮮な驚きとともに、まったくちがって見えたんだ。
理不尽な世界に翻弄され、「その他大勢」の脇役だったオレが、自分の人生の主役になれた。
一瞬一瞬を自分で選んできたのだから、文句も愚痴も言えない。
逆に不幸や不運はウエルカム！
さあて、腕の見せどころだぜと奮い立っちゃう。
子どもは親を選んで生まれてくるのか？
それが真理かどうかなんて興味ない。
真理や真実なんて、現実っていうクソをぬぐうトイレットペーパーにしかすぎない。
そんな教典にはろくなこと書かれてないから早く流しちまえ。
判断や分析を停止して、
楽しいことだけ選ぶんだ。
信じるほうが楽しければ、
君が神だ。
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